じゃがいものかわむき※痛いお話
あれは自粛ムードがほのかに漂い始めた2月の暮れ。
次の日が燃やせるごみの日だったので、
買ってからずいぶん放置してしまい芽の生え始めそうなじゃがいもを大量に皮むきしてしまおうと試みました。
じゃがいもの皮をむく為の道具は、包丁か、ピーラーか。
たまにしか使わない便利な調理器具に心躍った私が選んだのは、もちろんピーラー。
るんるんとじゃがいもの泥を落とし、いざ皮をむき始め。
このじゃがいもをどのような料理にしてやろうか。
グラタンやポテトサラダや肉じゃがやポテトフライや…
作りたいものを想像しながら、続々と裸んぼになっていくじゃがいも。
…おそらく集中力が散漫になっていたのだろう、
「すぱん」
いい切れ味の音が鳴った気がした。
こういうときは死にはしないとわかっていながらも、パニック。
やっちまったのは小指の片頭。アンパンマンが顔を分けてくれた後の状態。
とっさにその辺のティッシュ(本当は傷にくっつくからあんまりよくない)で押さえ、心臓より高く患部を掲げて同居人に”やばい”旨を伝達。
救急車はいらないけどこの処置はどうしたらいいかと焦って
「*7119!!*7119!電話して!!*7119!!!!!」
と騒いだけど、いや、「#7119」ね。
同居人は全然冷静に#7119に電話してくれたので良かった。
「はい、どうなさいました?」
スピーカー状態にしてもらい、オペレーターの看護師さんへ現状を説明。
「じゃがいもの皮をピーラーで剥いていたら!右手の小指の右側の頭がなくなりました!!」
「右手の小指ですね?」
「はい!左利きなのでピーラーは左で使っていたんです!!」
揚々とあんまり必要のない事まで喋る。パニックになると饒舌になるのはコミュ障の性。(体感)
「えーと、それではなにか清潔な布で傷を強く押さえてください。」
「布!布!?ティッシュで押さえてるんですけど!!」
「ティッシュは血が止まりそうなときに一緒にはがれてしまうのでだめですねえ」
「ええ!!?(キレ)」
そんな手の届く範囲で清潔な布なんてないんですよ。ティッシュはよくないことくらいわかっているがそれを選択せざるを得ない状況なんですよ、なんて八つ当たりをするのはダサいので、「ええ!!?(キレ)」と発しました。
そんなところにまたも同居人がハンカチを投げ入れてくれた、ファインプレー。
ティッシュからハンカチへ取り替えて、がっつり押さえても流血は止まらず、加えてだんだんと痺れてくる感覚が目立ってきた為、その旨を説明。
「では病院行きましょうね、近くの当番病院をご案内しますのでお待ち下さいね」
・・・という流れで、紹介された病院へタクシーで向かい、
夜間当番の内科医先生にぐるぐる巻き処置をしてもらいました。
内科医の先生にパックリなくなった小指の断面見せる事になって本当に申し訳なかったです。
気をつけようね、またきっとやるよ。
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