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卵巣嚢腫【画像あり】摘出手術〜再発する11年間のすべて


2023年5月。
ものすごい腹痛が起こりCTを撮ったところ「お腹の中に何かよくわからない丸いものがある」と言われました。

▽お腹の中央に見える黒い丸いものですね。

卵巣嚢腫、再発。茎捻転を起こしたけど戻った?経験談

これだけでピンときた人もいるかもしれませんが、この丸いのは卵巣嚢腫で、先日の激痛はもしかして茎捻転※だった?と思い始めているのです。
※卵巣にできた嚢腫などがねじれること

▽ちなみに激痛の詳細記事です。


総合病院でのCTから1週間。産婦人科に回してもらってエコーしたところ、『卵巣嚢腫』に確定。

激痛の原因も、〈茎捻転(ねじれたけど多分戻った)〉または〈嚢腫が一部破裂して出血?〉が原因と思われるとのこと。

ちなみに激痛の渦中での血液検査では炎症数値(白血球数)が強く出たのですが、こういうストレスがかかったときに、どちらの場合でも炎症は起こるそうです。


私は21歳のとき、卵巣嚢腫の摘出手術をしました。

それから十数年。再発したということになります。
そこでここで一回私の卵巣嚢腫との付き合いを経験談としてまとめようと思います。

※”再発”という言葉を使ってしまいましたが、卵巣嚢腫がまた出来ても、”再発”とは表現しないそうです。爪が生えるのと一緒な感じで、また卵巣嚢腫が生えてきた、みたいな感じでしょうか。(この記事では分かりやすいために再発という表現をいたします。)



私の最初の卵巣嚢腫は「皮様嚢腫(ひようのうしゅ)」

まず素人が卵巣嚢腫について簡単にまとめます。
卵巣嚢腫とは卵巣に何か袋状のものができてしまったもので、脳腫の種類には次の4種類があります。

1. 漿液性嚢胞腺腫:さらさらの液体が溜まった腫瘍
2. 粘液性嚢胞腺腫:粘液が溜まった腫瘍
3. 成熟嚢胞性奇形腫 (皮様嚢腫):脂肪、髪の毛、歯などが溜まった腫瘍
4.子宮内膜症性卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫):血液などが溜まっている腫瘍

https://www.akiko-fujinka-clinic.com/gynecology/benign-ovarian-tumor/


私が21歳のとき(2012年)に見つかったのは3の「皮様嚢腫」でした。

嚢腫が見つかったきっかけは、PMSがひどくてはじめて産婦人科を受診したことでした。
初診の経膣エコーで両側の卵巣に見つかり、大きさが茎捻転しやすい6センチくらいあったのですぐ手術の話が出されました。

そのとき卵巣嚢腫の痛みなどは全くなく、完全に無自覚でしたね。
(もかするとPMSや便秘の原因にはなっていたかもしれませんが…)

当時私は学生だったので、そして無知だったので、私の中にいる奇妙な存在の面白さや、初めての手術というものにちょっとテンションが上がったり、一方で将来の妊娠とか未来の不確実さにうろたえて号泣したりしていました。

▽当時の卵巣嚢腫(皮様嚢腫)のMRI写真
このMRIの画像は、入院する大きい病院に転院になるときに、渡されたMRIの画像(シート?)を窓に透かして自分で撮ってみたものです。
画像の中で細い線でばってんが付けられている部分が卵巣嚢腫。両側の卵巣に一個ずつ、計2個あります。


片方(画像1枚目の左側)は嚢腫が二重丸みたいに見え、もう一つはプレーンな感じ。どちらかは皮様嚢腫でしたが、もう一つが皮様嚢腫だったかは忘れてしまいました…。



卵巣嚢腫の摘出手術と結果

皮様嚢腫が見つかってから3ヶ月後くらいに手術しました。
手術は全身麻酔で腹腔鏡手術、入院は1週間弱だったと思います。

手術の結果、卵巣嚢腫は両側とも取れて、卵巣も全部ではないものの残してもらえました。

(※次の次に摘出した卵巣嚢腫の画像が出てきます。モザイクをかけていますが苦手な方はサッと閉じてください)

