アリスの昆虫教室 触れると痛い目に遭う可能性のある昆虫編

アリスの昆虫教室 第38弾です。

アリスの昆虫教室

アリス:みなさん、おはようございます!昆虫大好きな大食いモデル、アリハウこと、アリス・ハウエルです!

チカノベ:昆虫に詳しい、天の声のチカノベです!

アリス:この番組は、私がチカノベさんと一緒に、昆虫について説明するものです。

チカノベ:できるだけ、昆虫の実物写真や、えぐい表現を見せない、昆虫が苦手な人のための番組でもあります。

アリス:今回は第38弾、触れると痛い目に遭う可能性のある昆虫編です。長いタイトルですね。

チカノベ:はい。今回のタイトルは悩みました。「チカノベが咬まれた昆虫編」とか、「チカノベが痛い思いをした昆虫編」と変更しました。「チカノベが痛い目に遭った昆虫編」に一度落ち着きましたが、自分自信、痛い目に遭った経験のない昆虫や、これから痛い目に遭うであろう昆虫も多数、注意喚起も兼ねて紹介したかったので、タイトルから「チカノベが」を除外しました。

アリス:長いお題ですが、タイトル通り、触ると咬まれたり、刺されたり、血が出たり、皮膚が腫れたりなど、痛い目に遭う昆虫をたくさん紹介します。

チカノベ:昆虫教室でのチカノベとアリスさんの役割は、チカノベが取り上げる昆虫を企画したり、図を描いたり、知っている情報を話したりし、アリスさんが更に詳しい話や、チカノベの知らない解説をするという感じで番組をやっています。

アリス:チカノベさんも私も、昆虫には詳しいですが、取り上げる昆虫についてお互いに知っていることを話しています。

チカノベ:今回の昆虫教室は、チカノベが実際に触って刺されたり、かじられたり、挟まれたりして、痛い目に遭った昆虫8種と、チカノベは未経験ですが、触ったら痛い目に遭う可能性のある昆虫10種を紹介します。注意喚起も兼ねて説明します。今回紹介する昆虫は一例で、もっと取り上げたい昆虫がいましたが、説明できる範囲には限りがあります。内容はたっぷりめです。

チカノベ:まずは、チカノベが捕まえたり、触ったりして、痛い目に遭った昆虫を8種紹介します。

アリス:8種の昆虫の中には、要注意な毒虫も中にはいますが、ほとんどが毒性のない昆虫です。

チカノベ:自分の過ごしてきた学校や仕事場など、自然豊かな地域ばかりで、毒虫も多く存在しましたが、昆虫の知識が豊富なこともあり、痛い目に遭っても、深刻な被害はほとんど経験しませんでした。

アリス:1種目の昆虫は、ちょっと危険な毒虫です。「ちょっと」と言っていますが、場合によっては深刻な被害をもたらすため、私たちの話をしっかり聞いておいてくださいね。

実は危険な昆虫

チカノベ:1匹目は、ミツバチです。種類までは覚えていませんが、図はセイヨウミツバチです。

アリス:ミツバチは、ハチ目 ミツバチ科に分類される昆虫の総称です。

チカノベ:小学生の頃、4年生だったと思います。家から少し近い児童公園で遊んでいるとき、ミツバチがいっぱいいて怖かったので、何匹か捕まえて、いじめていていました。

アリス:危ないわ。

チカノベ:案の定、親指の腹が刺されてしまいました。泣きました。一緒にいた、公園の近所に住む年下の男子に、ハチの毒には命の危険があることを教えてもらいました。その男子は確か卵アレルギーがあった気がします。卵アレルギーの人は、ハチに2回刺されると死に至るそうです。チカノベには、卵アレルギーはありません。

アリス:ミツバチの毒は、スズメバチほど強くありませんが、何度も刺されると、死に至ることがあるので、注意が必要です。

チカノベ:そもそも、ミツバチはスズメバチやアシナガバチよりは温厚で、人を刺すことはめったにないそうです。自分の巣が襲われると感じたときくらいです。ミツバチは、生きている間、1回しか刺せません。人を刺すと、毒針が内蔵ごと引きちぎれ、死んでしまいます。命より大事な巣を狙われたときのみ、人を刺します。

