夏越しの大祓
ボンチノタミ、ジョーカーです。
6月30日。今年も半分が終わります。
夏越しの大祓の日です。
わたしは幼少期から、通っていた保育園の関係で神事とはそれなりに縁のある生活をしていました。この時期になると茅の輪くぐりをしたのを覚えています。
とはいえ、きちんと夏越しの祓えを意識したことはなく、漫画『ぎんぎつね』で読んでから、一度は参加してみたいなあと思っておりました。
(『ぎんぎつね』は落合さよりさんによる神社の一人娘と神使のきつねを中心としたハートフルで青春で神社な漫画です。めっちゃ好きです。)
というわけで、今年は行ってきました。
わたしの大好きな武田神社の夏越しの大祓にね!
夏越しの大祓とは?
年に2回おこなわれる『大祓』のひとつ
夏越祓(なこしのはらえ、なごしのはらえ)などと言いますね。
毎年6月30日に神社でおこなわれる行事です。
神社では年に2回、大祓と呼ばれる行事があり、ひとつがこの夏越祓、そしてもうひとつが大晦日におこなわれる年越祓(としこしはらえ、としこしのはらえ)といいます。
夏越祓は1月~6月の半年間の穢れを祓い、これから来る夏の厄災を退け、健やかに夏を越していく、といった内容の行事です。
年越祓は残りの半年、7月~12月の穢れを祓って新しい年を迎える、といった内容のもの。
半年に1回、罪や穢れを祓って綺麗な身体にする、禊の行事ってことですね。
一応、神社の方に聞いてみたところ「夏越祓に参加したら必ず年越祓にも参加しないといけない」ということはないそうです。
もちろん、神事として半年に一度穢れを祓うためにおこなっているものですから両方参加するに越したことはないのですが、例えば「片見月」(十五夜と十三夜どちらか片方だけ月見をするのは縁起が悪い、といういわれがあります)のように、どちらかだけをおこなうと縁起が悪いとか、そういうことはないそう。
わたし自身、この半年間は会社を辞めたり新しいことを始めたりといろいろあったので、溜まった穢れや疲れなんかを綺麗にして夏からも頑張りたいな~という思いもあり、ふわっとした感じで参加してみたので、ちょっとほっとしました。
いつも思うけど、神社とか神様って懐が深いよね。
茅の輪くぐり
夏越祓でいちばん有名なのがこの『茅の輪くぐり』だと思います。
この時期になると神社に現れる、大きな輪っか。文字通り、茅で作られた輪です。
この輪をくぐることで、穢れを祓って夏の厄災を退けることができるんですね。
よく言われるのは「茅の輪をくぐるときは8の字」というのと「水無月の 夏越祓する人は 千年の命 延ぶというなり」という歌を唱えながらくぐる、という作法。
8の字というのは、茅の輪をくぐったらまずは左側をぐるっと回って戻り、次は右側、もう一度左側、と8の字を描くようにくぐるというもの。
歌は、無病息災や長寿の願いが込められた内容です。
この時期、大体どこの神社にも置いてあるので、わりと誰でもできます。
人形
もうひとつ有名なのが「人形に穢れを移す」というやつですね。
人形に名前を書いて身体を撫で、息を吹きかけることで自身の穢れを移します。それを水に流したり、お焚き上げしたりすることで自身の穢れを祓います。
こちらは初穂料が必要になるところが多いと思います。
やってみたい、という方は神社で聞いてみてください。
武田神社の夏越しの大祓
さて、そんなわけで、前置きが長くなりましたが、実際に大祓に参加してきたお話です。
受付
受付用のテントがあったので、まずはそちらへ。
ここで「大祓に参加したいのですが、初穂料は……」と伺うと「お気持ちをいただいております」というお答え。
え!? まじで!?
というわけで、事前に調べた感じだと相場は500~3,000円くらいとあり、そのくらいのつもりで来ていたので、2,000円収めることにしました。
申し込みの際に渡されたのはこちら。
申込用紙と、人形とそれを入れる袋です。
申込用紙と袋に必要事項を記入し、人形には自分の名前・年齢・生年月日を書きます。
その人形で身体を撫で、袋に入れたら申込用紙と初穂料と一緒にお渡しします。
「このあと15時から開始となりますので境内か控室でお待ちください」と言われ、神事の際に使うものなどを渡されました。
(ちなみにこのとき14時40分くらい。受付後、お参りをして境内をウロウロしながらツイートしてました。)
もらったのはこちら。
いちばん右側の謎の袋には何やら細かい紙切れのようなものが入っています。
真ん中は、茅の輪をくぐるときに唱える歌。3つもある!
