『チキンマンvsドクター・デモリッション』第5話(最終回)「巨大ロボット怪獣スプレッダーを止めろ!」
『やめとけ!チキンマン』休校スペシャル
学校に行けないのに外で遊んでもいけないと言われた子供たちへ
前回のあらすじ
究極戦士フトゥーロによってドクター・デモリッションは倒された。
チキンマンは巨大ロボット怪獣スプレッダーを追って
大阪城へと向かった。
巨大ロボット怪獣スプレッダーが通過した後の京橋に
追い打ちをかけてチキンタンクC-34が走った!
京橋は二度目の大混乱におちいった!
チキンマンが地面を揺らしたおかげで
グランシャトーのペラペラなとんがりお城飾りが落ちた!
「なにしてくれとんねーん!」
京橋の人々がものすごく怒ったが
子供たちを学校に行かせるためならば仕方がない!
「見つけたぞスプレッダー!」
スプレッダーはミライザ大阪城を覗いていた!
大阪城よりも古い建物に見えたから
そっちの方が大阪城かもしれないと思ったからだ!
そのため新型AHOウィルスの噴射はまだのようだった!
チキンマンはチキンタンクC-34の砲台をスプレッダーに向けた!
「くらえチキンキャノン!」
いつそんな名前をつけたのかは知らないが
ありったけの砲弾を撃ち込んでスプレッダーを倒そうとした!
だが!
「しまった!
どうでもいいところで大砲を撃ち過ぎて
砲弾が1発しか残っていないじゃないか!」
腹筋善之介の実家などを撃ったせいだ!
おかげで1発で敵を倒さなければいけない!
しかしスプレッダーの急所はどこだ!
たぶん胸の機械じゃないだろうか?
だがもし違っていたらもうスプレッダーは倒せない!
「どこだー!
どこなんだー!」
どうするチキンマン!
世界中の子供を救えるのはお前の1発だけだ!
「わからん!
どこなんだー!
どこを狙えばいいのだー!」
とその時だった!
空の上から声が聞こえた!
それはチキンマンの耳にしか聞こえない不思議な声だった!
「チキンマーン!
チキンマーン!」
「その声は!」
「そう!私だ!」
「死んだはずの
とり大名の店長じゃないですか!」
「よく聞けチキンマン!
自分の目だけを信じてはいけない!
心の目を開け!
葛城山の洞窟で修行したあの日々を思い出すのだ!」
「心の目ですって?」
「そう!心の目だ!
集中しろチキンマン!」
チキンマンは心を落ち着かせ精神を統一した!
そして思い描いた!
あの奈良県山中でのつらい修行の日々!
ここまで助けてくれた仲間たちの友情!
学校に行けずに泣いているたくさんの子供たち!
「そうだチキンマン!
思い出せ!
そして心の目を開け!」
すると!
チキンマンの目が強い光を放って輝いた!
ピシャーン!
「見えたーっ!」
「そうだチキンマン!
開いたか!
心の目が開いたか!
いいぞチキンマン!
それでこそチキンマンだ!
それでいい!
心の目で見ろ!
その心の目で見ればやつの急所はおのずと・・・」
「ああうるさい!
もう開いてるんだから黙れ焼き鳥屋!」
チキンマンはイラッときた!
なので思わずとり大名の店長を撃った!
ちゅどーん!
「あーっ!
しまったーっ!」
ところがその砲弾はなんと!
とり大名の店長の前にいたスプレッダーの頭を直撃した!
ぎゃあああーん!
恐ろしい悲鳴をあげてスプレッダーが倒れた!
「・・・やった!
やったぞーっ!」
スプレッダーは動かなくなった!
天から声が聞こえた!
「え?あれ?
お前撃ったな?
私を撃ったな?」
チキンマンはついに怪獣スプレッダーを倒した!
「ついに勝ったぞー!」
「違うからな!
お前勝ってないからな!
お前ぜんぜん勝ってないからな!」
とり大名の店長は
ものすごく納得のいかない顔で消えていった!
チキンタンクの中で無線が鳴った!
町内会長のムタリカさん(山梨学院大学卒)からだった!
学校が再開され
子供たちが通ってもいい事になったそうだ!
中崎町に子供たちの歓声が響いた!
中崎町商店街は笑い声でいっぱいになった!
「ありがとうチキンマン!
君のおかげだ!
すぐに帰って来てくれ!」
チキンマンの活躍をお祝いするパレードがあるので
早く中崎町に帰って来て欲しいと言われた!
チキンマンは大喜びでチキンタンクC-34を走らせた!
途中でねこが飛び乗って来た!
「どこに行ってたんだ?
お前は弱虫だから逃げたんだろう?」
ねこは何も言わずに戦車に乗っていた!
中崎町ではみんながチキンマンを待っている!
急げチキンマン!
だが!
ものすごく道に迷った!
そしてよくわからない所に来てしまった!
チキンマンの声が大空にこだました!
「ここはどこですかー!」
『チキンマンvsドクター・デモリッション』おしまい
(2020年3月11日)
*本作はコロナ禍で学校の閉鎖が行われた際に急遽作成したスピンオフ作品です。