アリス:ミツバチをはじめ、ハチのような生き物は、素手で掴まないようにしましょう。

トンボに咬まれた

チカノベ:次は、トンボです。種類までは覚えていませんが、確かトンボ科の一種だったと思います。図のトンボのモデルになったのは、ショウジョウトンボです。ショウジョウトンボは、成熟したオスは、全身が真っ赤で、ほとんどの人が赤トンボだと思いがちな見た目ですが、赤トンボの仲間ではありません。

アリス:トンボは、トンボ目というグループに属する昆虫の総称で、ショウジョウトンボや赤トンボと呼ばれるトンボ(ナツアカネ、アキアカネ等)は、トンボ科に分類されます。

チカノベ:どんな感じでトンボで痛い思いをしたのかというと、図のように、指を立ててトンボを捕まえようとしたところ、狙い通りトンボが留まったのですが、指先をガリッと咬まれてしまいました。これは他の人でも経験した人が多数いるほど、結構あるあるな話で、トンボを捕まえる際は、指を立てて留まらせることはおすすめしません。

アリス:私も経験あります。トンボは他の昆虫を食べる肉食昆虫で、血を吸うなどとことはないので、怖くはありませんが、結構鋭いので、もし咬まれて血が出た方がいたら、速やかに傷口をきれいな水で洗って消毒し、絆創膏を貼ってください。

あごが鋭い

チカノベ:次は、エンマコオロギです。

アリス:エンマコオロギは、バッタ目 コオロギ科に分類される昆虫の一種です。

チカノベ:親の実家の庭や、その近所の公園でよく見かけていた昆虫のひとつで、捕まえる機会もあったし、飼うこともありました。痛い目に遭ったのは、公園でのことだった記憶がありますが、詳しい時期は覚えていません。小学校3年生以降だったような気がしますが、不確かです。小2になる前の春から、今の地域や町内に住み始めたので、それ以降であることは確かです。

アリス:咬まれたの?蹴られたの?

チカノベ:咬まれました。素手で掴んでいたところ、ガリッと指を咬まれました。ミツバチほどではなかったですが、とても痛かったです。

アリス:もちろん、特に毒や血を吸うなどはしませんが、コオロギは雑食で、動物性の餌を食べることがあり、あごが鋭くなっています。

キリギリスは咬む

チカノベ:次は、ツユムシです。ツユムシだったかはよくわかりませんが、ツユムシの仲間の昆虫だったことは確かなので、ツユムシと言っておきます。

アリス:ツユムシは、バッタ目 キリギリス科に分類される昆虫の一種です。

チカノベ:咬まれたのですが、いつ頃だったかは覚えていなくて、エンマコオロギに咬まれた時期より前だったような、そうでもなかったような気がします。咬まれたのは確か学校に行く途中の道だったような気がしますが、定かではありません。痛さはトンボやエンマコオロギほどではありませんでした。

アリス:ツユムシも、毒や血を吸うことはありません。コオロギやキリギリスの仲間は、種類によっては、咬まれると血が出るものもあります。怪我をした場合は、傷口を流水でよく洗って消毒し、絆創膏を貼ってください。

アリは咬むので嫌われ者

チカノベ:次は、アリです。図は、クロオオアリです。

アリス:アリは、ハチ目に属する昆虫で、ハチの仲間です。クロオオアリは、ハチ目 アリ科 ヤマアリ亜科 オオアリ属に分類されるアリの一種です。

チカノベ:この昆虫には、何度か咬まれたり、咬まれに行ったりしました。捕まえたり、巣の入り口を触ったりすると咬みます。咬むので嫌いと言う人も結構いる昆虫です。

アリス:クロオオアリは、毒はないですが、アリは種類によっては、オオハリアリなど、毒針を持っていることがあります。そういったアリは、クロオオアリやムネアカオオアリなどとは、少し見た目が違います。見慣れないアリには要注意です。

