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2024早春伊豆旅 伊豆シャボテン動物公園編

夏が終わると「忘年会どうしよっかー」「新年会どうしよっかー」って言い出す私たち。そうだ伊豆高原の虹さんどうだろう、と問い合わせてみたら快く受けてくださった。行きたい人ー、と呼び掛けたら結構な人数になったので、2月と3月の2回に分かれてのツアー。旗振り役を仰せつかったので、特急や普通電車の時刻表調べたりタクシー会社調べたり。でも車で来る家族が2組いたので、伊豆高原駅で待ち合わせて分乗して向かった。改札出てきたMちゃん、ちょっと見ない間にめっちゃ綺麗になっとる・・・他のみんなもすっかりお姉さんになって。「踊り子で来た?」って聞いたら、いや高いから普通で来ました。って。40分の時差を金で埋めずに早起きを選択するのも若さだよな。それにみんなでお喋りしてたら3時間なんてすぐだもんね。

で、どれほど素晴らしい料理だったかはこれの前の日記に書いたので割愛するけど、何が言いたいかっていうと、わざわざ伊豆高原まで来て、しかも連休初日で、やっぱり温泉宿に泊まらずには帰れないでしょうってことですよ。お手頃な宿は早くから予約が埋まっていて、一度いい感じのところ見つけて予約したんだけど、あとから娘も一緒に泊まることになったのに人数増やせなくて、仕方なく別を探した。ルネッサ赤沢っていうコンドミニアムタイプのやつ。ルネッサさんには学生時代から大変お世話になっているよ。仲間ではしゃいでも他の客に迷惑かけないし、ちょっとしたキッチンもあって自炊すれば余計なお金かからないしね。源泉かけ流しっていうのも素晴らしいじゃないか。しかも謎の割引で、結局最初に2人で泊まろうとしてたのとたいして変わらない。ありがたい。

さて初日はランチがメインとして、翌日どうしようか、とグーグルマップで周辺を見るものの、ねこの博物館とか怪しい博物館とか象牙となんやらの博物館とかちょっとピンとこない。だからって河津まで下って桜見ようなんてしたら大渋滞は免れない。そうこうしてるうち大室山の山焼きが久しぶりに行われるという記事を見つけた。しかもどんぴしゃ11日じゃないか。これは見に行きましょう。ついでに近くにある伊豆シャボテン動物公園でも冷やかしましょう。

コンドミニアムの和室で広々一人で眠っていたら、なにやら布団がめっちゃ重くなったので、ありゃなんか来たかしらと思って念仏を唱えてみたら肩から首を掠めて冷気が走って逃げていった。うーん困ったな怖いじゃないかと思ってスマホで動画見て紛らわしてるうちに眠ったらしい。窓にぼそぼそと雨の当たる音で目が醒めた。これは山は燃やせないな。身支度して朝ごはんに向かう。よくある朝食バイキング、夫はいざとなったら外気を吸えるようなポジション確保。納豆の匂いがだめなんだよね。焼き立てのクロワッサンが美味しい。煮物もごはんも一口蕎麦も美味しい。ヨーグルトにラズベリーソース、缶詰の果物、シリアル、これも美味しい。そうこうしてるうちに右隣と背後から納豆攻撃が始まったので、いそいでお茶飲んで退散。チェックアウトぎりぎりまでテレビ見ながらだらけてて、さて行くか、と鍵握りしめて走っていったら入り口で妙齢の女子3人連れに、あ、キタキタといわれる(知り合いじゃないのだが)。時間ありますー?写真撮ってもらえますかー?っていうので、鍵をちゃらつかせて「チェックアウトするとこなんすよ」って言ったのにスマホ渡された。仕方ないのでローアングルから山も入れて看板も入れて本人たちはちっちゃくなったが3枚くらい撮って返却、フロントにダッシュ。無事に手続き終えて車に戻り、さあしゃぼてん公園だ。

