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子供は自分のコピーにはならない。

不登校長男のもとに担任の先生が訪ねて来た。

先生にこんな表現はどうかと思うけど、人懐こいっていうか、かしこまらないから話しやすい。

母親のわたしと長男と先生の3人で話す。そのとき、長男はあまり口数は多くない。

先生は、部活においでよ。修学旅行はいけるかな?と次々と話しかける。長男は、答えにくそう…わたしは、彼のとてもゆっくりな成長を話す。先生は笑顔のまま、

「きっと◯◯くんのやりたいことはみつかるよ」

と、言ってくださった。

その場では何気ない言葉に受け止めた、けれど、先生と別れた後、わたし自身の、中学校からの事を思い返していた。

長男は、絵が上手い。見たものをコピーして描く。絵に関してはきっちり描く。英語の発音がやたら上手い。小さい頃から耳コピがかなり正確。

わたし自身、英語は得意だと思って外国語を扱う大学へ進学したが、中学校からずっと発音に自信がなく話せなかった。英文を読むのは好きだったが、英会話のテンション高めの先生は苦手だった。

絵は好きだったが中学校に美術部がなかった。長男は美術部があって、かなり羨ましい。

でも、長男は、部活も行ってないんだよね…

わたしは長男が羨ましい。なんだか羨ましい。

わたしの、かつて叶えたかった事を叶えているようで。羨ましかった。わたしは彼を、自分に重ねすぎた。さらにわたしのできなかった部分をやってほしかったんだ。

しかし彼はそんな事は望んでいないよ…

そうなんだ。彼は彼の道を見つけるべき。それを邪魔する思考は?

年齢からは反抗期。しかし特に反発するほどではない。でも賛同しない。そんな状況の彼は…

自分の表現に困っているのかもしれない。

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