「カマ」のある「キリ」ギリスが由来

チカノベ:次は、カマキリです。種類までは記憶にないですが、ハラビロカマキリかオオカマキリだった気がします。図は、オオカマキリです。

アリス:カマキリは、カマキリ目というグループに属する昆虫の総称で、前脚のカマで昆虫を捕らえて食べます。

チカノベ:もちろん、鎌で指を挟まれて痛い思いをしました。中学生の頃、カマキリを捕まえて外出で連れて行くことがあり、その際に、とても元気なカマキリがいて、挟まれてしまいました。

アリス:カマキリは、昆虫だけではなく、スズメやハチドリのような小型の鳥類や、カエル(両生類)、トカゲ(爬虫類)などの、昆虫以外の生き物の肉も食べることがあるし、人が飼う際に餌は小さく切った鶏肉でも代用できます。もしかしたら、人を咬むこともあると思います。

外国産カブトムシ

チカノベ:次は、アトラスオオカブトです。

アリス:アトラスオオカブトは、コウチュウ目 コガネムシ科 カブトムシ族 アトラスオオカブト属にに分類されるカブトムシの一種で、フィリピンやインドネシアなどの東南アジア原産で、日本には生息していません。

チカノベ:小1の頃、今住んでいる地域とは別の場所に住んでいた際、友達が飼っていました。

アリス:日本にいないのに、どうやって手に入るのかと言うと、日本のペットショップやホームセンターなどで、数千円で売っています。

チカノベ:記憶の限りだと、その友達は、豪邸に住んでいて、トイプードル2匹やラブバード(ボタンインコだったかな?)などを飼っていたり、本がたくさんあったりました。お金持ちなんだと思います。20年くらい前のことなので、アトラスオオカブトと聞いた記憶はなかったですが、そう言っていたような気もします。特徴からして、アトラスオオカブトだと思います。名前は覚えていて、カブちゃんという名前でした。

アリス:どうして痛い目に遭ったの?

チカノベ:友達にカブちゃんに触らせてもらったところ、確か胸部と前翅のつなぎ目に小指を挟まれ、皮剥けしてしまいました。血は出なかったと思いますが、絆創膏を貼りました。挟まれた虫の箇所は、胸部のところだった記憶があるのですが、あまり自信はなく、外国の緑色の光沢があるカブトムシに挟まれて皮剥けして絆創膏を貼ったのは確かだと思います。

アリス:カブトムシの胸部と前翅の付け根部分には、爪切りのような鋭い部分があって、指を挟まれると皮膚を切断される危険性があります。

チカノベ:そうなんですか?じゃあ記憶には間違いないですね。

アリス:カブトムシのこの部分に触ってしまうと、反射的に閉じてしまう性質があるので、注意が必要です。みなさんも、カブトムシの仲間を触る際は、十分ご注意ください。

チカノベ:チカノベの場合、皮が剥けただけで済んだのは幸いでしたが、爪切りのようとなると、血が出ていた可能性もあったかもしれませんね。それに、アトラスオオカブトは、カブトムシの中でも、闘争心が強く、攻撃的で気性が荒いので、特に注意しないといけませんね。

アリス:あと、痛い目に遭ったからとか、飼えなくなったからと言って、外国産のカブトムシを日本に放さないでください。外来種の昆虫や動物などが日本中で逃げ出したり、放流したりして、大繁殖したり、日本の生き物の餌や棲み家が奪われたり、生きていくのに負けたりし、日本に元々いた生き物が生きていけなくて、大迷惑になります。

チカノベ:カブトムシといえば、チカノベはヤマトカブトムシやクワガタムシのような、ちょっと大きめのコウチュウが小学生の頃は触れませんでした。脚のトゲや爪が鋭く、触ると痛くて、素手で触るのは無理でした。それで、今の地域の小学校にいた頃、チカノベがクワガタを見つけた際、友達に拾わせたことで、「友達が最初に触ったクワガタ」になってしまい、自宅に持ち帰られなくて、悔しい思いをしました。

