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旅行記 [四十七都道府県閑歩覚書 ~静岡編(沼津・三島・清水・浜松)~]

お盆休みに静岡へ行きました

旅のお供は、つい先日入手したばかりのスタジオクゥさん『股旅縞』


静岡県は伊豆や熱海あたりへ行ったことがある。なにせ広い県なので、西部の浜松のほうはなにがあるのかわからなかった。ぼんやり、餃子? うなぎパイ? たしか染色工場もたくさんあったはず。

グリーン車で行く

新幹線にするかで悩んだ。ともかくアレは快適である。ただ、お財布のことを考えた末に鈍行を選ぶ。最近は、ダイヤ改正と他社乗り入れが進んだ関係で、終点までの距離が伸びた。鈍行でも、そのまま乗っているだけで3県くらいまたげる。もう小旅行である。朝、疲れた会社員がふと電光掲示板の『熱海』という文字を見て「もうどうでもいいや…」なんて、温泉まで逃避行したりしてるんじゃないかな……などとよく思う。

よく乗る列車にグリーン車がついていて、こんなものは私のようなランクの人間には縁がないと思っていた。だけど、今回、どうせならばお大臣気分(?)でグリーン車を体験してみようと画策。

当日、車内はあんがい混んでいた。私は窓側席がいい。どうも周りが気になるタチで、外を見てれば隣の席の人を気にしなくていいから。でも、窓側はすでに埋まっていて、それどころかかろうじて座れるような具合だった。
座ってしまえば快適。グリーン車初心者として、ネットで乗車方法を調べていたら、「この価格帯なら新幹線にするべき」との記事も出てきた。たしかに1時間乗車時間が減ること、指定席なら確実に座席を確保できることを考えると、そのほうがいいかものしれない。ともかく人生は体験なので、グリーン車という少しのリッチ気分を得て、差し引きゼロとする。それに、新幹線に乗り換えなど諸々考えれば、鈍行でもあまり変わらないものではと感じるところもあった。

乗車した次の駅で、乗り込んできた通路の反対側の人がずっと咳をしていた。あきらかに体調は悪い。旅行冒頭からうっかり移ってしまったら…などと、自分本意な考えばかり巡る。
サラリーマンらしきその人は、東京駅で降りていった。あんなにつらそうに咳してたら仕事にもなるまいに、と思ってしまう。立場は色々あるだろうが、ゆっくり体を休めてほしい。


車内で堀静香さんの『がっこうはじごく』を読む。
ブックカバーに喜多屋商店さん『縦横無尽格子 涼』の手ぬぐい

沼津港

沼津駅に到着は9時くらい。駅から港へ向かう。縮尺で見ると歩けそうだが、誰も歩いていない。約2キロで20分くらいだろうか。朝早くに来たのでそこまで混んでいない。日差しは暑い。さすがに朝が早いであろう魚市場はすでに人がたくさんいる。

深海水族館に入る。
そこまで大きくない施設だが、展示の仕方がわかりやすくて良い。たとえば、おなじカサゴの仲間の、浅いところと深いところに住んでいる魚を隣り合わせているのは面白かった。ところどころ形状に差があり、色も違う。

チンアナゴ

外に出て海鮮丼を食べる。有名店は行列。そこそこ美味しそうで、待たない店を選ぶ。地魚3種+しらす丼。真鯛、目鯛、カンパチだったか。やはり海の近くの魚は美味しい。
店を出たら、深海水族館の前に数十メートルの入場待ちの行列ができていた。たった1時間ほどで、なんとまあ。
帰りは駅までバス。

三島へ

三嶋大社へ行く。信心なんてないのに、おみくじを引いたり賽銭を入れたりする。おみくじを引きたくなる欲望は抗いがたい。いちおうお願いもする。手ぬぐいを2種入手。
神社内の茶屋で「福太郎氷」を食べる。抹茶練乳のかき氷に、三島名物の福太郎餅を2つ乗せるという夏限定の縁起もの。結構おおきい。かき氷を久しぶりに食べた。背中がキーンとする。

