【選挙ウォッチャー】 東京都知事選2020・カルトなコロナ安全厨たち。
今年の東京都知事選は、例年と大きく異なり、新型コロナウイルスの感染を防止しながら戦わなければならない高度な選挙となっています。少しでもソーシャルディスタンスを保てるように、マスクやフェイスシールドを着用して、なるべく握手を避け、なるべく消毒をする。新型コロナウイルスは、たとえ症状が無かったとしても、誰かに感染させてしまうリスクがある。しかも、多くの人が無症状のため、知らぬ間に感染を拡大させ、死者を出しているかもしれないのです。これから政治家になろうと志す人間であれば、当然ですが、自分から率先して感染防止に努めるべきです。ところが、皆さんもご存知のように、今年の東京都知事選はいつになく「珍獣博覧会」となっています。スーパークレイジー君なんていう名前の人が出ていますが、それより圧倒的にスーパークレイジーな人たちがたくさん出ていて、「新型コロナウイルスはただの風邪だ」と主張する致死レベルのバカまで立候補する始末です。しかも、このバカは一部の人たちの共感を得ています。この危機的な状況を少しでも皆さんに知っていただきたいと思います。
■ 幸福実現党「勇気を持ってマスクを外そう」
「健康な人はマスクを外そう」と訴えているのは、幸福実現党から立候補している七海ひろこさんです。先日、沖縄県議選を取材した時、県庁前に幸福実現党の政党カーが止まっていて、何を主張しているのかと思って聞いてみたら、「日本が諸外国に比べて新型コロナウイルスの感染者が少ないのは幸福の科学がお祈りしているから」とか「信仰ワクチンというものがあり、幸福の科学を信仰しているだけで新型コロナウイルスに罹らない」というものでした。幸福実現党の支持母体である「幸福の科学」が、そもそも新型コロナウイルスに対して、「信じる者は新型コロナウイルスに罹らない」という教えをしているので、はっきり言って、七海ひろこさんは「無敵の人」なのです。しかし、有効な治療薬もワクチンも存在しない今の段階で「マスクをしない」というのは、かなり迷惑な話です。
七海ひろこさんは、街頭演説でも話の中心は「第2波が来ても、第3波が来ても経済を優先させる」という話で、新型コロナウイルスは通常のインフルエンザと同様に扱い、大袈裟に恐れる必要はないと主張していました。もし新型コロナウイルスが通常のインフルエンザと同じくらいの毒性で、タミフルやリレンザといった薬が有効なのであれば、世界中がこんなに大パニックになることはありません。今のところ、この薬を投与すれば少しだけマシになるのではないかと考えられるものは存在しますが、有効な治療薬とは呼べません。既に志村けんさんや岡江久美子さんといった、みんなから愛されている芸能人も新型コロナウイルスが原因で亡くなり、日本の死者は1000人に迫ろうとしています。これを「インフルエンザに比べたら少ない」と言う人もいるのですが、それはみんながマスクをしたり、手洗いをしたり、外出や営業を自粛したりして、みんなで頑張って少なくするための努力をしたからであって、まったく気を付けなかったブラジルは100万人以上が病に苦しみ、5万人以上が死亡しているのです。世界にはマスクが手に入らない貧困地域もあり、そういう所で感染を予防するのは困難かもしれません。しかし、幸いにも日本はマスクが手に入り、少し高いけれど、誰でも買えるぐらいにはなっています。マスクを外すことを訴えるというのは、もはやカルトです。
マスクをするのは面倒臭いし、暑い日は息苦しく、つい水分補給を怠りがちになって熱中症になってしまう人もいるかもしれません。だけど、企業側も少しでも涼しいマスクを開発しようと努力しているし、熱中症もこまめな水分補給で防ぐことができます。まわりに誰もいない所ではマスクを外してもいいでしょう。涼しい室内でマスクをするだけでも感染をだいぶ防ぐことができます。そういう啓発をするわけでもなく、「マスクを外そう」と言ってしまうのは、致死レベルのバカ、または、カルトです。人々が不安になればなるほど宗教に頼ろうとする人は増えるので、日本中で新型コロナウイルスに感染する人が増え、みんなが怖くなればなるほど宗教は儲かる。「幸福の科学」という名前がついているのに、なぜ科学的なことを言わないのか。この「なぜ」は追及して考える必要があります。