アリス:コウチュウって、触ると痛いわね。痛い思いをしたくない場合や、飼育中に世話をする際は、軍手や作業用手袋を使用して触ることをおすすめします。

※毒はない

チカノベ:次は、クスサンの終齢幼虫です。

アリス:クスサンは、チョウ目 ヤママユガ科に分類されるガの一種です。

チカノベ:痛い目に遭ったというよりは、チクチク痛痒い目に遭いました。この感覚が忘れられず、また体感したいです。

アリス:クスサンは、淡い緑色の剛毛が生えていて、触るとたわしのようにチクチクと痛いですが、毒はありません。勘違いしないでください。

チカノベ:痛い目に遭った昆虫として紹介しましたが、遭ったというよりは、痛くていい気分をした昆虫です。チカノベは、昆虫に対しては、いじり尽くしたい、ドSだと思っていますが、クスサンにだけは、剛毛で刺されたいというドMな一面を持っています。

チカノベ:次に、チカノベは特に痛い目には遭いませんでしたが、その他触れると痛い目に遭う可能性のある昆虫を10種紹介します。

アリス:チカノベさんは、ミツバチ以外で、特に被害はありませんでしたが、紹介する昆虫の中には、痛い目に遭うと恐ろしいことが起こる昆虫もいます。

髪や紙を噛み切る虫

チカノベ:まずは、カミキリムシです。図は、チカノベが最も見る機会の多いカミキリムシ、ゴマダラカミキリです。

アリス:カミキリムシは、コウチュウ目 カミキリムシ科に分類される昆虫の総称です。

チカノベ:カミキリムシは、名前の通りに、髪や紙を大あごで噛み切る昆虫です。

アリス:想像がつくと思いますが、鋭い大あごで手や指などを咬まれてしまいます。

チカノベ:チカノベには、特にカミキリムシで痛い目に遭わなかったと思いますが、チカノベのカミキリムシの第一印象から、大あごがかなり鋭いと思いました。

アリス:どんな感じだったの?

チカノベ:小学校4年生くらいだったかな?いつ頃かは全然覚えていませんが、下校中にカミキリムシを捕まえ、確かルリボシカミキリでした。葉っぱでカミキリムシのお家を作ったのですが、気に入らなかったのか、葉っぱを大あごで噛みちぎられました。

アリス:カミキリムシは毒は持たず、人に攻撃してくることはありませんが、素手で掴むと大あごで咬まれてしまうことがあります。その力は凄まじく、自分の体重の20倍の噛む力があります。人間に置き換えると、約1トンもの噛む力があります。

チカノベ:カミキリムシに似た昆虫には、ジョウカイボンとカミキリモドキがいます。どちらもコウチュウ目ですが、カミキリムシとは別の科です。

アリス:ジョウカイボンは噛みますが、カミキリムシほど力は強くなく、そこまで痛くはありません。カミキリモドキは要注意です。カミキリモドキは、危険を感じると、カンタリジンという毒が入った液体を出し、それに触れてしまうと、皮膚がただれて、それこそ痛い思いをします。

チカノベ:カミキリムシのようなコウチュウには注意し、その他でも、知らない昆虫には手を触れることのないように注意してください。特にお子さんや、好奇心旺盛で純粋な方は、何虫でもカメムシでも触ってしまいます。そういった方には、注意を促しておきましょう。


危険性の高いドラキュラカメムシ

チカノベ:次は、サシガメです。図は、サシガメ科の一例で、他にもサシガメ科のカメムシはいます。

アリス:サシガメは、カメムシ目 サシガメ科に分類されるカメムシの総称で、多くのカメムシの餌は植物の汁ですが、サシガメ科は他の昆虫や動物の体にストローのような針状の口器を差し込み、体液を吸う、ドラキュラカメムシです。

