そばにいること。
いつも思い出しては心配になる友だちがいる。彼女の口癖が〝大丈夫〟だからだろうか。
前にどこかで、〝大丈夫〟と良く言う人は、〝本当は大丈夫じゃない人〟と、聞いたことがある。
自分のことよりも人の気持ちを考える彼女だからこそ、いつも笑顔で『大丈夫』と言うのだろう。
毎日のように一緒にいられた時は、彼女がどんなに笑っていても、『なんか、最近疲れてるなー』とか、『本当は、ちょっと怒ってる？』とか、『昨日、泣いたなー』とか、『最近なんか、いい感じ』とか、些細な変化にも自分で見たり、感じたりすることができた。
でも、毎日会えなくなった今は、それができない。
今日という１日を彼女がどんな気持ちで過ごしていたのかを考えていた。
人は、話さない事がほとんどだし、話したくても言葉にできない気持ちの方が多い。
そういうモノで人は出来てるんじゃないかと思う。
だから、どんな人の前でも明るく振る舞う彼女のことを考えては、〝そういうモノ〟で、いっぱいになってしまうんじゃないかと心配になる。
私がしてあげられることなんて何もないかもしれないし、彼女の本当の気持ちなんて分かってあげられないかもしれない。いや、人の気持ちというのは、例え毎日一緒に過ごしていたとしても、その本人以外の人には分かりっこない。だけど、私は分かりたいと思う。大切な人は今、どんな気持ちでいるのか。
〝離れていても心は繋がっている〟とか〝そばにいることだけが愛じゃない〟という言葉がある。もちろんこの言葉も好きだし、意味も良く分かる。
でも、そばにいないと分からないことがある。
だから私は大切な人の、なるべくそばにいたい。