【選挙ウォッチャー】 奈良市議選2021・分析レポート。
7月4日告示、7月11日投開票の奈良市議選は、定数39に対して47人が立候補しました。今回、激闘の東京都議選の疲れが残る中、体にムチを行って奈良市議選を取材した理由は、「NHKから国民を守る党」の候補が奈良市に進出しようとしていたからです。鹿のフンで汚れるならともかく、政治がN国のウンコで汚れるようなことがあってはならない。三郷市議選に続く「46連敗」を見届けるため、コロナ禍ということで、車で奈良県まで移動しました。片道8時間以上かかったのですが、道中はコロラド先生のコロナ解説を聞きながら、ホゲホゲと車を運転していました。早く自動運転の車が欲しいです。
気になる候補にはだいたい会うことができ、非常に満足度の高い取材になったのですが、おそらく皆さんが一番気になっているのは、奈良で維新がどれくらい強いのかだと思います。奈良県はもれなく「関西メディア」の影響下にあるため、関東圏と違って、維新がめちゃくちゃ強いです。今回、維新は3人も新人の候補者を擁立してきたのですが、果たして、どのような結果になったのか。強烈な維新旋風が平城京跡地に吹き荒れるのか。維新支持者の皆さんは酒をご用意の上、お読みいただければと思います。
■ N国党は前人未踏の「46連敗」を記録
奈良市議選では、「議席を減らします党」ではなく、正統派の「NHKから国民を守る党」で立候補してきました。東京の小岩サティアンで働く出家信者ではなく、奈良市在住の在宅信者なので、N国ウォッチャーもあまりよく知らないレベルのオジサンです。しかし、基本的にアホなので、このご時世にまだN国信者を続けており、「NHKを観ていなければ受信料払わなくて大丈夫です」という、「店員がいなければ万引きしても大丈夫です」ぐらいの不法行為の推奨をしていました。完全にカルトです。しかし、蓋を開けてみれば、ちっとも票が取れずに大惨敗。あんなに駅前で熱心に演説していたのに、どうして全然票が取れなかったのか。それは言うまでもなく・・・。
選挙ポスターに立花孝志尊師の写真なんかを入れているからです。いまや立花孝志は、この世で一番嫌われている迷惑系YouTuberです。N国信者の中では「選挙のプロ」ということで、いまだに「天才」だとして崇められているようですが、一般の人はこの写真があるだけで「投票してはいけない」という認識になります。今、それでもN国に投票している人は、ほとんどネットの情報が取れていない高齢者だと思われ、若い人たちからは絶望的に票が取れていないのではないかと思います。
北関東圏からやってきたと思われるスタッフが数名と、初めて見る顔のスタッフが数名いるだけで、全部で5人くらいで選挙運動をしていたN国党。僕は誰よりも最前線でN国党の栄枯盛衰を見守ってきたわけですが、昔に比べると、ずいぶん寂しくなりました。この後、大阪や徳島のN国信者たちも集まって選挙を応援していたようですが、昔のように開票所に詰めて当落を見守るようなこともなくなり、N国信者でさえ当選するとは思っていないというのが現状です。この写真も僕が持っているバズーカーカメラではなく、レギュラーのカメラで撮影しており、そこそこ認知できる距離まで接近しているのですが、N国信者が僕に対してオラオラ言うこともなくなりました。
真正面から写真を撮っちゃったりして。それでも、僕に話しかけてくる奴は1人もいません。僕の存在には気づいているけど、僕に話しかけてくることはないのです。ちなみに、この時に声をかけられても、フルMAXで喉をやっていた時なので、会話はできませんでしたけど。
昨年4月に志木市議選で無投票当選を決めて以来、今日の今日まで一度も選挙で勝ったことがなく、この奈良市議選で前人未踏の「46連敗」を記録しているN国党がどうなっているのかと言うと、先日の東京都議選まで「嵐の党」という誰も知らない党名になっていたのですが、今度の衆院選では「NHKと裁判をしている党」みたいな党名で戦うことにしたそうです。NHKと裁判をしていることは間違いないのですが、その裁判のほとんどが「被告側」という頭の悪さです。6月15日には東京地裁で、NHK集金人を追いかけ回す動画をアップしたことでNHKの業務が著しく妨害された事件の判決が下され、立花孝志や大橋昌信、その協力者の一般人、N国党がNHKに対して330万円お支払いしなさいと命令されたばかりです。立花孝志自身は、NHKに対する不正競争防止法違反や威力業務妨害などで刑事事件の裁判中。秋にも判決が下されると思いますが、「執行猶予がつかないのではないか」とまで言われています。今回、奈良市議選に立候補している竹島啓太も、テレビを持っていなければ受信料を支払う必要はありませんが、「NHKを見ていなければ受信料を支払う必要はない」というのは明らかな嘘なので、これもN国党の業務妨害の一つだとカウントされて、NHKから訴えられる可能性があります。立花孝志の悪質なところは、協力した人たちが次々に訴えられて、最終的に前科者になったり、巨額の支払いを命じられたりするようになってしまうことにあります。「コンビニに行って、教えられた口座からお金を引き出すだけだ」と言われて、オレオレ詐欺の片棒を担いで逮捕されてしまうアホと同じなので、これも完全に自己責任なんですが、今も人生の一発逆転を夢見て、立花孝志の政党から立候補しようという奴が絶えない現実。間違った正義感を振りかざし、傷つくのは自分たちです。今回も奈良市議選に立候補しちゃっているので、公的記録の中にも自分の名前とN国党のつながりを正式に残しているので、おでこにウンコのタトゥーを彫っているのと変わりません。
おそらく奈良県は、他の都道府県よりN国が票を取れないエリアだと思います。というのも、何を血迷ったのか、立花孝志が桜井市長選に立候補したことがあって、あの時はものすごい人だかりができて、地元ではかなりのビッグニュースになっていたのですが、結果は、ずいぶんと信者が集まった割に供託金没収になるレベルで票が取れず、あの頃から奈良県民の間では「N国=ネタ政党」と認識されていて、他の都道府県よりN国党がクソであることを知っている人が多いエリアになってしまったからです。
なので、奈良県は潜在的にN国党が票を取れないエリアで、だいぶ安心して見守ることができました。ちなみに、N国党の立候補ラッシュは奈良市議選をもって一旦終了となり、この後は10月の衆院選と11月の葛飾区議選に立候補してくるぐらいです。今でも自腹で300万円払ってN国党から立候補しようというアホが続々と集まっているらしく、N国信者たちの洗脳はいつまでも解けないことがわかっていますが、しばらく平和な日々を過ごせそうな気がしています。
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