チカノベ:このカメムシは、刺されると、とても恐ろしいことが起こってしまう場合もあります。

アリス:サシガメに刺されると、シャーガス病という感染症を媒介します。長い間や生涯無症状の人もいますが、初期症状は、無症状、発熱、リンパ節腫脹、倦怠感、関節痛、頭痛、下痢などです。更に恐ろしいこともあり、感染者の30%は心臓や食道、結腸に治癒不可能な損傷を負って、平均寿命が約10年縮まり、一部の人は急性心筋炎や髄膜脳炎、突然死で死に至ることもあります。

チカノベ:刺されると、ハチより痛いと言われています。感染症にかかってしまうと、命の危険があるので、図のようなカメムシや、知らない虫には触らないようにしてください。

昆虫好きの間では憧れ

チカノベ:次は、コバンムシです。

アリス:コバンムシは、カメムシ目 コバンムシ科に分類される昆虫の一種で、水生昆虫です。

チカノベ:コバンムシは、珍しい昆虫で、昆虫好きの間では、憧れのコバンムシと言われているくらいです。とある昆虫好きの人は、憧れのコバンムシを捕まえたところ、刺されてしまい、大きな声で「いたああ!!」と言ってしまったそうです。

アリス:コバンムシのような、水生昆虫は、病原菌を持っていることがあり、刺すときに注入する唾液にも細菌が入っている可能性もあります。刺された指はボコッと腫れてしまいます。刺されたら、患部を流水で洗い流し、虫刺されの薬やステロイド外用薬を塗布してください。

もしかしたら刺されていたのかもしれない

チカノベ:次は、スズメバチです。図は、チカノベももしかしたら痛い目に遭っていたかもしれない、キイロスズメバチです。

アリス:スズメバチは、ハチ目 スズメバチ科に属する昆虫のうち、スズメバチ亜科に属するものの総称です。スズメバチが危険なことは、日本人のほとんどが知っていると思いますが、一応説明させていただきます。

チカノベ:チカノベが痛い目に遭うと思ったときは、2023年の暖かい季節、ベランダで洗濯物を干しているときです。ベランダの前にある家の中に、キイロスズメバチと、多分フタモンアシナガバチの巣があり、ベランダの前を飛んでいることがよくありました。母は洗濯物に黄色いスズメバチが留まったと言っているときもありました。

アリス:触ったこともあるのよね。

チカノベ:はい。夢にスズメバチが出てきたのですが、現実ですぐそばにもスズメバチがいました。目覚めると窓際から羽音が聞こえてきました。カーテンを開けると、羽音の音と相当する大きさのスズメバチがいて、最初はオオスズメバチだと思いました。自宅にはハエ用の香りつきの殺虫剤しかなく、それをスズメバチに執拗に振りかけ、弱ったところで、ティッシュの上に置いて観察しました。

アリス:生きていたのよね。

チカノベ:多分生きていました。触角とか動いていたと思います。触っても反撃されませんでした。あまりにも茶色いので、キイロスズメバチとは全く思いませんでしたが、検索したところ、模様の配置が完全にキイロスズメバチと一致していたので、キイロスズメバチだと思います。

アリス:スズメバチは、刺されると痛みや腫れなどの局所症状や、じんましん、吐き気などのアレルギー症状による全身症状が現れます。アレルギー反応が強まると、アナフィラキシーショックを起こし、命に関わる危険な状態に陥ることがあります。

チカノベ:スズメバチに刺される原因は、自分の命や巣に危険を感じたときです。巣が近くにあると気づかないで、スズメバチに刺されることがあります。ミツバチとは違い、スズメバチは生涯何回でも外敵を刺すことができます。

アリス:ハチは、昼間は黒いものを刺し、夜は白いものを刺しに行きます。あと、柔軟剤や香水の匂いにも敏感なので、スズメバチのいるような場所には、そういった色の服を着たり、香りをつけて行ったりしないようにしてください。

あらゆる広葉樹の害虫

チカノベ:次は、イラガの幼虫です。

アリス:イラガは、チョウ目 イラガ科に分類される昆虫の総称です。イラガという名前の昆虫の一種もいます。

チカノベ:イラガの多くの種類は、幼虫に毒のあるトゲを持っていて、別名電気虫(デンキムシ)です。刺されると痛みは10年も忘れないと言われているほど痛いです。イラガ科の幼虫は、親の実家にあるサクラの木や、運動公園のサクラの木などで見たことがあります。

