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弟が料理を褒めない
(約1,000字)
友達に弟のことを伝えたら、弟のことを書きたくなりました。
了承を得ていませんが、勝手に記事にしても怒らないと信じて、こっそり書いてみます。
以前もほんの少し、家族の話で触れました。
私は三人きょうだいの長女ですが、弟と妹から「お姉ちゃん」と呼ばれた経験がありません。一番、人間が出来ていなかったからです。
子どものときは、おやつに一番最初にケーキを選ばせてもらったし、夏休みの宿題の工作は弟や親が作ってくれました。
勉強を手伝ったことはありますが、すぐに私の脳みそを必要とされなくなりました。
弟も妹も生きるのが上手く、姉の私を見て、生きる術を学んでいました。
ふたりとも要領が良かったのです。
私は今でこそ、仕事でも家事でも頼ってもらえるようになりましたが、成人するまではまるっきりダメな存在でした。
両親は三人きょうだいで、私が一番心配と言います。
弟は高校一年、私が高校三年の秋に、実家を出て、2人暮らしを始めました。
弟の大学進学のために市街地で暮らしました。
私はおまけでした。
ご飯を作るのは、弟の方が上手でした。
弟は関東圏の大学に進学し、私は妹と暮らし始めました。
数年後、私は一旦、実家に戻り、妹は一人暮らしを始めました。
弟は大学生時代に、一人暮らしで料理の腕をあげ、料亭でアルバイトをしていた友人と美味しい料理を食べていました。
静岡に戻ってくると、関東圏で見つけた同じ大学の彼女と、すぐに結婚しました。
今は、高校生の子供がいる二児のお父さんです。
営業の仕事に明け暮れ、共働きで、食事は弟担当の日々です。
仕事柄、インスタグラムに料理をアップします。
実家に帰っているとき、弟の子ども(姪っ子)にお昼ご飯を振る舞いました。
家であまり食べないこともある姪っ子が、私が作る料理をお代わりして食べます。
大人の精神を持ち合わせる弟。
少し拗ねます。
私の料理を、無言で平らげます。
「おいしいは?」と私が謝意の辞を催促すると、しれっとした表情で帰り支度を始めます。
帰宅して数時間たったころ、
LINEで、「ご飯、美味しかったよ」と
好きな漫画家のキャラクターで
サンキュースタンプを送ってきます。
子どもの一番でありたいお父さんである弟が、
子どもの前では私に美味しい、を告げない。
そんな意地をみせるところ、
私が敗北宣言する弟のよいところ、
全部が、
若いときに作ってくれた
チャーハンを思いださせる。
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築地、だけど静岡のお店