前述した2回目の歌は知っていますが、どうやら3回くぐりながらそれぞれ別々の歌を唱えるようです。
そして引換券。終わったあとに御札を受け取るのに必要ですと言われました。
プレハブの控室もありましたが、わたしは境内を散策して時間を待ちました。
14時50分ごろ、神主さんが「受付がお済みの方は集まってくださ~い」との声掛け。間もなく、神事が始まります。ちょっと雨がポツポツ降り始めました。
切幣を分かつ
まず最初に、宮司さんや神主さんたちが入場し、それから切幣の配布が始まりました。
といっても、受付でもらった袋のことだったので、みんな持っています。中には切幣という、麻と半紙を切ったものが入っていたのでした。
受付でお渡ししましたが持っていない人いますか~みたいな感じで確認されて、大体みんな持っていたのでそのまま神事が進みます。
大祓詞奏上
次に、神主さんが大祓詞を奏上します。
読み上げている間、わたしたちは頭を下げて待ちます。
「タカマガノハラ」とか「アシハラ」「ミズホ」「ヤスクニ」「アマノイワト」とか、日本神話で聞いたような単語がちらほら聞き取れるんですが、何を言っているかはよくわからず。
神話時代からの罪や穢れの話かな? と思いつつ聞いていたのですが、神事のあと、神主さんに内容をお聞きすることができました。
「大祓詞って、どんな内容なんですか?」と聞いたところ「簡単に言うと、人の持つ多くの罪を順番に祓っていく物語になっているんですよ」と教えてくれました。
「キリスト教なんかにもあるでしょう、人の追う罪とか、そういうの。七つの大罪とか、そういうの聞いたことありませんか? そういった罪を、順に祓っていく様子を物語にしてあるんですよ」
へぇ~! そうなんだ!!
今度その内容についても調べてみたいですね。
自祓い
「じばらい」と聞こえたんですが、漢字はこれでいいのかな? 自分で祓う、という意味かな、と思ったんですが。それとも『地祓い』かな?
やることは簡単です。
先程の切幣を、袋から出して自分にかけていくだけ。
「右、左、右……という順で、肩からかけてください」と言われました。
ちょっと雨が強くなってきていたので、傘を差しながらかけるのは大変でしたが、無事、かけることができました。
細かく切った半紙と麻が肩に乗っています。
足元にもいっぱい散らばっています。
八針神事
やはりしんじ、と読みます。
この八針神事、神主さんが紙のようなものをビリビリと裂いているのが見えました。
一体なんなんだ? と思っていたんですが、大祓詞について聞いた際に神主さんがこちらについても説明してくれました。
「(大祓詞について話してくれたあと)やはり神事、というのがあったでしょう? あれは、八の針と書くんです。紙を裂いているのは、8つの罪を裂く、ということなんですよ」
「針っていうのが罪ということですか?」
「はい。大祓詞の中で言っている8つの罪を、ああやって裂くんですよ」
「はぇ~」
素人にもわかるようにめちゃくちゃ簡単にして教えてくれる神主さん、本当にありがたかったです。お忙しい中、ありがとうございました。
やはり神事の漢字も聞かなきゃ全然わからなかったよ!
大幣神事
そしてここで神社っぽいものが登場します。大幣です。
バッサバッサするやつですね。
バッサバッサしてくれます。
唐櫃人形撤収
唐櫃にわたしたちが名前を書いた人形を収めていきます。
この唐櫃を背負った神主さんが先頭となり、いよいよ参加者全員での茅の輪くぐりが始まります。
茅の輪くぐり
人形を収めた唐櫃を先頭に、茅の輪をくぐっていきます。
神主さんの声に合わせて歌を唱えながら、前述したように大きく8の字を描くように3回くぐります。
1回目の歌(くぐって左側をまわる)
「思ふ事 皆つきねとて 麻の葉を きりにきりても 袚ひつるかな」
2回目の歌(くぐって右側を回る)
「みな月の なごしの袚 する人は 千年の命 のぶと云ふなり」
3回目の歌(くぐって左側を回る)
「宮川の 清き流れに 禊せば 祈れる事の 叶はぬはなし」
3回くぐったあとは元の場所に戻り、全員で3つの歌をもう一度唱えたあと、宮司さんからのご挨拶があって神事は終了となりました。
全部で大体40分~45分程度。
終了後は引換券を持って受付へ向かいます。
御札とおさがり
引換券を持っていくと、武田神社参拝記念と書かれたビニール袋をくれました。
御札がもらえると聞いていたのですが、ちょっと重くて、何か他にも入っているみたい。おさがりかな? なんだろう。
御札とお米と御神酒でした!
このお米は後日、おうちでご飯を炊くときに一緒に炊いて美味しくいただこうと思います。
御神酒は太冠の瓶が入っていました。重かったのはこれか。
というわけで、武田神社で夏越しの大祓えに参加してまいりました!
皆さん、大祓のあとにお参りしていたんですが、わたしは先にお参りしていたので、拝殿にお辞儀してお礼を言って帰ってきました。
半年間の穢れを祓って、元気に夏を越して、今年の下半期も健やかに過ごせたらいいな~。
武田神社の皆さま、ありがとうございました!