結構おおきい

以前からSNSをフォローしてくださっているクラフトハヤシさんへご挨拶。器や手ぬぐいがたくさんおいてあるお店。レコードショップで、棚にあるジャケットを端から調べていくのを「ディグる」というらしいが、まさに手ぬぐいをディグる感じの豊富な品揃えだった。
突然お伺いしたのに、とても気さくにお話ししてくださった。ありがとうございます。

この看板、味があってすき

清水へ

時代劇が好きな父の影響で、私も結構好きである。清水といえば、ちびまる子ではなく、次郎長三國志なのである。
なんだかんだで清水港江尻のりばについたのが15時。水上バスとレンタサイクルで三保の松原へ向かう……が、レンタサイクル返却時間は17時30分まで。船の乗車時間を考えると、一時間弱しか自由な時間が取れないことになる。港から自転車でダッシュ。松原までは海沿いに15分くらいか。早足で松原へ。こんなにせわしなくしていたら天女も見逃してしまうだろう。
ミュージアムには手ぬぐいがありそうだから入る。で、やっぱりある。
天女の松は三代目とのこと。
松原はとてもきれい。天女がいようといまいと、幽玄な気分になにかを感じるのもうなずける。もっと時間をとって、もっとすずしい季節にくるべき。

でも、いるなら見てみたい、天女
海の近くには猫

浜松へ

SNSで知り合ったかたから静岡のチェーン店「さわやか」を教えていただいた。ハンバーグの炭焼きが美味しいお店だ。調べてみるといつも行列ができるらしい。待ち時間も結構あるとのこと。
駅から降りてすぐに様子を見にいく。噂通りの混雑。整理券を取ると104分待ち。う〜ん……時間的に難しいかも。というか閉店時間になってしまうのでは。
駅前の、こちらも有名な「石松餃子」も覗いてみたが、こちらも数組が並んでいた。あらためてどこか夕飯の美味しそうな場所を検索するか……

浜松は地下道もあり。重層的で、大きな建物も多い。地方都市は、スケールの違う建物がドンと建っていたりするのですこし圧倒される。夜でも、街から活気ある声が聞こえる。賑わっている。

ホテルにチェックインを済ます。荷物を整理し、あらためて「さわやか」の整理券から待ち時間を調べてみると(QRコードでわかる仕組みになっている)、40分程度に減っている。街を歩きつつ向かえばいい時間に行けそう。少し街をぶらつきさわやかへ。うまい具合に入店できた。
ハンバーグを頼む。アルコール類がないのが爽やかさか。見たところ若い人が多い。店員も若い。ばくだんハンバーグとおにぎりハンバーグがメニューのトップに。なんとなく「おにぎりハンバーグのほうが美味しそう……」とか思って頼んだが、まわりはみんなばくだんハンバーグを頼んでいる。まさかの定番メニューはずしをしてしまったか(よくやる💧)と思って焦ったが、なんてことはない、量が違うだけらしい。肉々しくておいしい。

牛のプレートがいいね

ホテルには大浴場がないので、近くのスパ施設で風呂に入る。思っているより入れ墨の入った人はいるなあ…などと思う。店員の女性が不機嫌。でもその顔に愛嬌があった。大変な仕事なんだろうなと思う。

2日目

旅先のときは、ホテルの朝食は無しにして、近くでモーニングのある喫茶店を探す。さいきんはグーグルマップで調べられるので便利。
移動を考えると、8時くらいには観光活動を始めたい。浜松駅付近に早くからやっている喫茶店が数件。パンケーキの人気な店「La Pullman Caffe'」が8時からとの情報を得る。どうも有名店らしく、開店と同時に満員になるとかいう話も。
8時少し前に店に行くと、たしかに人が待っている。ただ、まだ1組だけのようなので、大丈夫そうだなと思い入店。
なるほど、けっこうエクスペンシブなパンケーキだったけど、なんか、パンケーキの概念を超えたものだった。「口の中でとろける」は食レポ常套句だと思うが、切ったパンケーキの中身がとろりと溶ける。本当に焼いているのか? 一体どうやって作るんだ。

