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【選挙ウォッチャー】 大阪市長選2019・分析レポート。

4月7日に行われた統一地方選の前半は、「大阪ダブル選挙」が主役になってしまった気がします。他にもいろいろと重要な選挙が行われたのに、テレビのニュースや新聞が手厚く報じたのは「大阪ダブル選挙」でした。大阪府知事選の分析レポートは既にお届けしましたが、やはりこれもお届けしておかなければならないと思っています。

松井 一郎 55 新 大阪維新の会
柳本 顕  45 新 自民党

実は、大阪府知事選の方は選挙序盤から吉村洋文さんと小西禎一さんの間には大きな差があり、とても大きな風が吹かない限り、当選は非常に難しいレベルだったのですが、僕に入ってきていた選挙情勢によると、大阪市長選の松井一郎さんと柳本顕さんは、かなり互角の戦いを繰り広げており、ゼロ打ちになるという感じではありませんでした。かなり激しいデッドヒートになる。そんな構図だったはずなのですが、この選挙期間中に二人の差はどんどん開くばかりで、終盤に差し掛かる頃にはゼロ打ちになるほどの差がついていたという状況です。どうしてこんなことになってしまったのか、このあたりを解説したいと思います。


■ 柳本顕さんはリベラル系ネット民を拒絶した

柳本顕さんの最大の敗因は、リベラル系のネット民を拒絶してしまったことにあると考えています。4年前に大阪市長選に挑戦した時には、実にたくさんの支援があり、僕のタイムラインも柳本顕さんを応援する声で溢れたものでしたが、今年は柳本顕さんを応援する声は、遙か遠くの山の小鳥のさえずりぐらいなもので、ほとんど流れてきませんでした。どうしてこうなってしまったのかと言えば、柳本顕さんの関係者たちが「共産党と共闘することはあり得ない」などと、場をわきまえていないクソツイートやクソFacebookを展開していたからです。リベラル系ネット民たちは、積極的に共産党を支持しているわけではありませんが、共産党の正しい言い分は認め、消極的に応援している人たちが多いです。けっして共産党支持者ではないので、「共産党は仲間外れだ」と言ったところで、すぐさま応援を辞めてしまうようなことはないものの、共産党の力も借りて1票でも多く取らなければならない場面でくだらないことを言っていることに失望しています。この期に及んでこんなバカなことを言っている奴を積極的に応援できるはずがないというわけです。

柳本顕さんとその周辺の「共産党嫌い」は病的です。共産党が素晴らしいとは言いませんが、無条件に共産党を拒否するようなことを言ってしまうのはネトウヨと同じです。心の中で嫌いだとしても、いちいち嫌いであることを表明して分断する必要はありません。ましてや、選挙の真っ最中にこんなことをやっているのですから、レベルが低いです。リベラル系のネット民たちは、柳本顕さんがカジノ反対なわけでもないし、大阪万博を中止にするような人でもないことをわかっていて、それでも大阪維新の会よりはマシであるということをわかっている人たちです。そんな人たちのモチベーションを下げ、ネットから風を吹かせてくれる存在を味方につけないわけですから、ただでも選挙戦略がしっかりしていないところに、ネットで戦ってくれる有志たちも捨て去ることになるわけですから、リベラル系ネット民たちは統一地方選に立候補する他の県議候補や市議候補たちの応援に忙しいのに、柳本顕さんのことまで応援している場合ではなくなり、柳本顕さんを応援するツイートの物理量は4年前の10分の1にも満たなかったのではないかと思っています。


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