アリスの昆虫教室 吸血昆虫編
アリスの昆虫教室、第33弾です。
アリス:みなさん、おはようございます!昆虫大好きな大食いモデル、アリハウこと、アリス・ハウエルです!
チカノベ:昆虫に詳しい、天の声のチカノベです!
アリス:この番組は、私がチカノベさんと一緒に、昆虫について説明するものです。
チカノベ:できるだけ、昆虫の実物写真や、えぐい表現を見せない、昆虫が苦手な人のための番組でもあります。
アリス:今回は第33弾、吸血昆虫編です。
チカノベ:6種類の吸血昆虫の面白い生態や雑学、対策法などを説明していきます。
アリス:ひとつ目は、カ(蚊)です。
チカノベ:図は、人の血を吸うカの一種、ヒトスジシマカです。
アリス:ヒトスジシマカは、ハエ目 カ科に分類される昆虫の1種です。
チカノベ:日本で血を吸うカと言えば、ヒトスジシマカ、アカイエカ、チカイエカが代表的で、日本には約100種のカがいて、その中で血を吸うカは50種ほどです。
アリス:カの幼虫は、水中で暮らし、ボウフラと呼ばれています。ボウフラは、水中の有機物を餌とし、水をきれいにしてくれる益虫でもあります。
チカノベ:ハエ目、カの仲間は、蛹を経て成虫になる完全変態です。
アリス:血を吸うのは、産卵を控えたメスのカのみで、動物や人間の血を、産卵のための栄養素として吸います。
チカノベ:実は、血を吸うカでも、血を吸わないで産卵できるものもいます。できれば吸わないでほしいですね。ちなみに、チカノベは今年は1回もカに刺されませんでしたよ。
アリス:雑学王のチカノベさん、他に知っているカの雑学や便利な情報、面白い話はありますか?
チカノベ:はい。たくさんあって書ききれないほどですが、一部の印象的な情報を教えます。
アリス:何でしょうか。
チカノベ:以前の昆虫教室でも教えましたが、カはO型の血を好みます。理由は、構造が花の蜜に似ているからです。カのオスは、血は吸わず、花の蜜を吸うので、納得しました。
アリス:私はB型だわ。でもよく刺されるの。足とかね。
チカノベ:カに刺されやすい人の特徴は、足がクサい人、汗っかきな人、体温が高い人、二酸化炭素を多く吐く人、黒っぽい濃い色の服を着た人、若い人、赤ちゃんなどです。
アリス:私の足クサいってこと?
チカノベ:足のニオいが気になる方は、寝る前に足を除菌シートでよく拭くと刺されにくいそうです。
アリス:来年の夏試してみよう。
チカノベ:カに刺されると痒くなる原因は、カの唾で、カは血が固まらないように、唾を注入してから血を吸います。その唾がアレルギー反応(ヒスタミン)を起こし、痒くなります。
アリス:痒みを軽減する方法は?
チカノベ:痒くなった際、爪でバッテンをしたら治るのは嘘で、熱湯や酢をかけると痒みが軽減します。熱湯は危険だし、痕が残るのでおすすめしません。市販のかゆみ止めを使ってください。一時的にかゆみを止めたい人は、刺されたところをストローで吸うといいらしいです。
アリス:薬がいちばんよね。
チカノベ:興味深いことは、カは人の顔を覚えるらしく、自分を手で叩いて殺そうとする人の血は吸わないとテレビでやっていました。試しましたが、刺されましたよ。
アリス:昆虫って人の顔覚えなさそう。
チカノベ:恐ろしいことに、カは人を最も殺している生物です。マラリアやフィラリア、デング熱、日本脳炎などの感染症を媒介すると言われています。
アリス:怖いわね。
チカノベ:あと、虫よけにムシコ◯ーズを玄関にぶら下げているお家がたくさん見かけますが、ぶら下げるタイプの虫よけは、密閉空間でしか効果は期待できません。いつも、無意味だなーと思って見ています。
アリス:私もそう思って見ているわ。
チカノベ:あと、大きいカに刺されたとか、ガガンボは大きいからひどく腫れて痛みそうとか言う人たちがいますが、刺して血を吸うのは、主にヤブカやイエカなどで、大型のカやガガンボは血を吸いません。そういったカは、水分か花の蜜か、口が退化していて何も食べません。
アリス:2つ目は、アカウシアブです。アカウシアブは、ハエ目 アブ科に分類される昆虫一種です。
チカノベ:アカウシアブは、スズメバチに擬態した昆虫です。よく見ると、翅が2枚しかなかったり、体型がハエっぽかったりして、すぐに分かる人もいます。ですが、ハチではないからと言って、油断はできません。
アリス:スズメバチに擬態しているのは、ベイツ型擬態という擬態法で、無毒の生物が毒のある生物の姿を真似し、外敵から身を守る方法です。
チカノベ:アカウシアブは、仕事場でよく見る昆虫のひとつです。チカノベも、仕事場の人に、スズメバチいると言ったくらい、スズメバチに似た見た目をしていると思います。
アリス:アカウシアブは、ハチやカのように、メスだけ人に害を及ぼし、黒い服の人が襲われやすいです。
チカノベ:そこもスズメバチにそっくりだったとは!