ってここまでで字数1500超えるが、ごめん、これは前置きだ。
なにしろすごかったんだ、伊豆しゃぼてん動物公園。

大室山が噴火し流れ出た溶岩が固まったのをそのまま公園にしているこちら、最初は「しゃぼてん公園」だけで「動物」ってのは無かった。しゃぼてんはサボテンのことで、オープンした当時の呼び方がそれだったらしい。広大な園内にアンデスだのメキシコだの、全部で5種類のサボテンワールドが広がっている。和名のつけかたのセンスが絶妙にきな臭い。そして大きくなるまでに相当な年数がかかることを知った。自分とおないどしのやつを見るとなんだか感慨深いものがあるな。そしてサボテンの花があまりにも可憐で驚く。色もポップでキュートなんだね。植え付けてある砂に「誘拐しないでね」の立て札が。そんな悪いやついるのか。可哀想に。

そして動物だが、ちょっとそこらの動物園では見ないような面白いやつがたくさんいる。入り口すぐのところには大きなゲージのなかに立派なインドクジャクが。ゲージにアクリルのパイプがつながっていて、通路で売ってる餌を購入してパイプから落とすと、クジャクがそれを食べるらしい。へー、やってみようかなと財布を出そうとすると娘がちょっと待てという。「この先ものすごくたくさんコレがあるから、推しを選ばないとお金がいくらあっても足りないよ。」そ、そうか・・じゃあクジャクじゃないか(失礼)。
その先にいたのはチンパンジー。アクリル板の向こうとはいえ、めっちゃ距離が近い。そしてなぜか2匹ならんで台の上にひっくり返ってこちらにお尻を向けている。小さいきょうだいを伴った家族連れがおやつに課金。小指の先程のウインナーをパイプに入れ、木の棒で押し込むとチンパンジーがキャッチしてむしゃむしゃしてる。面白いなあ。

ここの名物は温泉に入るカピバラだというので、とりあえずそれを目指す。いたいた、想像の2倍くらいの量がお湯につかって顔半分だけ出してる。お湯の中で口をもぐもぐしてるのは、今日はりんご温泉だからのようだ。小さいやつらは温泉の底に足が着かないので誰かの背に乗ろうとしてる。結構頻繁に小競り合いが起きてるが周りの大きいやつらは知らん顔で目を閉じて気持ち良さそう。もともと、飼育員がこのエリアを清掃するのに温水を使っていたところ、お湯がたまっているところにカピバラが足だのおしりだのを浸して気持ち良さそうにしていたのが始まりなんだそうだ。ここの時間の流れのゆったりしていることよ・・・ずっと見ていられるわ。

でもせっかくなら他の動物にも会わないと。歩いているとレッサーパンダ舎にたどりついて、入ろうとしたらなんか違うやつらが手前に居る。3匹なんだけど、場所取りでがちゃついてる二匹にふんづけられるように1匹が地面にのびている。中身がなくて敷物か?っていうくらいフラットである。顔見たいなあ、ってことで娘課金。おやつの気配に気づいたらそのべったんのびてたのが人が変わったみたいに果敢にパイプに突進してきて大笑い。ボバクマーモットという動物だそうだ。

レッサーパンダはご飯を食べたばかりでのんびり毛づくろい。ぴーんと伸ばした足が面白い。ただ、舎内はめちゃめちゃ臭いがきつくて、なんかこういう動物園の匂いって久しぶりだなーと思いながらマスクした。感染症が流行るようになって常にバッグにマスクが入っているんだが、こんなところでも役立つ。しかしやっぱり距離が近い。お父さんに肩車されたら触れるんじゃないかってくらい。

