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【選挙ウォッチャー】 平沢勝栄議員のLGBT発言の根底にあるもの。

ここ数年でLGBTに対する理解は急速に深まっていて、世界ではどんどん同性婚が認められるようになってきています。日本でも一部の議員が「同性婚を認めてもいいのではないか」と理解を示していますが、一方で杉田水脈議員が炎上をしたように、与党である自民党周辺からは理解できないどころか、LGBTの方々を傷つけるような無神経な発言が飛び出すようになっています。かつては僕もLGBTの方々の気持ちはちっとも理解ができず、たびたび無神経な発言をするタイプの人間ではありました。今でも完璧に理解できているかと言ったら怪しいかもしれませんが、それでもLGBTを認めたら日本が滅びるとは思いません。むしろ、時代の先端を行くのが政治家のはずなのに、議員が時代に遅れているというのは、とっても嘆かわしい話だと思います。どうしてこんなことが起こるのか、ちょっと考えてみることにしました。


■ 時代遅れの議員たちの頭にあるエビデンスのない危機感

先日、自民党の重鎮議員である平沢勝栄さんが「LGBTばかりになったら国が潰れる」という発言をして、杉田水脈議員であれだけ炎上したのに、まだ反省もなくそんなことを言っているのかと、また炎上をしました。本人たちは、わりとガチで日本の未来を考えているつもりなんだと思いますが、なにしろLGBTのことを理解しようともしなければ、同性婚を認めた他の国がどうなっているのかを知ろうともしないもので、ただ頭の中でエビデンスのない危機感を抱いて、このようなクソ発言を繰り出しているのだと思います。同性婚を認めてしまい、同性同士で結婚するようになると国が潰れると考えてしまうのは、同性同士で結婚しても子供は生まれないので、子供が生まれない家庭ばっかりになってしまうと少子化に拍車がかかり、子供がいない国は潰れるに決まっているだろうと思っているからです。しかし、同性婚を認めたところで、子供が減ってしまうような心配はほとんどないと言っても過言ではありません。なぜなら、僕が男性を好きになって恋に落ちることがないように、ゲイの男性が女性を好きになって恋に落ちることは最初からないので、そういう人たちはもともと結婚しないし、女性と子供を作ることはないからです。僕に男性を好きになれと言われても男性を好きになれないように、ゲイの男性に女性を好きになれと言われても女性を好きにはなれないので、これは「変えることのできないこと」なのです。そうであることが理解できれば、そもそも子供を作る作らないの次元ではないのだし、LGBTの方々がより幸せに生きられるような制度を作ってあげてもいいはずなのですが、政治家のくせに理解しようとしないので、LGBTの問題のみならず、経済的なことであっても時代に取り残されてしまうのです。USBも知らない人がサイバーセキュリティー担当大臣をやっているところを見れば一目瞭然です。


