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切り取り風景物語

仕事の帰り

電車を待っていたら、50代くらいの女性が話しかけてきた。

「すみません、少し困ってるので聞いてもらえませんか?」

と声をかけられた。

困ってる様子にしては落ち着いてるけど、電車待ってるだけだし話しを聞くことにした。

「静岡から出てきたんだけど、お財布を落としてしまって困ってて。」

警察に行くことを伝えたけど、もう行って、落とした場所など伝えて届け出はしたらしい。

ただ問題なのが今日のうちに静岡に帰らないと行けないとのことだった。

う〜ん

静岡までの新幹線代がってことだった。

それは大変だな〜と思ったから電車代を出すことにした。

返してもらうために、連絡先など聞いていたときに、

「あ〜静岡ついて駅からも遠いんですよ〜。それでタクシーのお金もお願いします。」

え?
なんか違和感。
ちょっと図々しいな。
と思ったけど、困ってるし、後でお金渡さないであの人どうしたかなってなるのも気にしているのも嫌だし、2万円なら返ってこなくてもという覚悟で電車代とタクシー代を渡した。

家に帰り
母に話したら
え?詐欺だねって言われて。
やっぱり、そうだよね。
少し落ち込んでる私をみて、母の少し微笑みながら、心配している顔は今でも忘れられない。

その後3週間後くらいたってからかな。
電車でその人斜め前にいた。
目があったけど、まったく覚えてはいないような感じだった。

一瞬、あのあとお家帰れましたか?って話しかけようと思ったけど、電車の窓の外を眺めながら少し微笑んでる顔をみたら、そっか、そっか、笑えてるならそれは良かったかと電車を降りた。

いい人とか良いことしたとかって思ったり、それを人に話したら、馬鹿だな〜わかるじゃん、そんなのって言われるのもわかってる。

けれどきっと同じ事がまたあったら同じようにするのが私なんだと思う。

こればっかりは、仕方ないよ。

私は私でしかないから。

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