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【選挙ウォッチャー】 京都府議選2023・京都市下京区レポート。

 3月31日告示、4月9日投票で、京都府議選が行われました。
 この選挙区は、なかなか絶望を感じる結果となっています。定数2に対して3人が立候補しているのですが、現職は5期20年の実績を誇る共産党のベテラン女性だけ。自民党は、これまで地元で府議を務めてきたベテラン議員の娘で、あとは、どこにでもいそうな維新の新人女性です。
 結論から言えば、「京都でも維新に風が吹いている」と言えるのかもしれませんが、京都にお住まいの皆さんこそ、大阪の惨状を直視してもらいたいと思います。大阪は既にだいぶやっちまっていますが、京都はまだ間に合うはずです。京都を大阪にしてはいけません。

西脇 郁子 65 現 日本共産党
小巻 久美 55 新 自民党
田中 志歩 28 新 日本維新の会

 日本のジェンダーギャップを考えると、この選挙区は非常に珍しいと言えるかもしれません。というのも、立候補している全員が見事に「女性」だからです。
 ただ、どうして女性が立候補することになったのかという背景には「共産党が女性の現職だから」ということも影響していると思われ、対共産党シフトを敷いたところ、「男性より女性の方が有利である」と考えられたのではないかという気もします。どんな理由であれ、女性が増えるのは良いことだと思いますが、その結果は自民党や日本維新の会の思惑通りになりました。




■ 京都市下京区・選挙ボード解説動画


■ 京都が直面している人口減少と高齢化

 政令市である「京都市」ですが、実は、人口減少と高齢化が深刻になっています。例えば、東山区の高齢化率(65歳以上の人たちの割合)は、なんと、31.8%に及びます。山科区も同様の水準となっており、龍谷大学がある下京区などを除いて、どこもシビアな数字になりつつあるという現実があります。
 65歳以上の人たちが今さら子どもを産むこともないので、出生率も低下するばかりで、東山区では0.74(全国平均は1.15)なので、この地域の人口はますます減少するばかりです。
 人口減少に追い打ちをかけているのが、こんな状態でも土地の値段は上がっているということです。なので、お金のない若者たちはどんどん京都から離れるという現象が起こっており、2022年の1年間で京都から消えた人の数は1万1317人だといいます。これらの話は、今年1月1日の「京都新聞」の1面になっています。地元紙が最も問題だと考えている京都の問題だと思います。観光に来る人はどんどん増えるけど、地元で暮らす人たちは高齢化と地代の高さで減っていく。非常にイビツな構造ですが、この問題に真摯に向き合う人たちがいません。


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