教師が不登校の生徒に悩んでいるときに読んでほしい本⑫からかわれやすい子はなぜ、からかわれやすいのでしょうか。
からかわれやすい子はなぜ、からかわれやすいのでしょうか①
このように自分の気持ちを伝えることが苦手な、言語力の高くない子どもが、からかわれた場合どのようなことが起こるでしょうか。
「からかわれやすい子ども」をネットで調べると、
・反応がみんなと違う
・何か言われて怒りすぎる
・反応がない、薄い
などの内容が出てきます。他の項目もありますが、
さきほどから述べているような自分の気持ちを伝えることが苦手な、言語力の高くない子どもがよくあてはまるのです。
何か言われたときにそれを流せずにすぐに反応する子どもがいます。このような子どもは、からかう側にとっては何か言うといつも怒る、というおもしろい反応が得られるので、さらにからかいたくなります。下手をするといじめに発展してしまいます。
このような子どもは、相手がなぜそのようなことを言っているかが分からないのです。相手が言っていることがでたらめであるにも関わらず、それが事実かのように感じてしまって、流すことができないのです。自分が意図的に嫌な気持ちなっていること、嫌な気持ちにさせられていることが理解できないのです。
ここまでのことはなくても、自分の気持ちを自分で分かっていない、あるいは伝えるのが苦手という状態は、色々と生活に支障が出るものです。自分の気持ちが分かっていないと、相手の意見に反応できないです。このような精神状態が、結果として「反応が薄い、みんなの話がわからない、空気が読めない、反応がない、何を考えているかわからない」と言う現象として表面化するのです。
自分の気持ちが分からないのだから、他人の気持ちはもっと分からないのです。だから、このような子どもがトラブルを起こしたときに先生は「他の人の気持ちを考えよう」などといっても、意味がないでしょう。他人の気持ちを考えられる力があれば、そもそもトラブルにつながるような発言はしないのです。
そして、今現在の子どもを取り巻く環境では、携帯やゲームなどデジタル機器に接する機会が増えた分、直接気持ちをぶつけ合うような機会が減少しています。だから、言語力やコミュニケーション能力が発達する機会も減少しています。このような子どもが増えている実感が教育現場にはあります。