■ 致死レベルのバカに共感する人たち
幸福実現党よりカルト度が高いのは、「コロナはただの風邪」と主張している平塚正幸です。「どうせ過激なことを言って目立とうとしているんだ」と思うかもしれませんが、平塚正幸の主張はガチです。平塚正幸は、完全に脳味噌がアハっている人なので、本気で「コロナはただの風邪」だと思っているし、メディアと政府が人々を分断させるために作り上げたもので、本当はそんなものは存在しないかもしれないとさえ思っています。誰にでも被選挙権があるので、バカでもアホでも300万円の供託金さえ用意できれば立候補するまではできるのですが、街に出て演説する権利が与えられるため、こうした主張を駅前で展開することにより、「バカはバカ同士、同じ周波数で共鳴する」の法則により、平塚正幸の話を聞いて、同じように脳味噌が「アハッ!」ってなっちゃう人が続々と現れ、最終的に平塚正幸の演説に拍手を送る始末です。
平塚正幸の主張は、「自粛をせずに経済を回すべきだ」というものではありません。そもそも新型コロナウイルスはただの風邪であって、何一つ恐れる必要がないという話です。彼らの支持者たちに「だったら、どうして志村けんさんは亡くなったのか」と詰め寄った人もいたのですが、彼らは「志村けんさんが新型コロナウイルスで亡くなったことにしているだけで、印象操作をしているんだ」という陰謀論を語ります。ガチでそう思っているので会話が成り立ちません。だいたい日本だけで新型コロナウイルスが蔓延しているのなら分かるのですが、アメリカのような自由を尊重する国でも、中国のような一党独裁の国でも、スウェーデンのような高福祉国でも、南スーダンのような貧困国でも、政府が人々を分断する必要のない国でさえ流行しているところを見れば、人々の意思によってコントロールされているものではないことぐらいは分かるはずです。それが分からないのは何かって、一言で言ったら「バカだから」です。新型コロナウイルスは肉眼で見えないだけで電子顕微鏡で見ることはできるし、既にゲノム解析も終わっています。世界で100万人以上が感染しているため、共通する症状もわかっています。けっして「幻の病気」ではなく、確かに存在する病気なのです。自分のまわりの人に感染していないのかもしれないし、平塚正幸は満員電車に乗って通勤するような生活をしているわけでもないので、隣の見知らぬ人が新型コロナウイルスかもしれないという経験をあまりしたことがないから、まったく実感がないのかもしれませんが、それはつまり「思考が浅い」ということ。平たく言うならば「バカ」だということです。
しかし、そんなバカの主張も、一部の人にはササります。それは「バカはバカ同士、同じ周波数で共鳴する」の法則により、どんなにバカだったり、どんなにカルトだったりする主張にも、脳味噌が「アハッ!」となっちゃう人はいるのです。怪しい宗教にハマったり、怪しい自己啓発セミナーにハマったり、怪しいマルチ商法にハマったりする人がいるのは、その説明に脳味噌を「アハッ!」と言わされる人がいるから。平塚正幸の主張にも、少なくはあるけれど、一定の脳味噌を「アハッ!」と言わせる人がいるのです。ただし、これの厄介なところは、「明日からマスクをやめよう!」と言って、感染を拡大させるような行為に出る人たちが出てしまうということ。これだけみんなが気を付けて、面倒臭くても外に出る時にはマスクを着用するように心がけているのに、あえてマスクをしないというバカが次々に生み出されてしまうのです。