アリス:アカウシアブは、針で刺して血を吸うのではなく、皮膚を噛みちぎって血を吸います。噛まれたあとは、流血します。
チカノベ:イヤー!!
アリス:一般的に、ハチは手で追い払うと刺されてしまいますが、アブは手で追い払わないと噛まれてしまいます。ハチとアブの区別をつける方法は、アブはハチに比べて触角が短く、アブの頭はほとんどが複眼を占めています。ハチは翅が4枚ですが、アブは2枚です。これらの特徴を把握することで、害虫から身を守れます。
チカノベ:他にも、血吸いアブはいて、ウシアブがいます。緑色の複眼に、グレーの体をしていて、ハエを大きくしたような見た目をしています。大きいハエのような虫や、ハチとハエの中間のような虫が飛んでいたら、要注意です。噛まれたらどうすればいいのですか?
アリス:患部を流水で洗い流す、ポイズンリムーバーを使用する、傷口から成分を押し出す、ステロイド系の薬を塗布する、です。
チカノベ:山に多い昆虫なので、山に住んでいる方・就学・就業している方の参考になれば幸いです。
アリス:次は、ブユです。ブユは、ハエ目 カ亜目 ブユ科に分類される昆虫の総称です。
チカノベ:地域によっては、ブヨ、ブトと呼ばれる場合もあります。大きさは2〜5mm程度で、アブを小さくしたような見た目です。
アリス:ブユは、ノコギリの歯のような口で皮膚や毛細血管を傷つけ、にじみ出てきた血を吸います。刺されると、赤く腫れ上がったり、激痛や痒みがあったり、腫れが長い間引かなかったり、痒みが数年続いたりします。
チカノベ:対策法は?
アリス:ブユの出そうな場所では肌の露出を控えたり、虫除けスブレーを吹きかけたりします。暗い色の服を着ないで、明るい色の服を着る、朝夕に活発になるため、その時間の散策を避けるなどです。
チカノベ:噛まれたら?
