そう、そう。そういえば、

中沢新一「精神の考古学」より
このグループ(フィリップ・ソレルスをリーダーとする「テル・ケル Tel Quel」)は文学の創造者を自認する文学者の集団であったので、その関心は言語の機能という問題に集中していた。彼らは西洋文明が袋小路に入ってしまっているという共通認識をもっていた。その原因は、語り手を強く「主体化」してしまう機能をそなえた印欧語の言語構造にあると考えた。そこに父権的一神教のイデオロギーが結合して、西欧文明の土台はつくられた。その土台の上に資本主義が構築されて、現代社会はつくられている。

西欧文明は世界中に拡散し、世界中で真の創造性を押し殺している。これはすべて、言語という象徴体系が生み出した困難である。


意識の光に照らされない領域を、ユングやフロイトは心の暗い領域である「無意識」と名付けたが、続チェンにとってそのような無意識は存在していない。むしろ心に闇の領域を生み出しているのは、意識という妄想知の働きである。


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