実際、七海ひろこさんのスタッフは、七海ひろこさんが「勇気を出してマスクを取ろう」なんて発信していても、ガッツリとマスクを着用していたのですが、平塚正幸を支援しているスタッフは、平塚正幸の主張に共感し、本当に「コロナはただの風邪」だと思っているので、マスクを着用せずにビラを配っているのです。僕もビラを渡されましたが、その瞬間にアルコール消毒をしました。やはり平塚正幸の主張に感化された人たちは、本当に新型コロナウイルスを「ただの風邪」だと考えるようになってしまうのです。これはとてつもなくヤバいことです。みんなの努力がバカによって台無しにされてしまうかもしれない。いっそのこと、こういうバカが感染したらいいんじゃないかと思うかもしれませんが、ガッツリと重症になったら後悔するんでしょうけど、下手に軽症だった日には「ただの風邪だ」と言って、医者から出歩かないように指示されても「これは分断だ!」とホザいて、マスクもしないで外を出歩きかねません。そうなると、これは殺人に等しい行為なわけですから、「カルトだな」と思って黙って見過ごすのではなく、バカにはしっかりと大きな声で、「オマエはバカだ」と言ってやらなければならないのだと思うのです。そして皆さん、どうしてこんな奴が東京都知事選に立候補しているんだと思うかもしれませんが、実は、平塚正幸に選挙に立候補することを教えたのは、ホリエモン新党やNHKから国民を守る党を作った立花孝志です。
平塚正幸は、昨年の参院選に「NHKから国民を守る党」から立候補している人間です。立花孝志が僕に対して「供託金の300万円を出してやるから選挙に出てみろ」と挑発してきた際、名前を挙げられていたわけでもないのに自分から手を挙げて「N国党のアンチ枠」として立候補し、「N国党には投票しないでください」と言いながらN国党を宣伝し、この選挙をキッカケにN国信者となり、最終的に面倒臭い性格がゆえに党内で揉め事を起こして実質的に追放された人物。NHKから国民を守る党なんぞから立候補している時点でお察しいただきたいのですが、強烈に頭が悪いのです。
■ 本家のN国党もカルト思想を広げている
平塚正幸の出身である「NHKから国民を守る党」も、反知性派カルト集団なので、この期に及んで「#マスクを外そう」を流行らせたいなどとツイートしています。「#買い物をしよう」とか「#外食をしよう」なら、まだわかるのです。コロナ禍で経営不振のお店はたくさんあるでしょうから、少しでも経済を回したいという思いでハッシュタグをつけて拡散するなら、さすがはホリエモンの秘書ということになったかもしれません。しかし、この男が流行らせたいとつぶやいているのは「#マスクを外そう」です。これだと新型コロナウイルスの新規感染者が増えるだけで、経済にとってはむしろマイナスです。感染者がさらに増えたら、ますます警戒して外食や買い物を控えるようになるに決まっています。こんな簡単なことも理解できないぐらいに「反知性」な人たちが立候補し、「バカはバカ同士、同じ周波数で共鳴する」を起こしているのです。みんなが選挙に興味を持たないうちに、どんどんとカルトが侵略するようになっている。今年の東京都知事選を見ていただければ分かるように、まともな候補者はほとんどおらず、どいつもこいつもヤバい奴らばかりで、珍獣博覧会です。7月5日まで「東京チンパク」が絶賛開催中なのです。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
あまりにバカすぎる人たちを見ると、人は正常性バイアスがかかり、「炎上狙いではないか」と思ってしまいがちですが、彼らはべつに炎上して話題になりたいわけではありません。ガチでやって炎上しているだけです。「さすがにそこまで頭悪い奴はいないだろう」と思うかもしれませんが、そこまで頭悪い奴はいるのです。僕たちの認識が間違えているだけなのです。バカと戦うのは時間の無駄なので、だいたいの人は放置してしまうのですが、放置をしてはいけません。みんなで「オマエはバカだ!」と言いましょう。なんてったって、本人にバカだという自覚がないどころか、なんなら賢い側だと思っているので、教えてやらねばならんのです。そうじゃないと「バカはバカ同士、同じ周波数で共鳴する」の法則により、その主張を聞いた同じぐらいのバカが、脳味噌を「アハッ!」と言わせて増殖するからです。新型コロナウイルスはバカとの戦いでもあるのです。