見出し画像

肉まんと豚まん

今では何の抵抗もなく「肉まん下さい」と言って買いに行くが、上京した頃は「肉まん」と言う言葉に少なからず戸惑っていた。

それは東京の中華まんには豚肉ではなく牛肉が入っているのかと思ったが
食べてみると同じ豚肉だったからである。

なぜなら神戸(関西)では肉と言えば牛肉を指すため、豚肉を使う中華まんは「肉まん」ではなく「豚まん」と呼んでいた。

それはお好み焼きでも同じことで単に「肉」と注文すれば牛肉のお好み焼きが出てくるので、豚肉のお好み焼きを頼みたい時は「豚肉で」と断わりを入れる。

また関西の肉じゃがは100%牛肉を使うが、東京では豚肉も「肉じゃが」として普通に使われているようだ。

この違いは兵庫県が三田牛やKOBE Beefで有名な産地であり、地元では昔から豚肉より牛肉が当たり前のように食べられてきたからではないだろうか。

とは言え当時一般家庭で分厚いステーキを食べることは先ずなく、せいぜいスキ焼が一番のご馳走だったように思う。

                     イラスト(粘土・アクリル)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?