【選挙ウォッチャー】 犬山市長選2018・分析レポート。
川を渡れば岐阜県という場所にある愛知県犬山市は、城と猿の街。愛知県と言うと名古屋のような都市部をイメージしますが、犬山市は長閑な城下町。畑が広がり、ゆっくりとした時間が流れます。そんな犬山市で行われた市長選は、現職市長と前職市長のぶつかり合い。しかも、現職の市長を育てたのは前職の市長であるという、まさかの師弟対決。ともに「真面目」が取り柄の市長候補であり、両陣営とも「選挙ウォッチャー」である僕を優しく迎え入れてくれるという、珍しくどちらが勝っても良いという感じの選挙になりました。
山田 拓郎 45 現 田中さんの弟子
田中 志典 60 元 山田さんの師匠
この選挙の争点は、「犬山の未来をどんな産業を中心に構成していくか」です。基地問題や原発問題だったりすると分かりやすいのですが、これからの街の産業の中心を何にするかなんて、おそらく多くの有権者が一度も考えたことがないテーマだと思います。山田拓郎さんは商業中心の街づくり、田中志典さんは工業中心の街づくりをしようと言っていて、本当はすごく重要な選択を迫られているわけなのですが、こればっかりは「どちらが正解」とも言えないだけに、有権者が政策で答えを出しにくい選挙になってしまいました。この選挙、本当は深く考えれば深く考えるほどワクワクしてくる「明るい話」をしているのですが、いまいち有権者に伝わらないため、非常に関心の低い選挙になってしまったのです。
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