水のせせらぎの音を楽しむ
3年ぶりの日本帰国では、京都に行く機会がありました。
京都に行くのはおそらく6回目ぐらいでしたが、
今回は沢山の日本庭園を訪れました。
(庭園でお抹茶をいただきたかったのです)
その中でお友達のおすすめで行ってみた無鄰菴(むりんあん)で、お庭についての小さな説明を聞きました。
ちなみに無鄰菴は山縣有朋さんの別荘で彼のお好みにデザインされています。1894-1896に建設されたものでそれが全てそのまま残っています。
とっても美しいお庭です。
ここで教わったのが、
無鄰菴のお庭を見るときには3つのポイントがあると、
①借景: 後ろに見える山を主役にして、お庭をあくまでも脇役に→これにより、奥の山から手前の庭までが一つにつながって奥行きがありとても広い空間を使ったアートになっている
②苔と芝生: 山縣有朋さんは当時日本庭園に主流であった苔があまりお好きでなく、「つまらない」から芝生を使ってと依頼したそうです。でも湿度の高い気候のせいで苔が生えて来てしまった。しかし結果として色とりどりの苔も「悪くないな」、とのことで芝生と苔が共存した美しい色のお庭になっているそうです。
③音で楽しむ: お庭の中には川が流れていて、高低を調整することで岩から流れ落ちる水の音がコトコト、と聞こえます。庭のどこにいてもこの水の音が聞こえるように設計されているとのことでした。
これをお聞きして、
そもそもあまり苔をじっくり見たことがそれまでなかったので、改めて日本の苔の美しさに気づいたのでした。
それと共に、水のせせらぎと水が落ちる音に耳を傾けてみると、なんとも心落ちつく、幸せを感じられる時間になると気づきました。
水の音と苔の色に集中していると、
それだけで心が豊かになってくるような気がしました。
そんな新しい楽しみを見つけて
京都から、日本から帰って来てはや3週間、
4月のイースター休暇に、
Metzというフランス東部の街に行く機会がありました。
Metzの街には大きな公園があり、
芝生には小さなマーガレットのようなお花が敷き詰められていて、隣には小さな川が流れていました。
ここで、川のせせらぎの音と、岩から流れる水の音に気がつき、楽しんでいる自分がいました。
同時に鳥のさえずりも聞こえて来て、
耳が上下の違う音を一生懸命集中して聞こうとしていて
音だけでとても楽しい時間を過ごしました。
この時に思いました。
あの説明がなかったら、
川のせせらぎを楽しむということを意識しなかっただろうなと。
何かを学ぶ時みたいに、
誰かが教えてくれると、
どうやるかわかる、
新しい能力が身につく、
川のせせらぎ音を楽しむということを教えてもらったら、
音を楽しむことが出来るようになった。
日本語できちんと日本の文化を学ぶ機会があったことに感謝、
いろんな言葉を学んで使えるようになっても、
やっぱり母国語に勝る情報源はない。
そして、あの無鄰菴の一言のおかげで、
自然の中で見つかる音をもっと楽しめるようになった。
人生に楽しみがひとつ増えたみたい。
なんか、面白いな、と思いました☺️