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⛩2つめの神社へ ③

霜月だというのに、暖かい陽気。(1770字)

カーディガンの上に薄手のコートを着ていた。太陽と歩く動きで、じんわり汗をかいて熱を持っていた。
コートは着ていられず、折りたたみ左腕にかけることにした。
茅ヶ崎駅に戻る途中にいくつかの食事処はあったが、「神明大神宮」に行くまでの所要時間が読めずに急ぎ足で歩いた。

県道は車の往来が多く、平日で歩道を歩く人も、自転車をこぐ人も、忙しそうにみえた。

13:00 うめだばし 不思議な雲の様子

ふと空を見上げると、同じくらいの高さに2種類の雲が流れているのを発見した。
ただの目の錯覚かもしれない。
空は広いのだから、上空では冷えた空気が覆っていたり、氷のような冷たい結晶だって作ることがある。目を凝らしても、分からない。
自然現象に関する知識なんてない。

私は不勉強で、知らないことが多すぎる。

一日過ごせば、一日分の情報は増える。
もっと、色々なことを知りたいなぁ。
100歳の人の半分しか、世の中を見ていないんだなぁ、と当たり前のことを思った。

 〜 秋雲に さわりたくなり 梅田橋 〜  

          ちび蔵 ココロの俳句

小学生の頃、いつもマラソンではビリかブービーをひた走っていた私だから、大人になっても
そんなに速く歩けない。

それでも、人並みのスピードで歩けるように、地図アプリをチラチラと見ながら歩を進める。
地図アプリには、目的地への到着時間、所要時間、距離が表示される。

出来るだけ、到着時間に着けるように努力している。最初は時間通りだが、疲れてくると、
ゴールが近づくにつれて到着時間、所要時間が
ズレてくる。いつも見えない誰かと競争している気持ちでいる。
実は、自分との戦いなんである。

今回も、2分、駅に着く時間が余分にかかった。

何しろ、地図アプリが無ければ、土地勘の無い私は都会の砂漠に放り出されたも同然で。
慌てて充電が半分になった携帯電話を握りしめて、softbankのお店へ急ぐ。
バスの時間まで、30分足らず。

駅ビルに店舗の表示があるのに、携帯電話ショップが見つからない。
1階のはずなのに、エスカレーターを使って移動しても見つからず、何度も生鮮売り場に戻ってしまう。品出しをしていたドラッグストアの店員さんを捕まえてsoftbankの場所を聞いた。
駅の南口で、店舗は建物の外に出てからsoftbankの入り口から入れることを知り、店にたどり着いたときには20分くらいしか時間がなかった。

15分だけ充電してもらうと、74%まで回復した。

小走りにバス停に向かった。
出発時刻の1分前。バスはエンジンをかけて、出発する前だった。
「円蔵行き」コミュニティバスは、料金を前払いする。200円なり。

静岡市の「しずてつバス🚌」は、後払いだが、神奈川県では先払いだと初めて知った。

いつも神社でご朱印をいただくため、小銭は欠かさない。運転手さんの横の支払い機に200円を入れて、こじんまりしたバスの一番前に座った。

10分くらいバスに揺られて、「円蔵」バス停に着いた。
右へ行ったり、左へ行ったりして、アプリの方向が分かると、「神明大神宮」へ歩いた。

神社へ続く道は、完全な住宅街で、地図アプリを見ながらでも分かりにくかったが、神社という場所はたいてい木々がこんもりしたところに鎮座している。

神社仏閣⛩好き、あるある。 

林を探せば、神社が見つかる。

今回は、銀杏の木が、目印だった。

狛犬、おっさん顔

こちらの神社は、神職さんは見当たらず、社務所らしき建物は閉まっていた。

かすかにギンナンの香りが漂い、大きな銀杏が見上げた空を覆っていた。

とにかく大きな銀杏です

参拝する人は絶えなかった。
私がお参りして、写真を撮り、帰るまでの短い時間に4人が手を合わせていた。

こちらでも、「祓い給え、清め給え」のお守りと体の悪い所をさする祈願をした。

自転車の右手にある厄払い石

人が写らないように気をつけて撮影。

そして、2つの石の祈願が終わり、時計は
15時を刻んでいた。

さぁ、静岡に帰ろう。

大通りまで出れば何とかなる、と単純な思考だったが、住宅街は同じような景色ばかりに見えた。
地図アプリで方向は分かるが、歩いて行けば袋小路。

目的地に辿り着けたものの、迷路の中。
その住宅街を彷徨っているうちに、ラッキーに遭遇した。
             〈 つづく 〉





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