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餃子に羽根

ほんの数年間、蒲田に住んでたことがある。駅から数分のマンションで、目の前の道路を24時間絶えずナニカが通っていた。深夜は酔っぱらいだの救急車だのパトカーだのバイクだの。赤子の寝顔を見ながら、あんたこの騒音の中よう寝てられるわ、と思ってた。でもそれを除けばとても暮らしやすい街だった。給料日前のピンチを救ってくれる安価な肉屋や八百屋、遅くまでやってる駅ビルではたいがいのものが手に入る。何より、美味しい餃子とラーメンに事欠かない。

今日は友達と待ち合わせて餃子を食べに行った。待ち合わせにちょっと早く着いたので、京急の駅の近くをふらふらしてたら、区の観光情報センターが新しく出来てるのに気づいた。いろんなパンフの棚の最下段に、手作り感満載の「蒲田餃子めぐりマップ」「蒲田ラーメンマップ」が。こういうの大好物。なるほど、まだまだ知らない店たくさんあるな。ここ、今度行ってみたい。

いや、しかし今日のところは餃子の名店「ニーハオ」に行くと友達と約束している。もちろんマップにも掲載あり、羽根つき餃子発祥の店ですと書いてある。祝日の12時、本店を覗くも「満席でーす」と即答され、すぐそばの2号店へ入った。タブレットでオーダーしてから提供されるまでの時間がめちゃくちゃ短い。餃子はとりあえず2皿分、薄くエッジの効いた羽根を箸で割るとパリパリいい音がする。餃子は気をつけないと汁が飛ぶため、友達の着てきた素敵なコートをしっかりガードするよう注意する。「水分を守るために野菜は機械で切らずに毎日手作業でカットしています。」by 蒲田餃子めぐりマップ。ますますファンになっちゃうじゃないか。薄めの皮に包まれた、旨いスープをまとった餡が最高。わたしが好きなのは酢胡椒、小皿に酢を入れたらパウダー状の胡椒を鬼振りするのみ。餃子をこの小皿にワンバウンドさせて食べる。無限。もう一皿おかわり。

トマト玉子炒めも回鍋肉もレバニラも五目チャーハンもとっても美味しかった。チャーハンのトッピングにうずらたまごとエビとイカがひとつずつ乗ってるのを見て、夫がお喋りに夢中な我々にカットインしてくる。「大事なことなんだ、見てくれ、これをどう分けるか話し合おうじゃないか。」協議の結果、わたしはエビ担当。めんどくさいんで次回はレタスチャーハンにしよう。

うまいうまいと食べながら、あそこのトンカツが、だの、実家のそばのラーメン屋が、だの、くいしんぼうに際限無い。いつも家でも、ごはん食べながらグルメ番組見て悶絶してるんだけど、それはやっぱりあれですかね、少数派?店を出て腹ごなしにカラオケ4時間歌いまくって、次は季節の梅園散歩にかこつけて、池上の絶品トンカツ食べにいく約束をしたのち解散。

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