幾田りら"Answer" 1st ALBUM Sketchに秘めた想い
幾田りらさんの1st ALBUM『Sketch』が届いた。収録曲のAnswerが苦悩と前進の物語だと知る。
発売日一日前に、この初回生産限定盤が届くこのプレミア感。この盤にはBlu-rayが付いていて、昨年11月放送された「MTV Unplugged: Lilas Ikuta」が収録されていた。最後の曲は「Answer」。
彼女はラジオでこの曲がすべてを出し切った曲だと言っていたが、いままで正直それほどの思い入れを感じられなかった。それが分かったのだ。このBlu-rayを最後まで見て良かった。
MVのラスト近く、この曲の前で長めのMCが入る。
YOASOBIの「優しい彗星」での溢れる情感や、ソロではスパークルなどで繊細な表現を自在に操る印象の幾田りら。順風満帆に見えて数々の壁にぶつかってきたそうだ。デビュー前の下積み時代から、デビュー後の完璧を求めるばかりの重圧。YOASOBIでの活躍、突如のインスタライブなど何事も器用そうな彼女が、こんなに悩んでいたなんて誰が知るだろうか。
大事なライブの朝、鏡を見ながら不安に潰されそうになる。そんなとき、完璧じゃなくてもいいんだ、という思いにたどりつきプレッシャーから解放される。これからも壁にぶつかるだろうが、完璧な必要はない。内なる思いが湧き上がるのにまかせて、動き出せば良い。こんな風に思えたそうだ。
(追記:この大きなライブがNHK紅白だったとは。角川ミュージアムで「夜に駈ける」を歌った名場面を思い出す。テレビ初歌唱だったらしい。3/8 SONGS+PLUSより)
語りが終わって始まるのがこの曲「Answer」。歌詞の意味がよくわかる。苦悩をぶつけた曲だったのだ。歌唱に熱が入り、いつも以上に気持ちが伝わってくる。まだ大学生のシンガーソングラーターが運命に翻弄されて、冷静でいられるわけがない。特別な人間ではなかったのだ。
この曲に込められた思いを聞けただけで、この盤を買って良かった。繊細な表現力で人を引きつける裏には、枕を濡らした夜もあったのだ。
このCDには、私の大好きなスパークルやレンズも含まれている、初収録のオリジナル曲もうれしい。CDのみの通常版と迷っている方がいたら、ぜひ初回限定盤を手に取られることをおすすめする。売り切れる前にお早めに。