【選挙ウォッチャー】 糸満市長選2020・分析レポート。
糸満市は、第二次世界大戦の際、米軍に追い詰められた日本軍がジリジリと南下し、最後の激戦を繰り広げた地です。だから、ひめゆりの塔や平和祈念公園などがあり、生々しい戦争の傷跡を見ることができます。修学旅行で訪れても、なかなか大人になってから訪れることはないかもしれません。だけど、僕は大人になってから行くことをオススメします。修学旅行で訪れる戦争遺産は、ただ暗くて怖いだけですが、大人になってから見ると、実際に起こったことを素直に受け入れ、学ぶことができるからです。
上原 昭 70 現 自民・公明推薦
当銘 真栄 54 新 オール沖縄系
仲間 堅二 60 新 無所属
実は、糸満市長選と糸満市議補選は、人知れず熱い戦いになっていました。現職は、自民・公明推薦の上原昭さん。これに真っ向から戦いを挑んだのが当銘真栄さんなのですが、無所属市民派ながら、県政与党(オール沖縄)が自主的に応援していたのが当銘真栄さんでした。隣の南城市や島尻地区では自民党が圧勝する結果になっていたので、市長選や市議補選の結果が地味に気になるところでした。
一般的に、沖縄4区は「保守地盤」だと言われていますが、どうやら糸満市だけは例外のようです。島尻・南城市選挙区は自民・維新が強かったわけですが、糸満市は自民党が強いというわけでもなさそうです。上の円グラフは沖縄県議選の勢力を表したものですが、糸満市長選もほぼ変わらない結果となりました。
現職は、自民・公明推薦だったのですが、上原昭市長の評判があまりにも悪く、公開討論会で「一番やらなければならないことは体重を落とすことで、市役所の職員に仕事を任せたい」と大胆発言をするなど、まったく仕事をしていないクソっぷりが伝わり、たったの1期で交代させられることになったのでした。
■ 上原昭候補の主張
上原昭さんは、実に評判の悪い市長です。自民・公明推薦という時点でお察しいただきたいのですが、なかなかのネトウヨだそうで、市民の間で有名になっていたのが、「台風対応の時に市長室で飲酒をしていた」という噂でした。いわゆるホゲホゲとした市長だったため、「こんな市長に任せてはおけない」と、4年前の選挙で敗れた前市長や元市長が当銘真栄さんを市長にするために市内を駆け回り、コツコツと集票していったといいます。沖縄のネトウヨ政治の元凶とも見られていて、上原昭さんを落選させることが沖縄の未来を明るくする第一歩だと言われていたほどでした。もしかすると、沖縄県議選より糸満市長選で上原昭さんを落選させられるかどうかの方が重要だと思っていた人も多かったかもしれません。
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