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おまじない。

私は、自分の〝怒り〟や〝悲しみ〟を相手に伝えることが怖い。

相手の人は、何気なく、悪気なく、むしろ、良かれと思って私に言ってくれた言葉だったり、行動である事が分かっているから、
『悪気はないんだから忘れよう』と自分に言い聞かせる。

でも、一度感じた感情は、無くすことはできない。モヤモヤやイライラは消えない。
そんな気持ちで、何となく相手の友達や先輩や彼氏と距離をとって、そのまま会わなくなった人が今まで、何人かいる。

もし、あの時
『あなたに悪気がないのは分かってるんだけど、私はあなたから言われた言葉に、嫌な気持ちになった』
と伝えたら、きっと、会わなくなったあの人は素直に謝ってくれただろう。

でも、いざ伝えようと思うと、胸が苦しくなる。怖くて言葉が出ない。

相手の問題じゃなく、自分の問題なのだ。

私は自分のこの壁を超えないと、人と良い関係を築いていけないんだと思う。

自分自身が起こしている、この繰り返しのパターンから抜け出したい。
その方法はただ1つ、『勇気を出して伝える』という事以外ないのだ。

会わなくなったあの人は、今頃、何をしているんだろう。

昔、亡くなった祖父に教えてもらった、勇気が出る〝おまじない〟がある。
まだ幼かった私が泣いていると、優しく教えてくれた。
母に『おじいちゃんに教えてもらった』と、〝おまじない〟をやって見せると、母は笑った。
『それ、お母さんが、おじいちゃんに教えた、シャックリが止まる方法やん』と。

祖父が教えてくれた〝おまじない〟(息を止めて水を一気に飲む)は、今でも私に勇気をくれる。
祖父の優しさが『大丈夫、できるよ。』と、あの時のように背中を押してくれるのだ。
もう会えないおじいちゃんが、まるでそばにいてくれるようで、あたたかくて、心強い。

今度、胸が苦しくて言葉が出てこない時は、
おまじないをすると決めた。

#日記 #エッセイ #感情 #おまじない #勇気

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