アリス:刺し口を指でギュッと絞るか、ポイズンリムーバーで毒液を絞り出す。患部を洗う。患部を43℃以上のタオルやシャワーで温める。ステロイド外用剤を使用する。掻かないことです。
アリス:4つ目は、ノミです。
チカノベ:ノミってすごいですよね。
アリス:ノミは、ノミ目に分類される昆虫の総称で、名前の由来は血を飲むからです。
チカノベ:ノミの面白いところは、ジャンプ力です。体長が1.5〜3.5cmありますが、体調の約200倍の、30cmもジャンプできます。人間の身長に換算すると、300mの高さを飛び越える計算になります。
アリス:ノミに噛まれたら、すぐに受診できない場合は、患部を保冷剤や氷水などで冷やします。市販の虫刺され薬を塗布します。患部を掻きむしらないようにします。
チカノベ:ある昆虫本で読んだ情報ですが、最近の子どもたちは、ノミという昆虫の認知度が低いそうです。バッタ目で血は吸いませんが、ノミバッタの名前を説明するとき、ノミのようなバッタでは通じないらしいです。
アリス:それほど、最近はノミが減ったり、衛生環境が良くなったりしているということね。
アリス:5つ目は、トコジラミです。
チカノベ:別名、南京虫(ナンキンムシ)で、今年話題になりましたね。韓国旅行の際は気をつけて!って。
アリス:トコジラミは、シラミではなく、カメムシ目で、カメムシの仲間で、潰すとクサいそうです。
チカノベ:チカノベとアリスさんの地域(九官市)では、生息が未確認ですが、あれほど国際化が進んでいるので、生息している可能性はあります。
アリス:市南部にすでにいそう。外国人多いから。
チカノベ:南京とは、中国から伝わったもののことで、南京豆、南京錠、南京玉すだれなどが中国から伝わってきたもので、日本人がこの虫のことを南京虫と呼んでいることに関して、中国からクレームがきています。本当はヨーロッパの虫です。
アリス:トコジラミは、明るいところが苦手で、主に夜に活動が活発になります。旅行先で刺されそうな場合は、電気を点けて寝るといいそうですね。でも、時々明るくても吸血します。腹が減りすぎると、明るくても仕方なく活動します。
チカノベ:姿はないのに、刺された痕がある人、心当たりがある人は、ベッドと床の隙間などをご覧ください。トコジラミのいる家には、脱皮殻があったり、フンがあったりします。トコジラミは血を吸う昆虫なので、黒いシミのような排泄物(血糞・けっぷん)をします。
アリス:刺されたら、赤く腫れ上がったり、強い痒みがあったり、発熱したりします。症状には個人差があり、初めて刺された人は症状が出ないことが多いらしく、10日程度経ってから症状が現れる人もいます。
チカノベ:対策法は?
アリス:部屋をこまめに掃除機で掃除する、布団まわりを整頓する、見つけたら潰さずガムテープで捕まえて、密閉したごみ袋に入れておく、布団を温水(50℃)で洗う、クスノキ(樟脳)の香りをたくなどです。
アリス:最後、6つ目は、サシガメです。サシガメは、カメムシ目 サシガメ科に分類されるカメムシの総称です。
チカノベ:チカノベは、ビロードサシガメなら見たことがあります。あと、ネットで見た情報ですが、サシガメが洗濯物のパンツに入っていて、それを穿いてしまい、とんでもないところが刺された人もいます。
アリス:サシガメは、他の昆虫や動物の体に、針状のストローのような口器を差し込み、体液や血を吸います。刺されると激痛や痒みを感じます。激痛の程度は、ハチに刺されるより痛いそうなので、相当痛そうです。
チカノベ:実は、サシガメに刺されると、もっと恐ろしいことがあるんですよね。
アリス:はい。サシガメにも、病原菌の媒介の恐れがあり、シャーガス病を引き起こすことがあります。初期症状は、無症状、発熱、リンパ節腫脹、倦怠感、関節痛、頭痛、下痢などです。
チカノベ:更に恐ろしいこともあります!
アリス:そうですね。恐ろしいことに、感染者の30%は心臓や食道、結腸に治癒不可能な損傷を負って、平均寿命が約10年縮まり、一部の人は急性心筋炎や髄膜脳炎、突然死で死に至ることもあります。図のようなカメムシや、知らない虫には触らないことです。
チカノベ:チカノベもアリスさんも、小さい頃は何虫でもカメムシでも捕まえて遊んでいたので、そういったお子さんや、昆虫初心者の方は、知らない虫(カメムシ以外も)には触らないようにしましょう。
アリス:そういえば、サシガメの面白い話もありますよね。
チカノベ:はい。オオトビサシガメは、バナナやバニラの香りがするそうです。他にも、いい匂いのカメムシは何種類かいます。
アリス;オオトビサシガメを観察する際は、素手で触ったり、刺激しすぎたりしないようにしてくださいね。
アリス:アリスの昆虫教室第33弾、吸血昆虫編はこれで終わりです。
チカノベ:もっと吸血昆虫について知りたい方や、質問がある方は、コメントくださいね!
チカノベ:では!
アリス:またお会いしましょう!