腹を括り道が開ける
私は彼女に「絶対大丈夫!とにかく自分を信じて突き進んで大丈夫。」と数え切れないほど声をかけた。
その人の生きる姿勢で分かる。
背中を押していいのかどうかが。
とうとう先週、彼女は念願のパン屋をオープンさせ、約300個のパンを1時間かからないうちに完売させた。オープン2日目も3時間で完売。SNSを使わず友人知人に個別にお知らせしただけだとか。
彼女は開業までに何度も立ち止まって考えた。
日本人の体質とグルテンの相性が良くないって気付いてるのになんでわざわざパン屋始めようとしてるんだろう。と。
それでも開業したい気持ちを抑えることは出来ず、とうとう彼女は素直にお客さんに告知。
集客の常識を破り、挙句の果てには「パンよりご飯が食べたい。」と。
数百万円の開業費を掛け、月に10日ほどしか営業しないそのビジネススタイル。創業支援者なら何と言うだろう?きっとお手上げ。
パン屋も含めて飲食店の廃業率は10年以内に9割という現実を突きつけられたら、開業を夢見る誰もが怖じ気づく。
けれど、
パンひとつ売って、いくらの利益が上がるという計算はもうやめて良い。(皮算用が楽しい人はぜひ。)
時代はアセンションダヨ。
勇気を出して好きなことをしなければどうなるかというのは人間なら誰しも潜在意識が知ってること。
採算?
ケセラセラ。
彼女は、主婦(家事育児)とパン屋兼業の為、営業日は週に2日、たまに3日と決めた。仕込みは朝早く、2時台に起床し3時台には工房に入る為、睡眠時間と体力の確保を考慮すると週2日が限界。
2.3年前から登園、登校渋りのある息子くんに毎朝手を焼いていたはずが、最近とんとそんな話を聞かなくなったのは、彼女が上手く手放すことに成功した証。
彼女の身の回りで起こる出来事も以前とは明らかに異なる、人生の転機。
貴重な節目に伴走させてもらえたことに深く感謝いたします。オープンおめでとう。ずっと愛されるお店でありますように。
覚悟を決めた人の潔さが好きです。