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解体する実家から救出したレコード ④クラッシャージョウ

解体前の実家から持ち帰った、昔のレコードたちです。音源なら今でも手に入りますが、どうしても当時のLPを探し出したく、実家整理の業者さんに無理言って見つけて頂きました。今回は「クラッシャージョウ」です。
(あくまで個人の感想です。記憶が間違ってたらすみません)

クラッシャージョウ。恐らくヤマトや999、ガンダムほど有名ではないけれど、その筋(どの筋?)では熱い支持を受けている作品だと思います。出会いは高校生の時。友人から「これ、絶対面白いから」といって渡されたのが、高千穂遥氏のSF小説「クラッシャージョウ」シリーズの第1作、「連帯惑星ピザンの危機」でした。名前は聞いたことはあるものの、アニメ寄りのヲタクだった私に、小説は縁のないものと思っていました。

ところが読み始めるや、映画さながらの展開にグイグイ引き込まれて行ったのです。一つには、本の挿絵がガンダムで馴染みの安彦良和さんだったのも、頭に映像が浮かびやすい要因だったのかもしれません。聞けば既に第6作まで小説がでているとのこと。さっそく本屋さんに走り、全巻、読み漁ることになりました。

そして高校卒業の春に朗報が。安彦良和第1回監督作品「劇場版 クラッシャージョウ」、完全新作ストーリーで公開! 大学受験を終えた私は、確か2~3回、映画館に足を運んだ記憶があります。映像、ストーリーが良かったのはもちろんですが、その勇壮な音楽に引きつけられた私は、さっそくサントラ盤を買うことになったのです。

交響組曲 クラッシャージョウ

サントラ盤とは言いましたが、私が購入したのは「交響組曲」。サントラの音楽を交響組曲仕立ての楽曲に構成したものです。というか、アルバムのライナーノートによると、BGMを交響組曲に再構成したのではなく、実は先に交響組曲を作って、そこからBGMを切り出したそうです。確かに交響組曲のレコードジャケットの帯に、サントラ盤の発売予告が載っているので、レコードもこの交響組曲が先にリリースされていたようです。

この中で私に突き刺さったのは、まずオープニングの「MAIN TITLE クラッシャージョウのテーマ」。スペースオペラの幕開けにこれほどふさわしい曲はないと思わせるほど、雄大で胸を高鳴らせる楽曲です。

ライナーノートをみると、原作の高千穂さんが作曲の前田憲男さんに「ベンハーに匹敵するような音楽を」とお願いされたとのこと。確かにどこか「ベンハー 序曲」を彷彿とさせるようなイメージもあり、ちょっと説明し難いのですが、「STAW WARS」の音楽のような商業的な曲ではなく、「ベンハー」のような芸術的な要素を感じさせるというか、勝手にそんなイメージを持っている大好きな曲です。

そしてもう1曲、私のお気に入りは「CRUSHERS' THEME 宇宙翔ける者
です。これは戦闘シーンで使われる曲で、勇壮さと雄大さを併せ持ったようなメロディーで、自分の高揚感がどんどん高まっていくのがわかるような、そんな素晴らしい楽曲です。個人的には、これまで聞いてきた様々なサントラ音楽の中で、一番好きな楽曲かもしれません。

作品も音楽も、私の中ではトップクラスのお気に入りであるにも関わらず、ヤマトやガンダム等といった作品に比べてそこまで有名ではないため、その後の人生においては、なかなかこの作品の話題に触れる機会はありませんでした。

それでも2008年に、ハヤカワ文庫から新たな表紙のデザインで既刊が刊行されました。高校時代に購入した本は、既に実家のどこかで朽ちてしまっていたので、40代になっていた私は、再び「連帯惑星ピザンの危機」から嬉々として読みふけることになったのです。

そして公開から40年以上が経ち、還暦迎えた今でも、私のランニングのお供のプレイリストには「MAIN TITLE」と「CRUSHERS' THEME」が名を連ねて、疲労が蓄積してきた身体と心を奮い立たせてくれています。

改めて購入した小説版です


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