△術後はいろんなチューブが体についていました。


▽取った皮様嚢腫。

掃除してないお風呂場の排水溝みたい。

取った皮様嚢腫は組織検査の結果も良性でした。


余談ですが、私が手術を受けた病院(NTT札幌病院)の内診台が、お尻が高く上がらないタイプ(カーテンなし)だったのがすごく感動しました。全部の産婦人科にあの内診台が普及してほしいなぁ!と思いましたが、残念ながら、10年間あのタイプの内診台には出会えていません🥲


手術後の経過(傷の様子)

手術前には、キズは4箇所と聞いていたのですが、終わってみると3箇所でした。
おへその中&おへその左側に小さな穴が1つずつ、そしておまたの少し上に4センチくらいの傷です。

▽術後1周間以内くらいの様子

傷には、傷跡を目立たなくするようにするテープが貼ってあります。

恥骨の少し上にある1番大きなキズは、何年かは茶色く少し固い感じがして分かりやすかったですが、陰毛が元に戻ってくると毛に埋もれて目立たなくなりました。

▽現在(11年後)の様子

腹腔鏡手術の傷跡(11年後)/卵巣嚢腫/経験談
矢印の先が傷跡。毛が剃りきれず見苦しくてすみません…


今では、特におなかの左側の小さいキズは探さないと傷跡はほとんど分かりません。おへその傷も特に見えません。

恥骨の上の傷も、Vラインを脱毛したいのでなければ気にならないと思います。


癒着はある?

癒着はあるようなないような感じです。
医師に確認したわけではないのではっきりは分からないのですが、日常生活支障なく送れています。

まれに、ぴりっと引きつるような軽い痛みを、右側の下腹部に感じることがありました。便秘とかでキズが引き伸ばされていたのかな、とか思っていました。
虫垂炎の場所にも近かったのですが、虫垂炎を直した後もたまに引きつる痛みはあったので、癒着だったのかもしれません。

疲れたりストレスを感じたときに痛みでそっとサインを送ってくれる存在になっています。


妊娠への影響

結論を先に言うと、妊娠して出産することができました。自然妊娠です。

結婚して妊娠を希望するようになって、AMH(卵巣予備能/あとどのくらい卵子が残っているかどうか)を測定してみたのですが、卵巣嚢腫を取って卵巣が削れてしまった私のAMHはやはり低くなっていました。
28歳でしたが結果は45歳くらい。

AMHが意味するのは〈卵子の在庫数〉なので、卵子が古くなったわけではないのですが、やっぱりちょっと焦り始めてしまいましたね。

21歳のときの卵巣嚢腫の手術をしてくれた医師が、
卵巣は皮1枚あれば妊娠できる(卵巣嚢腫の手術で卵巣が削れてしまったとしても大丈夫)」と言っていたのですが、本当でした。
卵巣すごいな〜。

妊娠への影響としては、卵巣嚢腫を取ったことよりも、手術後5年以上経ってから見つかったPCOSの方があったかもしれませんが、どちらにしろ私の場合は、本格的に不妊治療をするほどではありませんでした。





卵巣嚢腫の”再発”はいつから?

手術からその後の10年数間。
いろんな産婦人科で見てもらう度に「ある」と「ない」を行き来しました
最近は途中でどっちと言われたか忘れて曖昧になり、自分に都合よく「卵巣嚢腫は多分ないだろう」とぼんやりと思っていました。

またできた?無くなった?ブレる診断

2012年秋に皮様嚢腫を取り、その後の詳細を次に時系列で書いていきます。
細かすぎるので飛ばしてもらって構いません。
検査の方法はすべてエコーのみでした。

・2015年:卵巣嚢腫ある
東京で働いていた頃、慣れない環境もあってか「肋間神経痛」になり内科を受診。レントゲンを受けたところ「右の下腹部に石灰化したものが見えますね…」と言われ、私は「あぁ、皮様嚢腫が再発したか」と思いました。
産婦人科にも行って診てもらうと、「右側だけ、2cmの卵巣嚢腫があるね」とのこと。
当時精神的にもボロボロだったのもあり、絶望したり、結婚や妊娠のリミットや焦りで頭がいっぱいになってしまいました。