めくるめくふわとろの世界へ。乗っているのはいちじく

二俣本町へ

秋野不矩美術館へ向かう。駅から15分くらい。ツリーハウスのようなものが見える。変わった建物。
不矩さんはインドの絵をよく描いたそうだが、展示は日本画がメイン。企画展は動物の絵を集めたもの。襖絵のサイズになると表現の仕方もダイナミックになっておもしろい。空間に存在する以上、カンバスの大きさは重要。
肝心の不矩の絵は4点のみの展示だったので寂しくも思った。

ツリーハウスのようなものは茶室?らしい

本田ものづくり伝承館へ

美術館からは5分くらいだろうか。ちょっと前に仕事で資料に関わることがあったので、ここの存在を知った。無免許なのでホンダのマシンなどについてはよくわからないが、ショップに手ぬぐいがあるのをめざとく調べていた。無事オリジナル手ぬぐい2種入手。

ホンダといえば
宗一郎さん

道を挟んだ向かい側に図書館と銘打った建物。気になったので寄ってみる。
ものづくり伝承館に寄贈されたものを貸し出し、副本があるものは古書としているらしい。まあ、地域のかたが持ち寄っているようなので、ちょっとしたコミュニティスペースともいえる。
古い天竜市のパンフレットがあったので記念に購入。こういうものはいずれ侮れない郷土資料になると思う。

今はなくなってしまった施設などもあるのだろう

弁天島へ

浜松に来て浜名湖を見ないのはいかがかと思い、引き返して弁天島を目指す。
クルーズもあるのだが、時間も考えると、そこまで見なくてもいいかなと断念。遠景で弁天島の鳥居を眺める。水がきれい。数日前に地震があったせいか、泳いでいる人は少なめに見えた。
ゆるキャンで紹介された?のかガイドの看板も出ていた。聖地なのか? 全然読んだことないけど、缶バッジのガチャを回す。

もうちょっと漫画っぽいのが出てほしくはあった…
弁天島の鳥居

浜松に戻り、スイーツバンクを目指す。うなぎパイで有名な春華堂が運営しているらしい。建物に大きな椅子と机があしらっていてメルヘン。ガイドを見ると、いかにも夢見がちな紹介文が載っていて、気になっていた。どんなめくるめく世界があるのか。
バスターミナルに混乱。ナビタイムとグーグルマップが噛み合わず、どれを信じるべきか悩む。10以上あるバス停のどこを選べばいいかもわからず。表示している数字がバスのりばの番号か、路線番号かで迷い続け、多分30分くらいロス。帰りの時間が迫るので焦る。
スイーツバンクは、スイーツカフェと、お土産屋の複合施設。銀行も入っているので「バンク」か。家族連れ、カップルで甘いものを食すのは楽しいだろう。
せっかくなのでスイーツを食べて帰ろうとしたが、席待ちに30分くらいの待ち時間。15分くらい待ったが、席についても注文が出てくるまでの時間もある。バスの時刻を見て、泣く泣くスイーツは諦める。ええい、こうなったら餃子で〆たる!と頭を切り替える。お土産だけ買う。

メルヘンとは

駅前の石松餃子は、昨日より混んでいた。ほかを探すか……と思っていたところで、となりの「沼津魚がし鮨」に海鮮も、餃子も、アルコールもあるのを見つけ、入店。暑さと、歩き疲れていたのですぐにカロリー摂取に踏み切る。静岡おでんも頼む。

スシとギョーザ!

駅ナカでお土産購入。手ぬぐいとかも置いてありそうなものの、雑貨類は少なく、お菓子類のみを購入。
駅ビルの中にある谷島屋書店に寄る。かなり広い。静岡に店舗がある書店。名前を初めて知った。郷土の本を一冊購入。

郷土の本。手ぬぐいは底歩さんの、将棋格言グッズ『振飛車』
うなぎ芋の餅「うなもっち」

反省点

  • 愛用のミラーレスカメラを持っていったのだが、マウントアダプタを忘れて、交換レンズが使えずただのお荷物に。

  • 2日目にコインロッカーに荷物を預ける際に、カメラも一緒に預けてしまい、結局2日目は一枚も撮れず。なにやってんの……だけどiPhoneは優秀。

  • 相変わらずの詰め込みすぎ。足が痛くなる。

  • 街を歩きたおすのが好きだが……さすがにこの暑さでは身体がもたない。


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