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新しい風

2024.12.10
少しの隙間時間ができたら樹のマンションの片付けに行こうって気持ちやった ちょっとむきになってたぐらい
煩雑な公的機関での諸々の書類提出、戸籍謄本やら死亡検案書を何回コピーしたかわからん
憔悴してるのになぜか一心不乱の私たち
疲弊に抗うように何かに没頭するしかなかったのかもしれん 樹が感じられるもの全てをクリアにして神聖な更地にしたかったのかもしれん

この日冷蔵庫、洗濯機などの家電を引き取りに来てくれる業者とアポをとる
ボサボサ頭で眼鏡の男性、朗らかに冗談を言いながらローテーブル、お下がりのテレビ台、古いベッドフレーム、衣類の4段ボックスなども買い取ると言う
ふわっと新鮮な風が吹いた気持ちがしてありがたかった 言葉のやり取りが嬉しかった
処分に困る物全部引き取って貰えたこと、煮詰まりに煮詰まったさぞかし酷い顔の私たちに普通の、これまでみたいな普通の会話をして貰えたこと全部が嬉しくて
それだからこそ反面鍵のかかった別の世界にいたことを強く自覚させられる

お昼用に握ったおにぎりに樹の使ってたらしきのりたまふりかけをふって食べる
みかんと小さなゼリーをおやつにして
がらんどうになった部屋でがむしゃらに磨いた床で風を吹き込んでくれたお兄さんを思いながら

ありがとう 少し息ができました