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退院日
去年の今日は予定より数日遅れた退院日。今の時間(午前7時台)は準備をしていた。
まだゆっくりとしか歩けない。起き上がるのもひと苦労。荷物を持って降りるのは難しそう(空の食器を持って数十メートル歩くのもキツかったので)。
迎えは来てくれるものの、コロナ渦ゆえ迎えすら1Fの受付までしか入れない。
前日には看護師さんかヘルパーさんが手伝えると言ってくれていたが、余裕がないのか来てもらえず、声をかけられる空気もなく、自力で持っていくことに。
そもそも荷物少ない方だし、リハビリと思えばいいのだと気持ちを切り替えた。
コロナ渦のせいか、なんなのか、キラワレテタ?と疑念を抱くほど、退院時、誰も目を合わせてくれず、気弱になっていた私も声がかけられず(そもそも大きな声も出せず)虚無感を感じながら、ちいさーい声でありがとうございましたと軽く会釈しながらつぶやき階下に降りるエレベーターに乗った。
誰も私のことは見ていなかった。
今まで優しかった人たちが急に冷たくなったように感じ、戸惑った。そういうものか?
もともと感じていたその病棟の冷たさ、陰気な感じが一層引き立ち、2度とここには入院しないと静かに思った。
そう思えてしまうほど弱っていたのか、事実そうだったのか、コロナ渦で中も酷しく混乱していたのか。
いずれにしても私は2度とここには戻らないと思えたことは、悪いことでもないはず。
なにせその前の入院(別の病気で別の病院)時は、入院も悪くない。また入院してもいいかも。退院後、そんなこと思うほどいい時間だったから。
去年の退院から丸1年。想像を絶する変化がその後に待ち受けるとは本当に予想だにしなかった。
ちなみにこのときもまだ、悪性か良性か断定されてない。
まだ、じゃなかった、という結末で終わったねーというノンキさもあった。
いろんな意味で、人生、一寸先は本当にわからないものだとしみじみ思う。