【選挙ウォッチャー】 東京都議選2021・千代田区選挙区レポート。
今日から「島部」と無投票当選になった「小平市」を除き、40選挙区の東京都議選のレポートをリリースしていくことになりますが、いきなり超がつくほどの大波乱となった選挙区をお伝えすることになりました。6月25日告示、7月4日投開票の東京都議選。千代田区選挙区は、下馬評を大きく覆す結果となり、僕の当落予測は見事に外れ、選挙の恐ろしさを肌で感じることになりました。
内田 直之 57 新 自民党(区議)
平 慶翔 33 現 都民ファーストの会(平愛梨の弟)
冨田 直樹 45 新 共産党(党地区副委員長)
浜森 香織 42 新 無所属(千代田区議選にも立候補)
千代田区というのは、時に「千代田村」と揶揄されるほど、東京のド真ん中にあるからこその「ムラ社会」で、自民党が圧倒的に強い場所。「東京都議会のドン」と言われた内田茂さんの地盤であり、その娘婿である内田直之さんが「自民党最後の公認候補」として擁立が決まった瞬間に、決着はついたと思われていました。平慶翔さんは、もともと板橋区選出の現職で、今回の都議選を前に急遽、鞍替えをして挑んできました。準備期間もほとんどない中で、平慶翔さんが勝つのは物理的に不可能。毎日新聞の情勢調査では平慶翔さんが優勢だと伝えられましたが、自民党の見解は「そんなわけあるはずないだろ!」ってなもので、誰も平慶翔さんが勝つとは思っていなかったのです。僕もそんな自民党のオッサンたちのリアクションを見て、「そんなわけあるはずない」と思ったのですが、そんなわけはありました。これは大事件です。これからじっくり解説していくわけですが、それぞれの選挙区を気になるものだけ単品でも買えますし、まとめてお得に読めるマガジンもご用意しております。1本あたり199円なので、1つずつポチる必要がないこともあって、一見、金額が高いように思えるかもしれませんが、なにしろ40レポートです。ぜひ、こちらもチェックしてみてください。
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■ 冨田直樹候補の主張
冨田直樹さんは、2009年、2012年、2014年と3回連続で衆院選の東京1区から立候補している共産党の男です。阪神大震災が政治家を目指すキッカケとなったそうで、災害に強い福祉社会と脱原発、子供たちに戦争をさせない強い決意で、2009年から3回にわたって衆院選に立候補。前回の衆院選で見かけなかったのは、政策協定により、出馬を見合わせたのだそうです。ちなみに、リトルグリーモンスターが好きだという真面目そうな人ですが、このたび東京都議選にチャレンジしてきました。
その選挙公約は真っ当で、迅速で確実なワクチン接種と大規模検査を車の両輪で進めること。自粛頼みを転換し、営業と雇用を守るための支援と補償を強めること。利益優先から環境優先の街づくりをすること。個人の尊厳や多様性、ジェンダー平等の都政に前進させること。間違いなく、今、最も必要な政策が凝縮されていると思いますが、これほど真っ当な政策を掲げていても、冨田直樹さんがたくさんの票を獲得することはありません。理由は「共産党だから」です。政治に近い人たちがことごとくネトウヨのため、令和になっても「赤狩り」が続けられており、「千代田村」では日本共産党は勝てません。今回も無所属の奥さんよりも票が取れませんでした。
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