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【選挙ウォッチャー】 大阪府議選2019・中央区レポート。

いよいよ長期連載になった大阪府議選も、残すは中央区のレポートだけになりました。中央区は、まさに大阪の中心とも言えるスポット。どちらかと言えばオフィス街で、あんまり人が住んでいる印象はありませんが、銀座にもたくさんの人が住んでいることを考えると、ここにもたくさんの人が住んでいるのでしょう。大阪府議選の定数は1で、以前から大阪維新の会の候補者が勝っているエリアになるため、今回も維新が強いのではないかと見ています。

坂上 敏也 60 現 大阪維新の会
権世 幸蔵 61 新 無所属(自民党)

ちょっと珍しいパターンなのですが、権世幸蔵さんは自民党の推薦ではありますが、自民党公認の候補ではありません。だから、権世幸蔵さんを推している人脈は少し違います。さて、5000文字以上の読み応えのあるレポートをお届けすることを目標としているのですが、中央区は2人しか立候補しておらず、少し持て余してしまいそうなので、大阪都構想がどのような駆け引きの上に成り立ち、現在はどのように進められていきそうなのかをまとめました。大阪都構想が心配な方にオススメのレポートとなっております。


■ 住民投票は2020年秋冬になる見通し

大阪都構想の是非をめぐり、2回目の住民投票が行われることが決まりかけています。これから約1年にわたって構想を練り上げ、2020年の秋冬に住民投票を行うスケジュールになっています。大阪維新の会としては何としても住民投票を実現したいわけですが、住民投票をするためには国の「お墨付き」が必要になります。今は蜜月な関係にある安倍晋三総理がいますが、自民党総裁の任期は2021年9月まで。自民党の中には4期目を目指そうという声もありますが、どうなるかは不透明。何としても安倍晋三総理が総裁をやっているうちに住民投票をやりたいことに加え、もし今年7月に衆参ダブル選にならなければ、2020年秋冬に解散があるだろうと見込んでおり、今回の府議選や市議選の結果を見ても分かるように、投票率が上がれば維新に投票する人が増えるということは、衆院選と同日に住民投票を実施することで都構想賛成の票を積めると計算しており、2020年秋冬の住民投票を視野に協議が進められているところです。

実は、大阪ダブル選や府議選、市議選の大勝を受け、自民党も公明党も大阪都構想の住民投票に急速な歩み寄りを見せています。というのも、もしかしたら衆参ダブル選が行われる可能性があり、このまま対立が続くようであれば、大阪維新の会は公明党の現職がいる小選挙区に大阪維新の会の候補者を擁立すると脅しをかけているのです。ここまでの府議選や市議選の結果を見ても分かるように、公明党と大阪維新の会が戦うことになれば、大阪維新の会が勝つことは明らかです。公明党は自民党や大阪維新の会とくっつくことで、共産党しか立候補してこないような小選挙区を譲ってもらっているわけで、大阪維新の会とケンカをして、ここに大阪維新の会の候補者が立候補してくるようなことになれば、公明党はペンペン草も生えないくらいに議席を失います。そうならないために、公明党はすぐさま大阪維新の会に譲歩。自民党もまた大阪維新の会とバチバチに戦えば勝率が悪くなるばかりだと判断し、これまで断固認めない姿勢を示してきたのに「ゼロベースで見直す」と言い出し、大阪都構想に必ずしも反対ではないという立場に変わりました。どいつもこいつも選挙で負けるかもしれないとなった瞬間に手のひら返しを見せるザコさ加減です。すべては衆参ダブル選で、これだけ強い大阪維新の会と戦いたくないからだということになりますが、選挙のためなら「思い」が歪めるというのは本末転倒です。自民党にしろ公明党にしろ、本当に都構想がこの街のためには良くないと思っているのであれば、選挙で戦うことにならないように主張を曲げるのではなく、どれだけ良くないことなのかを訴えて日本維新の会に勝つべきです。それができない時点で、政治家や政党としてはだいぶ終わっているのです。


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