【動画の前に読んで欲しい!】チキン先生の解説に出てくるトレーニング用語12選。
久しぶりのオリジナル記事になってしまいましたが、今回は「チキン先生の解説に出てくる用語12選!」ということで、頻繁に使われる用語とその意味をまとめていこうと思います。
ほとんど一般的にトレーニング用語として使われているものですが、動画の中でも無意識に略して使っていたり、解説が少なかったりする部分があると思いますので、その辺りも確認いただければと思います。
① コンセン
この「コンセン」は、コンセントリック収縮の略です。
コンセントリック収縮は、筋収縮の1つで「筋肉の長さを短くしながら力を発揮する」ことが特徴の収縮様式です。
これは、筋肉の付着点(起始と停止)が近づいていく収縮なので、縮んでいる感覚がイメージしやすいと思います。
アームカールでは、重りを持ち上げる時の上腕二頭筋は、コンセントリック収縮をしています。この収縮では、筋肉にかかる物理的なストレスは小さく、筋肉痛は起きにくいという特徴があります。
コンセントリック収縮は、動作を加速させる”モーター”のようなイメージです。
② エキセン
この「エキセン」は、エキセントリック収縮の略です。
エキセントリック収縮は「筋肉の長さを伸ばしながら力を発揮する」ことが特徴の収縮様式です。
アームカールでは、重りを下ろす時の上腕二頭筋は、エキセントリック収縮をしています。この下ろすというのは、「脱力」ではなく、「スピードをコントロールしながら」というニュアンスです。
ジャンプの着地なんかでも、この収縮によって動作を減速し、関節にかかる衝撃を吸収しています。この収縮では、筋肉にかかる物理的なストレスが大きく、筋肉痛が起きやすい、という特徴があります。
エキセントリック収縮は、動作を減速させる”ブレーキ”のようなイメージです。
③ アイソメ
この「アイソメ」は、アイソメトリック収縮の略です。
アイソメトリック収縮は「筋肉の長さが変わらないまま力を発揮する」ことが特徴の収縮様式です。見た目では「動作は起きていないが、筋肉は力を出し続けている」という状態がアイソメトリック収縮です。
アームカールでは、肘を曲げた状態で重りを同じ位置でキープし続けていると、上腕二頭筋はアイソメトリック収縮をしています。この収縮では、筋肉にかかる物理的なストレスは小さく、筋肉痛が起きにくい、という特徴があります。
アイソメトリック収縮は、動作の加減速には関与せず、客観的には止まって見えます。体力テストで行われる、握力や背筋力の計測、プランク(体幹トレーニング)などでは、このアイソメトリック収縮している状態になります。
④ フルストレッチ
これは筋肉の状態を表していて、筋肉が最も伸張した状態を「full=完全な」「stretch=伸張」で「フルストレッチ」といい、日本語では「完全伸張」ともいわれます。
また、最も伸張するポジションを「フルストレッチポジション」という使い方もされます。
画像は、ケーブルクロスオーバーのフルストレッチポジションになります。
「ストレッチポジションで〜」や「フルストレッチした時に〜」など、解説の中でも高頻度で使われる用語の1つです。
⑤ フルコントラクション
これも筋肉の状態を表していて、筋肉が最も収縮した状態を「full=完全な」「contraction=短縮」で「フルコントラクション」といい、日本語では完全収縮ともいわれます。
画像は、ケーブルクロスオーバーのフルコントラクションになります。
「フルコントラクションで〜」や「フルコントラクションした時に〜」など、フルストレッチを同じような使われ方で、解説の中でも高頻度で使われる用語の1つです。
⑥ テコ比
トレーニングの解説で頻繁に出てくる「テコ比が大きい」「テコ比が小さい」という表現。この「テコ比」は、文字通りテコの割合を表しています。
この図のテコで「力点〜支点の距離」と「作用点から力点の距離」の比率は...