アリス:イラガは、サクラの葉だけでなく、カキ、ウメ、アンズ、ケヤキ、カエデ、ドングリ、クリ、クルミ、マメ、ツツジなど、100種類ほどの様々な樹木の葉を食べる害虫です。

チカノベ:他にも、イラガの幼虫には毒のある種類が多く、ほとんどが緑色で、体中にトゲが生えています。今話した特徴に似たイモムシがいたら、絶対に触らないようにしてください。

名前が好きな昆虫

チカノベ:次は、ハサミムシです。図は、ハサミムシの一種です。

アリス:ハサミムシは、ハサミムシ目というグループに属する昆虫の総称です。

チカノベ:名前や見た目から想像できると思いますが、お尻にあるハサミで手や指を挟まれることがあります。

アリス:毒はないですが、挟まれた傷口から細菌が侵入し、炎症を引き起こすこともあります。ハサミムシに挟まれて怪我をしたら、すぐに患部を流水で洗い流し、消毒して絆創膏を貼ってください。

スズメバチに擬態

チカノベ:次は、ウシアブです。図は、血吸いアブの一種、アカウシアブです。

アリス:ウシアブは、ハエ目 アブ科 アブ属 ウシアブ群に分類される昆虫の総称で、ウシアブという灰緑色っぽい色の種類もいます。

チカノベ:今の仕事場には、暖かい季節になると、ウシアブやアカウシアブがたくさん飛んでいて、特に印象的なのは、スズメバチに擬態したアカウシアブです。昆虫に詳しいチカノベも、最初はスズメバチと見間違うくらいよく擬態していると思いました。よく見ると、翅が2枚しかなかったり、体型がハエっぽかったりして、すぐに分かる人もいます。ですが、ハチではないからと言って、油断はできません。

アリス:アカウシアブは、ハチやカのように、メスだけ人に害を及ぼし、黒い服の人が襲われやすいです。

チカノベ:捕まえなくても、ウシアブは向こうから襲ってきます。もしかしたら、今年の夏こそ襲われる危険もあるかもしれません。

アリス:どう痛い目に遭うのかと言うと、アカウシアブは、針で刺して血を吸うのではなく、皮膚を噛みちぎって血を吸います。噛まれたあとは、流血します。咬まれると、一時的に激痛が走り、次いで痒みが続き、その後大きく腫れます。

チカノベ:ウシアブやアカウシアブが飛んでいる環境で、咬まれない方法もあります。

アリス:一般的に、ハチは手で追い払うと刺されてしまいますが、アブは手で追い払わないと噛まれてしまいます。ハチとアブの区別をつける方法は、アブはハチに比べて触角が短く、アブの頭はほとんどが複眼を占めています。ハチは翅が4枚ですが、アブは2枚です。これらの特徴を把握することで、痛い目に遭うことを回避できます。

チカノベ:大きいハエのような虫や、ハチとハエの中間のような虫が飛んでいたら、要注意です。咬まれたらどうすればいいのですか?

アリス:患部を流水で洗い流す、ポイズンリムーバーを使用する、傷口から成分を押し出す、ステロイド系の薬を塗布する、です。

ヘビのように餌を丸呑み

チカノベ:次は、ヘビトンボです。

アリス:ヘビトンボは、アミメカゲロウ目(ヘビトンボ目) ヘビトンボ科に分類される昆虫の総称で、ヘビトンボという名前の昆虫の一種もいます。
チカノベ:前回の昆虫教室も紹介した昆虫ですが、また説明します。ヘビトンボの名前の由来は、捕まえようとすると大きなあごで噛みついてくる様子が、鎌首をもたげたヘビのようだからで、トンボという名がついたのは、トンボのような大きくて透明な翅を持っているからです。