■ 同性婚を認めることは経済的にもメリットがある

LGBTに寛容になると国は潰れるのか。これは日本よりずっと前から同性愛やニューハーフに寛容なタイという国がまったく潰れていないことを見れば明らかです。もしLGBTを認めると滅びるというのなら、タイがLGBTのせいで潰れていなければおかしいですが、あれだけ政治が不安定で、かつLGBTに寛容であっても微笑みの国は存在しています。もしも日本がLGBTに寛容になったとしても、そんなことが理由で国が潰れることは100%ありません。なにしろ、LGBTは「性的少数者」と言われるように、数としては少ないのです。LGBTが認められるようになったとしても「じゃあ、俺も男を好きになろう!」と心変わりする人はほぼいません。もともと結婚しなかった人が同性間で結婚するようになるだけで、男女間で結婚する人が減るということもないのです。同性間でも結婚が認められることは、国家にとってもメリットがあります。LGBTの方々が同性間で結婚するようになれば、物理的にも精神的にも生活が安定します。家を買ったり、車を買ったり、パートナーと過ごす生活環境にお金をかけるようになれば、より経済が回るという話です。また、やはり同性間では子供を作るのは難しいのですが、里親として子供を育てるということもできるようになるかもしれません。人間の社会とは「助け合い」「支え合い」によって共存する社会です。そもそも同性婚を認めるということは、婚姻届や市役所で入力する際のシステムを変えなければならないかもしれませんが、一度変えれば終わりです。ほとんどお金をかけることなく、多くの人々を幸せにすることのできる画期的な政策です。昔は同性愛者だというだけで差別される時代でした。僕も無神経に差別をしていました。しかし、時代は少しずつでも変わるものなのです。今は差別してはいけないことを多くの人が知っているし、LGBTが当たり前のように存在することが自然なことであると理解しています。そんな中で、ろくすっぽ勉強しないジジィの議員が、相変わらず古い認識のまま政治をやっている現実。こんな奴はとっとと議員を辞職させた方がいいのですが、「昔から応援しているから」という理由でまだ投票し、当選してしまうので議員を続けているという状態です。どんな重鎮でも勉強しなくなったら終わりです。こんな時代遅れの議員をそのままにしていることこそ日本が潰れる第一歩であると言っておきたいと思います。


■ 少子高齢化を危惧するなら自らの政策を見直すべき

平沢勝栄さんや杉田水脈さんの根底にあるのは、やはり「同性同士で結婚しても子供は産めないのだから、少子高齢化がますます深刻になって国が滅びる」です。しかし、同性婚を認める以前から、日本の少子高齢化は非常に深刻です。若者にお金がないので「結婚する」ということが現実的でなくなっているばかりか、最近は恋人さえいないという若者が増えています。クリスマスをカップルで過ごす独身の男女も少なくなり、恋もできたものではないという時代に突入しているのです。若者たちにお金がないのは「消費税」も原因の一つです。「消費税は赤ちゃんからお年寄りまですべての人に平等にかけられている公平な税金だ」と言ってしまう人もいるのですが、消費税には逆累進性があるため、ちっとも平等な税金ではなく、貧しい人ほど税負担が大きくなってしまう不平等な税金です。非正規雇用で働く人が増え、低賃金低収入な人を増やす政策を進め、さらに今年10月には消費税を10%に引き上げようというのです。このような政策をすれば、同性婚を認めるどころではないレベルで少子高齢化に拍車がかかることでしょう。こうした「アベノミクス」は失政なのです。


■ 1億円を配る社長と、それに群がる人々

貧富の差が広がり、若者の貧困な深刻になってしまった世の中では、プライベートジェットを持ち、誰もが憧れる美人女優さんとの交際を自慢して歩くような社長さんが、「ツイッターをフォローし、リツイートしてくれた人に総額1億円を配る」と宣言し、大量のフォロワーを獲得しました。自社サイトで商品を買ってくれた人に配るのではなく、あるいは、頑張って業績を上げてくれた社員に配るのでもなく、ただ社長のツイッターをフォローしてリツイートしてくれた人に配るというのです。確か、アベノミクスはお金持ちにお金をたくさん与えれば、それがやがてトリクルダウンで庶民に回ってくるという理屈でした。実際はどうなっているかと言うと、お金持ちにお金を持つと、庶民にお金を見せつけて「これが欲しかったら私の言う通りのことをやってごらん」という遊びに使われるのだということがわかりました。これでは「靴を舐めたら金をくれてやる」と言われているのと変わりません。僕ぐらいになっちゃうと、それであの可愛い女優さんが目を覚ましてくれるというなら、靴の底までペロペロ舐めちゃうかもしれませんけども、皆さんは、こういう世の中になることを望んでいたのでしょうか。たくさんのフォロワーを獲得すれば、それだけ直接的な広告宣伝を打てるチャンスが増えるというもので、テレビ番組のCMにお金をかけると思ったら安いものだということも言えるかもしれません。そしてまた、100万円もらえるかもしれないというのなら靴を舐めるわけではないし、余裕でフォローしてリツイートするという人もいることでしょう。しかし、こんなものはけっして「富の再分配」ではありません。この会社のコミュニケーションデザインなるものを担当しているという人物が、これこそが富の再分配であると言っていましたが、こんな私設宝くじが富の再分配になるはずもなく、そもそもほとんどもらえる確率がないに等しいものを「再分配」とは呼びません。ただ、最近は100万円という数字が年収の半分を占める人も少なくありません。昔よりも100万円の価値は確実に高くなっていて、これを企画した社長は「みんな夢が欲しいんだ」とつぶやいていましたが、実際には、みんな100万円が欲しいだけです。ただただ現金が欲しいのです。タダでその確率があるというなら宝くじを買う以上にお得なもので、みんな、そのチャンスに乗っているだけ。これだけ大風呂敷を広げているのですから、まさか「うっそーん!」で終わらせるわけにはいかないと思うので、もしかしたらの100万円チャンスに賭けているというわけです。こういう可能性に賭けなければ100万円をもらえない世の中にするのではなく、誰もが普通に働くことで100万円ぐらいの貯金ができる世の中にするためにはどうしたらいいのか。政治家にも問われているのですが、実は、経営者にも問われていると思うのです。