・A → 1:2
・B → 1:4
となり、Aは「テコ比が小さい」、Bは「テコ比が大きい」と表現されます。
人体もテコで動いており、このテコの比率を考えてトレーニングを行うことで、効率よく安全にトレーニングが行えます。これだけではイメージが湧きにくいと思うので、実際のトレーニングに置き換えて考えてみます。
まず「重りが関節から離れるほど、筋肉に強い力がかかる」という力学的特徴があります。(上記のテコの図でもBの方が支点にかかる力が大きくなる)
・筋肉にかかる力=重り×距離(重りから関節までの)
この式をサイドレイズに当てはめてみましょう。※物理的な単位は省略します。
A君は、10kgのダンベルで肩までの距離が1mなので、筋肉にかかる力は「10」。
B君は、10kgのダンベルで肩までの距離が0.5mなので、筋肉にかかる力は「5」。
つまり、A君は、B君に比べて「テコ比が大きい」ということになります。(サイドレイズのテコは最初の図とは形が異なります)同じ重量のダンベルを扱っていても、関節からダンベルまでの距離の差で、筋肉にかかる力に大きな差が生じます。
関節から重りまでの距離を離すだけで、筋肉にかける力を大きくすることができるのです。
言い換えると「距離を半分にすれば、2倍の重さが扱える」ということになり、扱っているダンベルの重量と筋肉にかかっている負荷は、必ずしも比例するものではない、ということになります。
扱う重さにこだわるとテコ比が小さくなることも多いので「関節から重りまでの距離」を意識してみてください。
過度な高重量は関節や筋肉の障害にもつながります。また、テコ比が大きなところからトレーニングを開始して、挙上不能になったら、テコ比を小さくすることでトレーニングを継続できるので、テコ比を使って限界からさらに追い込むことも可能です。
各種目のテコ比の調整などは、動画や他のnoteにまとめていますので、ぜひ確認してみてください。
⑦ ストリクト
この「ストリクト(Strict)」は、ストリクトフォームのことで、日本語では「厳密な」や「正確な」という意味になります。
ストリクトフォームは「トレーニングの対象となる筋肉の力だけで動作すること」を表しています。
例えば、バーベルカールでは、肘を屈曲する筋の力だけで動作を行います。これを「ストリクトに行う」などと表現しています。ストリクトフォームで行うことで、対象の筋肉を狙いやすく、負荷が途中で抜けにくくなり、より効かせやすいのが特徴です。基本的には、対象の筋肉のみ(対象の筋肉以外も使われる)で動作するため、高重量は扱いにくくなります。
⑧ チーティング
この「チーティング」は、体をあおるなどの反動を使って重りを上げるフォームのこと。先ほどのストリクトと反対のフォームになります。「cheat」は、日本語で「誤魔化す」「騙す」の意味で、対象の筋以外の動作を代償的に使って重りを上げます。
チーティングフォームでは、より高重量を扱うことができますが、対象となる筋以外も関与するため、負荷が分散してしまいます。また、対象の筋が力を出す時間が短く、動作の後半は力が抜けやすいため、チーティングフォームのような反動動作を大きく使う方法ではなく、正確に動作するストリクトフォームが筋トレの基本とされています。
しかし、「チーティング=間違い」ではありません。
高重量を扱い筋に強い力をかけることも筋肥大の1つの要素のため、有効なテクニックになります。トレーニングの目的に合わせて、フォームの使い分けをすることも必要でしょう。また、ストリクトフォームで挙上不能になってから、チーティングで追い込むなど、テクニックとして利用するのは有効かと思います。
↑この動画では大きくチーティングを使っています。
これ以外の動画でも追い込むテクニックとしてチーティングはよく使っていますので、目的に合わせて「ストリクト」か「チーティング」を使うかを選んでもらえればと思います。
⑨ 効かせ
「効かせ」は、「効かせ系トレーニング」や「効かせる」などトレーニングの方法としてよく使われます。
この「効かせ」は、トレーニングの刺激や筋肉の状態を表しています。
