【シンクロ】
「みんな適度にお昼休憩してね♡
頼んでおいたお弁当、届いてるからね!」
ようこさんの声がけで、手の空いた人から、
お昼ご飯を食べることになった。
「ななちゃん達、一緒に食べよ♪」
さきが、私とりくに、声をかけてくれた。
「うんうん!一緒に食べよう!」
「けっこう人来てるねー!大盛況!」
「ほんとだねぇ。相変わらず、ようこさんの企画は、"当たる"ね。」
「さき。俺らの弁当こっち。
ななちゃんと、りく君の分も貰って來てるから」
けい君が、声をかけてくれた。
「けい君、ありがとう!」
わたしのお弁当が入った袋を受け取った。
「あれ??
わたしの頼んだサンドイッチが入ってない笑。
飲み物や、スープは入ってるのに。」
「ぼくも、飲み物が入ってないです。笑」
りゅうのすけ君が、続いた。
「姉ちゃん、珍しいね。オマケが付く事はあっても、"ない"コトって、めったにないのに。笑」
そう。私は基本的に、"運が良い"。
オマケが付く事はあっても、"ない"ってコトは、今までの人生でほとんどない。
(珍しい事もあるもんだ。。)
「ななさん、ぼく、入ってなかった飲み物、お店に取りに行くので、一緒にもらってきましょうか?」
「りゅうのすけ君、ありがとう!
でも、私も一緒に行くよ!メインが入ってないって、面白すぎるから。笑」
りゅうのすけ君と一緒に、お店に取りに行く事になった。
「りゅうのすけ君って、転職して東京に來たの?」
「そうです!ずっとテニスをしてて、テニス関係の仕事をしてたんですけど、昔、肘を痛めたのもあって、続けるのが厳しくなってしまって。。」
「そうだったんだね。それは、大変だったね。。今は、営業、なんだよね?」
「そうなんですよ!
特にやりたい業種じゃなかったんですけど、
人は好きだし、人事からも、"営業向いてそう"って言われて。笑」
「そかそか!まぁ、こういうイベント手伝いに來るくらいだもんね。笑」
「実は、実家で、ネコ飼ってるんです。
自然も動物も好きで、興味はあったんですけど、こういうのに、男1人で参加するのは、気恥ずかしくて笑。けいさんに誘ってもらえて、本当、良かったです!」
「なるほどねぇ。それは良かったね!
ところで、、けい君って、職場でどんな人?
けい君が営業って、あまりイメージつかなくて。
人と積極的に関わるタイプじゃなさそうだし笑」
「けいさん、めちゃくちゃ成績いいですよ!
けいさんから、グイグイいく訳じゃないんですけど、お客さんはみんな、けいさんが好きです。
信頼も厚いです!
人の氣持ちを汲み取るのが上手ですからね!
みんな、けいさんに心掴まれてますよ笑。」
「それは、分かる氣がするわ。笑」
そんな話をしている間に、お店に着き、
忘れられたサンドイッチとドリンクを受け取った。お店の人が、申し訳なさそうに、"クッキー"をオマケしてくれた。
「なんか、結局、ラッキーだったね♡
午後もがんばろうね!」
そう言って、りゅうのすけ君と別れた後、
ふと、
(あれ?私、初対面の男の子と普通に話せたな。。全く氣疲れしてないや。。)
HSP気質のわたしは、基本的に誰といても疲れる。
疲れないのは、親友の"なおちゃん"と"いと"だけ。
特に、男性に対しては苦手意識もあって、彼氏でさえ、氣疲れする対象だった。
(男の人で、こんなに違和感なく話せたのは、
初めてだな。。)
(不思議な子。。)
そして、イベントが終わったとき、
わたしとりゅうのすけ君は、2人して、携帯をなくしていた。笑
結局、見つかったんだけど。。
「2人とも、シンクロしすぎでしょ。笑」
そう言って、けい君が、笑っていた。
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