
解体する実家から救出したレコード ⑤小さな恋のメロディ
解体前の実家から持ち帰った、昔のレコードたちです。音源なら今でも手に入りますが、どうしても当時のLPを探し出したく、実家整理の業者さんに無理言って見つけて頂きました。今回は最終回「小さな恋のメロディ」です。
(あくまで個人の感想です。記憶が間違ってたらすみません)
①~④はアニメのサントラでしたが、今回は実写の映画です。1971年のイギリス映画、「小さな恋のメロディ」。とても有名な映画で、内容については語り尽されているので、今回も私の超個人的な思い出を。そう、この映画のヒロイン「メロディ」役のトレイシー・ハイドこそ、私の初恋の人でした。
出会ったころ
私がこの映画を見たのは公開の5年後、小学6年生の時、TVで放映されているのを見たのが最初です。ダンスをするメロディ、金魚が入った瓶を嬉しそうに見つめるメロディ、「可愛い・・」。トレイシー・ハイド演じるメロディの、どこか親しみやすい可憐さに、アニメヲタクだった少年は心惹かれてしまったのです。美しいBGMと共に、私の頭はこの映画で一杯になりました。
「メロディのこと、この映画のことをもっと知りたい!」 私がやったのは映画雑誌のロードショーとスクリーンを毎月買うことでした。「ネットで検索!」など無い時代、ド田舎の小学生が映画の情報を得るには雑誌しかないと思ったのでしょう。そしていつ頃見つけたのか、中学時代の私の生徒手帳には、雑誌から切り抜いたトレイシー・ハイドの写真が挟んでありました。
サントラレコードの思い出
同時に、サントラ盤も手に入れました。今回、40年ぶりに実家から回収したレコードを見ると、電車で1時間以上かかる、遠く離れた街のレコード店の袋に入っていたのです。恐らく地元のレコード店では手に入らず、遠くの街まで行ってようやく手に入れたのでしょう。自分の少年時代のことながら、いじらしく思えてきました(いや、ヲタクの執念だろ?)
「イン・ザ・モーニング」、「メロディ・フェア」、「若葉の頃(First of May)」、映画のシーンと一緒にビー・ジーズの瑞々しいメロディが胸に残ります。そして最後のトロッコのシーン、「ティーチ・ユア・チルドレン」。実はこの曲はビー・ジーズではなくクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング(CSN&Y)の曲でしたが、それこそレコードが擦り切れるほど何度も何度も聴きました。
さらに自分で歌いたくて、わからない英語を一生懸命覚えました。そのせいか、40年以上たった今でも全曲のメロディが頭に浮かびます。きっとヲタクの執念だったのでしょう(この努力を別の方向に使っていれば・・)。それほどトレイシー・ハイドとこの映画は、私の少年時代に大きな影響を与える映画となったのです。

その後、あれれ?
ところが少年の心は移り気なもので、ロードショー、スクリーンの熱心な読者となった私は、紙面を飾る多くの美しい女優さんが気になり始めます。そして高校生になると、私の生徒手帳の写真はいつしかトレイシー・ハイドからソフィー・マルソーへ、そしてフィービー・ケイツへと変わったのです。
同時に、映画雑誌で特集されていたイギリスのポップグループ「ノーランズ」の末っ子であるコリーンに惹かれ、これまた一生懸命レコードを買い漁る始末。まったく、思春期の男ってやつは・・・
今さら振り返ると何とも節操のない話ですが、こんなきっかけで映画雑誌にハマった中高生の私は、いつしか映画と映画音楽に、そして洋楽にハマって行ったのです。そのお話は、また別の機会に書いておこうと思います。