・2017年:卵巣嚢腫ない
北海道の牧場で働いている頃、産婦人科に卵巣嚢腫の様子を診てもらうと「ないですよ。生理的になるものでしょう」
私は、嬉しくて「体が健康になったんだ!!」と喜びました。

・2018年:卵巣嚢腫ない
生理不順に気づいて産婦人科を受診すると、PCOSと指摘されましたが、「卵巣嚢腫は無いですね」とのこと。

・2019年:卵巣嚢腫ある
結婚後、不妊外来で「2cmの嚢腫がありますね、多分皮様嚢腫です」と言われました。

・2019年②:卵巣嚢腫ない
2ヶ月後、妊娠が分かって、産科に転院して卵巣嚢腫を診てもらうと、また「(卵巣嚢腫は)無いですね」と言われました。

・2021年?:卵巣嚢腫ない
産後はじめてのエコー検査を、市の子宮頸がん検診のときにやってもらい、「ちょっと腫れは見られるけれど卵巣嚢腫ではないと思いますよ」とのこと。

・2023年:再発確定
前述の通り、激痛を起こし、CT画像と経膣エコーにより、ほぼ皮様嚢腫で良性の約7センチが確認されました。


なんでこんなに診断が変わるんだ

卵巣嚢腫があるって言われたり、言われなくなったり…。その理由が分かってきました。

私は今まで〈卵巣嚢腫〉と〈卵巣が生理的に大きくなっている状態〉を明確に理解していませんでした。分かりやすい文章を見つけたので引用します。

“卵巣は、健常な成人女性においても、月経周期の中で、様々な大きさや形状に変化します。 このため、健診などで卵巣が腫れていると指摘されて来院される方もいらっしゃいますが、全ての方が、卵巣腫瘍であるとは限りません。問題ない方でも、一時的に卵巣が腫大することがあります。”

卵巣のう腫(卵巣腫大、卵巣腫瘍)|https://yotsuha-clinic.com/medical/medical06.html


2センチくらいの嚢胞だと、〈卵巣嚢腫〉か〈卵巣が生理的に大きくなっている状態〉かを判断することは医師でも難しいのでしょうね
(CTやMRIを撮れば分かるのかもしれませんが…)

これを頭に入れて私の記録を振り返ると、どれも診断がブレやすい2センチくらいだったのですね。


皮様嚢腫ができてしまった原因がもしあるならば

皮様嚢腫の原因は不明と言われています。
でも卵細胞がこんな感じで、髪とか油とか歯とか皮膚関係の組織に分化したということは、何か私に普通じゃない状態だった、と大袈裟に考えた方がいいのではないかと思います。

原因不明をなんでもストレスでまとめてしまうのは賛否両論ありそうですが、私のこの時の卵巣嚢腫はストレスの影響が大きそうかなと思います。

ちなみに、私は子供の頃から「よく食べる子」だったのですが、卵巣嚢腫がはじめて見つかった21歳の頃には「過食」レベルになっていました。過食嘔吐もしていました。私は当時外見はそんなに肥満ではなかったため、幸か不幸か誰かに心配されることもないままに…。
(普通の人…ストレスが少ない“健康な”人は、吐くまで食べないと、5年ぐらい経ってから知りました。)

過食はすごく体に悪いです。
その体への負担がどこかに現れるとき、私はたまたま卵巣嚢腫だったんだと思います。

ストレスがなかったとしても、遺伝子の由来で卵巣嚢腫はできていたかもしれません。でも、ストレスがなかったらこんなに大きくならなかったかもしれないんじゃないかな?…と思えてしまうのです。

ちなみにちなみに、卵巣嚢腫(皮様嚢腫)ができるまでの機構を、ストレス&過食と関連づけて私が勝手にイメージしてみたのが次のものです。

[ストレス→過食→血糖値急上昇→インスリン抵抗性ができる→ホルモン系統がオス化→成長ホルモンの分泌→卵巣が異常に分化→卵巣嚢腫(皮様嚢腫)ができる]



また卵巣嚢腫の手術になった

やっと現在に戻ってきました。結論としては、私の中には皮様嚢腫が10年弱くらいいたようです。7センチあったので今度手術することになりました。

▽今後については次の記事に続きます。





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