外にでると小さな扉2枚で仕切られた道があり、そこにウサギのような鹿のようなきょとんとした動物がたくさんいた。マーラというらしい。前足が異様に細い。耳がギザギザしてるやつは誰かに齧られたかな。その先には柵のなかにめっちゃレゲエ感あるヤギがいた。耳が長くて、垂れ下がって地面にこすっちゃうやつは飼育員さんがくるくる巻いて止めてくれている。完全にツインテだ。そしてその隣にはミニホースが。優しそうな目にほだされて課金。200円で10筋くらいの青い草。もうちょっと磨いたらいいよっていう感じの歯をむき出しにして、けっこうな勢いで食べる。なんかかわいいなあ。しかし、もう無いよ、って言ったらあっさり踵を返し、水飲みにいっちゃった。金の切れ目が縁の切れ目、と夫が笑う。

水鳥の広場にやってきた。白黒まだらと赤の差し色のちっさい水鳥が一羽ふらふらしてる。えーとここにも餌があるのかしら?とそれっぽい装置に近づいた。途端に向こうからすさまじい声が聞こえてきて、でっかいアヒルが隊列でやってくる。なかなかの迫力。でも奴らそんなもんじゃなかった。もう少し歩くと更に大きな装置があって「マグナムバケツ」って書いてあり、餌が大量に入ったバケツが収められている。それを覗き込んだ瞬間、20か30かのアヒルが叫びながら突進してきた。小さい女の子が硬直してる。いやこれはトラウマになるやつ。「そういえば宮崎駿の見た?なかなかだよ」と娘。わかったあとで見る。

溶岩の跡が荒々しい斜面にオルテカの巨人やサボテンが一面、そこにラマやヤギ、顔の黒い羊がいた。この世界観すごいな。ヤマアラシにふりむいてほしさに娘課金。背中の長い針をばっさばっさ振りながら投げ込んだおやつを食べていた。私はワタボウシタマリンにちっちゃいミールワームを課金。ピンセットでパイプに入れると細い指で器用に掴んで食べていた。アリクイは動きが独特でユーモラス、夫は威嚇ポーズのぬいぐるみに課金。ピントロングというジャコウネコの仲間の動物は目が美しいブラウンで、娘はりんごのおやつに課金。まじで、気をつけないと財布やばい。

お風呂に入ってないカピバラが散歩してるエリアに入った。この子たちも草を食べるらしい。しゃがみこんで草をあげたら、私の膝に前足を乗っけてきて催促。そこそこの重量感あるぞ。君たちネズミだったよね。足には水かきみたいのもついてる。風呂に入りすぎたのかと思ったら、もともと水辺に暮らしてる動物なんだそうだ。

隔離されてない動物とのふれあいがこんなに楽しいと思わなかった。極めつけは鳥たちのエリア。ふらふら歩いてると後ろから「ちょっとどきな」って怒鳴るように鳴いてくる。あんた道知らないの?案内したるわ、ってかんじで先導する。カメラ構えて、あなたの羽根の色綺麗ねえっていうとドヤ顔でポーズ決めてくれる。間近で見るフラミンゴの鮮やかなコーラルオレンジの美しいことったら。そして4年前に惜しまれてなくなったハシビロコウのビル氏の剥製や追悼メッセージ、献花台を見て胸が熱くなる。

いったいどうしたらこんなにボーダーレスな動物園ができるのか、調べてみたんだけど詳しくはわからなかった。事故など起きてないのかなと思ったら数年前に放し飼いのリスザルが13匹誘拐されたと。やっぱり悪いやつはいるんだな。それでいったんは放し飼いをやめたけど、また細心の注意のもと再開しているそうだ。でも私は残念ながら見かけなかったな。

お土産にサボテンを購入。広い畑から気に入ったのを自分で収穫して、好きな器に活けこんでもらってお持ち帰り。娘のは早速翌日花が咲いたらしい。私のも早く咲かないかな。日向ぼっこさせて写真撮って愛でている。会社に連れて行きたいところだがそれはやめとくか。

ボートで巡るアトラクションに乗りそこねたので、次こそは。また会えるまでみんな元気でね。


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