『運を強くする潜在能力の鍛え方』 どんな人でも桁違いの能力を発揮できる方法を脳科学者が伝授
『致知』2024年10月号対談記事にスポーツ脳科学者の林成之氏が登場され、次のような話をされています。
林成之氏といえば、脳低温療法を開発し、脳蘇生治療の第一人者としても知られるとともに、脳科学をスポーツに応用し、北京オリンピック競泳日本代表の北島康介選手らの金メダル獲得に貢献したことでも有名です。
その林氏が渾身の思いで綴られた書籍がまもなく発売開始となります。
本書の序文の一部を紹介しますので、ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひご予約をおすすめいたします。
『運を強くする潜在能力の鍛え方』序文
人間は潜在能力というもの凄い才能を持っています。
潜在能力というと、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
潜在能力とは「表に出ていない、内に秘めた才能」だと思っておられる方が多いのではないでしょうか。
生成AIに尋ねても、「潜在能力というのは隠れた能力で、いざとなったら発揮する能力」という答えが返ってきました。
おおよその人の理解はこの程度にとどまっていて、潜在能力について深く考えたことがないというのが普通の感覚でしょう。
しかし、潜在能力とはそんなに簡単なものではないのです。
それは一定の考え方と行動を伴うことによっていつでも発揮できるものであり、潜在能力を十全に発揮すれば想像していなかったレベルの成果が得られることもあるのです。
私は脳外科医であり救命救急センターの医者として、長年、人の命の瀬戸際を見てきました。
常に気の抜けない緊張を強いられる状況の中、全力投球を続けていました。
ある意味、常時極限状態にいたため、潜在能力が出やすい環境に置かれていたといえるかもしれません。
実際に、信じられない力を発揮する人を身近に見ましたし、奇跡としか思えないような体験も数々目にしてきました。
それらは、紛れもなく潜在能力の発現によってもたらされたものなのです。
しかし、全員が全員、いざとなったらもの凄い潜在能力を発揮するわけではありません。
それをいつでも発揮する人もいれば、全く発揮しない人もいます。
発揮する人でも、超ハイレベルの潜在能力を持つ人から低いレベルの人までピンからキリです。
それはどういうことでしょうか。
私は脳科学者という立場で、多くのアスリートに助言をしたり、指導をしたりという経験も積んでいます。
そういう中で、桁違いの潜在能力を発揮して国際大会でメダルを獲得した選手をたくさん見てきました。
一方で、高い潜在能力を持ちながら、それを発揮できないままで終わった選手もいます。
その違いはどこにあるのでしょうか。
私は昔、髪の毛に針を刺すほどの技能を持っていて、アメリカでゴッドハンドと呼ばれていました。
ところが不思議なことに、病気をした後、その能力がパタッと消えてしまいました。
潜在能力が完全に落ちてしまったのです。
ところが、今、その感覚が少しずつ戻りつつあるのを感じています。
それは、本書を書くにあたって、どうすれば潜在能力を引き出すことができるのかを深く考えたことに理由があります。
実は、潜在能力を引き出すには、ある条件があるのです。
それをクリアできれば、誰もが潜在能力を開花させ、自分の思うような成果を手にすることができるようになるのです。
現在は、周りの人はもちろん、本人すらその才能に気づかずに、自分で自分の「潜在能力」の才能を放棄している人たちが多くなっています。
なぜそうなのかについても、はっきりとした理由があります。
本書では、それらの理由を明らかにしながら、潜在能力をどのように鍛えるかということを一貫したテーマとして話を進めていきます。