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「同じ穴の狢」

              (約490字)

私は、狢(むじな)と狸(たぬき)は同じ動物かと思っていました。

日本昔話などの物語では、狸が悪事を働いてみたり、ヒトを化かす動物として信じられてきたからです。

狢というと、今ではアナグマのことを指しますが、昔は狢と狸の区別をされていなくて、
狸を狢と呼ぶひともいました。

私には、狸も狢もよく似ていて、悪いことを
穴の中で企む者同士、仲良くしているのではないかと想像します。

「同じ穴の狢(むじな)」

一見関係ないようでも、実は悪い仲間

という意味です。
類義語で「ひとつ穴の狐」とも、言われます。

同じ考え方をする者同士は、仲がいいものです。

自分が悪いことをしていなくても、悪い人たちと一緒に居るだけで
「君も同じ穴の狢なのか」
と思われます。

見下す考え方やイジメの現象が起こるのは、こういう悪しき慣習などからくると考えます。

群れることで正しい側であるという価値観を植え付けるような歴史が、戦争の火種になったこともあります。

たくさんの仲間の中で安心するとしても、その中で狢の暗黙の価値観があるのなら、私は穴の中には入らないようにしたいです。

自分が抜け出せなくなるのは、その価値観に染まって動けなくなるときです。




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