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ロスジェネ世代(1970-1980年代生まれ)の生きづらさ ― それでも前を向くために

アメリカ大統領が決まりました。
相変わらず政治的な手腕に危うさを抱えますが強引とも言える交渉術はアメリカの黄金時代を経験してきたコテコテの商売人なんだな、と思いました。良くも悪くもしばらくこの人が大国を率いていくわけですので、1人でも多くの人が亡くならず、飢えず、寒い思いをせず過ごして欲しいものです。

その世界の一角で、ウダツ(卯建)の上がらないサイコロジスト達が定時を過ぎても病棟のマネージメントや患者さんのケースカンファレンスに明け暮れています。年の頃も40〜50代、時計を見ては「あと10分は議論できる!」とまたディスカッション。勿論、薄給で残業代、退職金もでません。家ではカンカンに怒ったお嫁さんが待っております。それでも患者さんと病院組織のために頑張ります。

そう、私たち、ロストジェネレーション(ロスジェネ世代)は、頑張っても頑張っても自分にOKが出せない稀少な生き物なのです。

就職氷河期、終身雇用の崩壊、そして社会の急速な変化。そんな環境の中で、「自己責任」という言葉と向き合いながら生きてきました。

本記事では、ロスジェネ世代が感じる生きづらさと、それでも私たちが持ち続けている強みについて考えてみたいと思います。

1. ロスジェネ世代とは?

ロスジェネ世代とは、1970年代後半から1980年代に生まれ、1990年代後半から2000年代前半に社会に出た世代です。就職氷河期に直面し、バブル世代が享受してきた豊かさを知らない一方で、上の世代と比較され、結果を求められる環境で生きてきました。

2. ロスジェネ世代の生きづらさとは

ロスジェネ世代が抱える生きづらさは、単なる経済的な不安だけではありません。私たちが感じる生きづらさの要因には、以下のようなものがあります。

① 「正解のない人生」に戸惑う

バブル世代が享受していた「安定」というものが、私たちには当たり前ではありませんでした。「いい大学を出ればいい会社に入れる」という方程式が崩れ、「何をすれば安定できるのか」が分からないまま、模索する日々が続いています。

② 将来に対する漠然とした不安
• 「年金は本当に受け取れるのか?」
• 「80歳まで働かなければならないのでは?」
• 「親の介護、自分の健康、貯蓄は足りるのか?」

③ 周囲からの理解が少ない

バブル世代や団塊世代と比較され、「頑張ればなんとかなる」と言われがちです。しかし、私たちが直面した環境は彼らとは異なります。それでも、社会の価値観の中で「努力不足」と評価されることも少なくありません。

④ 人生のライフイベントの遅れ

厳しい経済状況のため、結婚・出産・住宅購入といった人生の大きなイベントが後回しになり、同世代の中でも格差が広がっています。

3. それでもロスジェネ世代が持っている強み

厳しい環境に適応しながら生き抜いてきたロスジェネ世代ですが、私たちには他の世代にない強みがあります。それは「サバイバル力」です。

① 変化に強い適応力

社会の変化が激しい中、常に新しいスキルを身につけ、自己成長しながら生き抜いてきました。デジタル化への適応や副業の活用など、柔軟な働き方に適応できる力を持っています。

② 目の前のことを一つずつ積み重ねる力

何かを急いで手に入れることよりも、一歩ずつ着実に進むことを大切にしてきました。この力は、キャリアや人間関係において信頼を築く大きな強みです。

③ 自分なりの「幸せ」を見つける力

他の世代と違い、ロスジェネ世代は「自分らしさ」を大切にしながら生きる術を見つけてきました。趣味や人との関わり、働き方など、無理をせず自分のペースで歩むことができる力を持っています。

4. ロスジェネ世代へのエール ― 精神的な豊かさを享受するために

私たちがこれからの人生をより豊かにするために、経済的な合理性にとらわれず、心の豊かさを大切にすることが鍵となります。

① 「好きなこと」に正直になる

経済的な理由からやりたいことを諦めてしまった経験があるかもしれません。しかし、今からでも「好きなこと」を大切にすることで、人生の満足度が大きく変わります。例えば、音楽を聴きながらゆっくりコーヒーを淹れる、お気に入りの本を繰り返し読むといった、小さな楽しみが大きな喜びを生むこともあります。

② 日常の中にある「ほっこり」を見つける

忙しい日々の中でも、ちょっとしたことにこだわることで、気持ちが落ち着き、日常が楽しくなります。例えば、
• パスタのアルデンテにこだわってみる。
• 焼き芋をほくほくに焼く技を極めてみる。
• 入浴剤を選んで、ゆっくりお風呂に浸かる。
• 庭先の植物や盆栽を愛でる。

こうした「ちょっとしたこだわり」が、日々の中にささやかな幸せを運んできます。

③ 自分だけの「特別な時間」を持つ

誰にも邪魔されない、自分だけの時間を大切にすることが、心の安定につながります。たとえば、夜空を眺める時間を作る、手書きの日記をつけてみる、散歩しながら好きな音楽を聴く。こうしたひとときが、心の余裕をもたらします。

④ 無理をしない、でも少しだけ未来に投資する

今を楽しみながらも、ほんの少しだけ未来に向けた準備をすることで、心の安心感が生まれます。例えば、新しい趣味を始める、興味のある分野の勉強をしてみる、そんな「ちょっとした一歩」が、未来につながります。

5. まとめ ― 自分らしい豊かさを見つける

ロスジェネ世代は、長い間つらい思いをして生きて来ました。悔しい思いもしました。ときには鬱(うつ)病を患ったり、その一歩手前の経験をした方もいると思います。

しかし、ロスジェネ世代にしか分からない美的感覚があります。それは魂(たましい)の豊かさです。私たちはお金がないなりに、ささやかな楽しみや精神的な豊かさを頼りに生きて来ました。そして、困難を乗り越えてきた強さを持っています。

この世界に生まれて来たからには、心の充実をさらに追い求め、自分なりの豊かさを追求していくこと、この反骨精神やチャレンジ精神を謳歌できることは私たちの世代の大いなる強みです。

「自分らしく、無理せず、心を豊かにする生き方を…」

好評だったら他の世代についても深掘りしちゃいます。

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