アリス:幼虫も噛みます。幼虫は、ざざ虫やカワムカデ、孫太郎虫(マゴタロウムシ)と呼ばれています。昆虫食で素揚げしておやつにしたり、漢方薬になったりします。ざざ虫は、カワゲラやトビケラの幼虫のことも指します。幼虫は主に水生昆虫を大あごで捕まえ、小あごと前脚、中脚を使って丸呑みします。なんと、蛹も噛みつくことがあります。多くの昆虫の蛹は、微動だにしないイメージがありますが、ヘビトンボの蛹は噛むことがあります。

チカノベ:幼虫、蛹、成虫と、一生を通じて、咬みついてきます。ヘビトンボを観察する際は、ヘビトンボの一生を通して、噛まれないように注意しましょう。

気になっている昆虫だが捕まえないほうが幸せだと思う

チカノベ:次は、マツモムシです。

アリス:マツモムシは、カメムシ目 マツモムシ科に分類される昆虫の一種です。

チカノベ:この昆虫は、今の仕事場の池にたくさんいますが、水辺に手が届かなくて、捕まえられないです。気になってはいるものの、この昆虫は捕まえないほうが幸せな昆虫です。

アリス:この昆虫に刺されると、ハチに刺されたくらい痛く、2〜3日は痛みます。

チカノベ:コバンムシやマツモムシの他にも、タガメ、タイコウチなど、水生カメムシ類は人を刺すことがあります。コバンムシで話したように、水中の細菌が、そういった昆虫の唾液に含まれていることがあり、細菌に感染することがあるので、水生昆虫を採集する際は、刺されないようによく注意してください。

エイリアンみたいだ

チカノベ:最後に紹介するのは、クビキリギスです。

アリス:クビキリギスは、バッタ目 キリギリス科に分類される昆虫の一種で、名前の由来は、この昆虫に噛みつかれた際、引っ張ると首が切れてしまい、それでも噛んだままであることが由来という恐ろしい名前のキリギリスです。

チカノベ:地域によっては、血吸いバッタ、ショウガ食い、クチベニ、赤口(アカグチ)などと呼ばれています。鋭い大あごで咬まれると、血が出てしまうことがあります。チカノベが憧れている昆虫の一種です。雑食で、バッタやカマキリなどの昆虫や、植物性の餌を食べる雑食で、カマキリとライバル同士のようなので、キリギリスの標的になりやすい他の昆虫と戦わせてみたいです。

アリス:この昆虫の大あごは鋭く、咬まれた際についた血がクビキリギスの口につくこともあります。アブのように、毒液は吐かないですが、怪我をした際は、傷口を流水で洗い流し、消毒して絆創膏を貼ってください。

チカノベ:ケガをしたときの対処法などを説明して締めくくります。万が一、昆虫に咬まれたり挟まれたりして怪我をしたり、刺されてしまった場合の話です。

アリス:昆虫に咬まれたり挟まれたりして血が出た場合、何度も説明している通り、すぐに流水で傷口を洗い流し、消毒して、絆創膏を貼ってください。

チカノベ:昆虫は外にいる生き物なので、何を食べて、どこを歩いたかわからず、細菌を持っている可能性もあります。

アリス:血が止まらない場合は、洗って消毒した傷口を直接滅菌ガーゼで圧迫し、手足の場合は、傷口を心臓より高い位置に上げてください。
チカノベ:それでも止まらない場合は、外科などを受診してください。

アリス:毒針や口器などで刺す昆虫に刺された場合は、患部に虫刺されの薬やステロイド外用薬を塗布してください。不安がある方は、皮膚科を受診したほうがいいと思います。

チカノベ:スズメバチやアシナガバチに刺されて、呼吸困難や動悸、意識障害など、全身症状が現れた際には、迷わず救急車を呼んでください。刺されて腫れただけでは、救急車は呼ばず、すぐに皮膚科を受診してくださいね。

アリス:アリスの昆虫教室第37弾、触れると痛い目に遭う可能性のある昆虫編はこれで終わりです。

チカノベ:もっと、触れると痛い目に遭う可能性のある昆虫について知りたい方や、質問がある方は、コメントくださいね!

END

チカノベ:では!

アリス:またお会いしましょう!


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