【医療格差】消防士時代の話
最近移動中に二宮が主演の「ブラックペアン」という心臓外科医のドラマを見てます。
お客様に心臓外科の先生が居るのもあって知見として見ているのですが、見ていた時にふと消防時代の出動を思い出したので皆さんに共有します。
千葉はたまに救急車に乗る時がありました。
ある日の出動で通報内容は
「40歳男性。激しい胸痛を訴えているとの家族からの通報。既往歴なし。」
この段階で高確率で心疾患を疑います。
心筋梗塞、心タンポナーデ、大動脈解離など
現場に着くまでに5分ほどの距離を向かっている中ですぐに確認しなきゃいけないことを隊員で話し合います。
現場に着くと40歳の男性がうめきながら激しくベット上でもがいており、それを心配そうに妻と子供が見ていました。
傷病者に接触して1分ほどである病気の可能性が高いと隊員間で共有しました。
「大動脈解離」
心臓から全身に血液を送る上で最初の動脈が裂けているということです。
その病気の際に現れる体のサインが多く見られました。
そうとなれば大至急病院に搬送しなければいけません。
現場についてから傷病者を救急車に運び出発するまでに約5分。
緊急でそのような病気のオペができる病院は限られており、その時石狩から行けるとしたら
・手稲渓仁会病院
・北海道医療センター
この2択でした。
ひとまず救急車を出発させてまず隊長は距離がより近い渓仁会に電話をするも断られ、次に近い北海道医療センターに電話をして受け入れてもらえることになり病院に向かってました。
石狩から北海道医療センターまで約15分。
すぐ着くだろうと油断していた時に心電図から激しくアラームがなりました。
心停止です。救急車が発進してから5分で心停止。
まだ病院まで10分ちょっとあるのにって思いながら心臓マッサージをして病院に向かい、道中電気ショックも行いました。
ですが結局その方が助かることはなかったです。
どうやっても助かることはなかったかもしれないけど、この時思ったことが本当に大切なことなのですが
「もし病院までの時間がもう少し短かったら、、、」
「もし渓仁会で受け入れてもらえてたら、、、」
っていう思いなんです。
基本的に脳疾患や心疾患は時間との戦いです。
今回の出動では発症から心停止まで「15分」です。
本当に万が一起きた時に残された時間は30分もないかもしれない中で北海道の郡部に住む人たちはどうしますか?
いきなり発症してしまった時も困ります。
じゃあ健診とかで疾患が見つかったり、一度病気を発症した方が再発の危機がある中で大きな病院から30分以上、もしくはもっと遠くに住んだままでいるって現実的にどうですか?
皆さんの家族に置き換えて見てください。
そんな遠くに居ても良いよって言えますか?
もし大きな病院の近くに住むことが出来るとしたらどうしますか?
っていうことなんです。
三大疾病とかは特にお金があれば出来ることが広がります。
治療費だけじゃないんです。
病院の近くに住むことを希望される方だっているかもしれません。
でもほとんどの人はこういうことを知らないから対策を取ってません。
「知らなかった」で致命的なことになる前に皆さんでこういうところも伝えられるようになってほしいなってとても思ったので今日書きました!