■ 葛飾区はヤバい議員の巣窟になりつつある

平沢勝栄さんは東京17区選出の衆議院議員です。東京17区は葛飾区全域と江戸川区の一部です。東京都葛飾区は、ヘイト議員として知られる鈴木信行さんやNHKから国民を守る党の立花孝志を生み出している地域であり、地元の区議会議員もなかなか香ばしいことになっていますが、地元選出の国会議員もまた香ばしいジジィだということです。平沢勝栄さんは現在73歳で、これまで年金未納、政治資金の申告漏れ、「保育園落ちた、日本死ね」が話題になった時も「誰が書いたんだよ、それ」「本人に確認したのか」などのヤジを飛ばして謝罪。人間誰しも叩けば埃が出るとはいえ、今日の今日までほとんど反省せずに、新たな不祥事をぶちかましているというのが現状です。高齢でもバリバリで現役の人はいますが、平沢勝栄さんはいつまでも昔の価値観でホゲホゲしているだけなので、そろそろ引退してもらった方がいいかもしれません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

どれだけやりたい放題を尽くしても安倍政権が支えられている理由は、やはり「経済」です。一応、庶民はまったく実感しないどころか、生活はどんどん苦しくなっているけれど、日本全体で言えば「戦後最長レベルの好景気」だということになっています。これもデータの取り方一つなので、ほとんど大本営発表に近いのですが、「辺野古基地の希少な珊瑚は移している」と平気な顔で嘘をついているように、公文書を改竄するレベルの日本では、何が本当なのかが分かりません。しかし、この嘘ももうすぐ隠しきれなくなってしまうのではないかというのが安倍政権に近かった学者からも出ています。あらゆる経済リスクに晒され、日本の経済はますます縮小してしまうと考えられており、日本の景気を本当の意味で回復するために、あらゆる手を尽くさなければならないはずです。例えば、同性婚を認めることには経済効果があるというデータもあるのですから、当然、与党である自民党の議員こそが経済のために検討するべきことだと思います。しかし、そんな勉強さえしないまま、いつまでも古い価値観の中にどっぷりハマっているのが日本の現実です。批判ばっかりしていても始まらないと言いますが、日本は病気なのです。どこがどんな病気にかかっているのかをきっちりと診断し、その処方箋を考えなければなりません。そういう意味で言うなら、これは批判ではなく「ここがダメなので、次の選挙では変えるべきだ」という診断をしているに過ぎません。葛飾区の皆さんが真剣に議員を選んでくれないと、日本はいつまで経っても変わらないということです。[了]

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