トレーニングを行なっていると、筋収縮に伴い、徐々に乳酸などの代謝物が蓄積していきます。代謝物が溜まってくると、筋肉がパンプアップ(水分が集まり張ってくる)してきます。←これが「効いている」状態。
この「効いている」状態は、筋肉内の環境が悪化している状態で、これが筋肥大の1つの刺激になります。
「局所的に筋肉内の環境を悪くさせる」という刺激は、少し特殊テクニックなになります。代表的な方法として、加圧トレーニングやスロートレーニングなどは、この刺激を利用して筋肥大が起きています。
この動画のように「高重量を使ってガシガシ筋肉に強い力をかける!」というより、「ゆっくり丁寧に動作して、対象の筋肉に代謝物を蓄積させる。」という形で行うものが効かせ系トレーニングになります。
⑩ ヘビー
この「ヘビー」は高強度のことを表しています。
”メカニカルストレス(物理的な刺激)”とも言うこともありますが、基本的には「筋肉に強い力をかける」ということ。
一般的な勘違いとして「重いものを持てばいい」と思われることが多いですが、重りの重量と筋肉にかかる力は比例しないことも多いのです。同じ重量のダンベルを使っていても、トレーニングフォームによって筋肉にかかる力は変化してしまいます。(テコ比や動作の正確性)
ヘビーで強いメカニカルストレスをかけることを目的にした場合、トレーニングで使用する重量は、一般的に「3〜5回しか上がらない重さ」に設定されます。
この重量でチーティング(反動動作)も使いながら、追い込むようなことを行うと筋肉に強い力をかけることができます。(非常にケガのリスクも高くなる)
これ以外でもメカニカルストレスをかけることは可能ですが、いずれにしても強度の高いトレーニングが必要になります。
効かせ系とは違い、ヘビー系トレーニングでは、比較的高重量を扱い、下ろし動作(エキセントリック収縮)をとくに大事に行います。一般的にトレーニングは「上がらなくなるまでやりなさい!」言われることが多いですが、安田選手の場合は、下ろし動作で減速できなくなるまで、続けています。
これを推奨しているわけではありませんが、筋肉により強い力をかけることを考えると、「減速できなくなるまで追い込む」という選択肢もある、ということです。
⑪ レストポーズ(もどき)
この「レストポーズ(もどき)」は、トレーニングを追い込むテクニックとして何度も登場しています。
レストポーズとは...
高強度トレーニングを挙上不能まで行い、10~15秒ほどインターバルをとり、同じ重量で再度トレーニングに入り、限界まで挙上する。ここまでを1セットとカウントし、複数セット行う方法。
限界まで挙上 → 休憩(10~15秒) → 限界まで挙上 → 1セット終了
レストポーズに”もどき”をつけていますが、実技動画に協力して頂いている安田選手のレストポーズは、通常のものより休憩が4、5秒と短く、ヘビーだけでなく、効かせ系トレーニングでも行うことが多いのです。
レストポーズのように挙上できなくなってから数秒休憩を挟むことで、また数回挙上できるようになります。また、効かせ系トレーニングでは、挙上回数を稼いだ方が蓄積される代謝物の量も多くなるため、数秒の休憩後、トレーニングを再開する、ということを行なっています。
⑫ ムキムキの民
最後は、トレーニング用語ではないですが、チキン先生がよく使う「ムキムキの民(たみ)」という言葉。動画内でもたまに登場していたと思います。
これは「筋肉のサイズが大きい人たち」のことです。
僕が出会った時にはもうすでに使っていたので、何が語源なのかも分かりません...チキン先生以外から聞いたことがないので、わざわざ覚える必要もないかと思いますが、普段YouTubeチャンネルを見てくださっている方は、これまでのトレーニング用語はご存知だと思うので、ぜひ「ムキムキの民」使ってみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。
新しい情報は少なかったかもしれませんが、CHICKEN HEART TVの動画が少しでも理解しやすくなっていると嬉しいです!
今後もnoteでオリジナル記事を配信していきますので、気長にお待ちい頂ければと思います。
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