マーベル作品に全てを捧げた先輩とジブリ映画を観る ②借りぐらしのアリエッティ
今回は『借りぐらしのアリエッティ』(2010)を観ていきます。
※本記事は、『借りぐらしのアリエッティ』のネタバレを含みます。
序盤のアレで集中できなかった……
徳永 細かいところなんですけど、まち針を服に刺すやつ、布が傷つくからちょっと嫌だと思いましたね。
遠藤 俺も思った。アリエッティのサイズだったらさ、あのまち針かなりでかいじゃん。俺らにとっての剣くらいの大きさだよね。
徳永 ちょっとそこが気になって序盤100%で集中できませんでしたね。
人間の男の子がヤバい
徳永 あと人間の男の子が結構……ヤバくないですか。
遠藤 ヤバいというか……普通じゃないというか。どこでヤバいと思った?
徳永 あまり人と関わってこなかったからか、アリエッティへの距離の詰め方が結構怖いなと思いましたね。
遠藤 確かに、あまりアリエッティ側のことは考えてない感じがしたね。あとハルおばさんの小人への思いがよく分からなかった。なんで小人を捕まえたいのか、作品の中での説明はないじゃん。逆にそれが怖かったな。好奇心の赴くまま動いているというか。映画一般のちゃんとした悪意では動いてないのかなという感じがした。
徳永 好奇心だけで動いてるやつが一番怖いというのはありますね。マーベル作品でも悪意とか悪役はかなり描かれている部分ですよね。マーベルのキャラで印象的な悪役とかいますか?
遠藤 『アイアンマン3』(2013)で出てきた、寒空の下ビルの屋上で何時間も待たされてたキリアンだね。
徳永 映画序盤のシーンですよね。それで最後の戦闘シーン、ついに会えたアイアンマンにこう言うんですよね。
遠藤 「やっと屋上で会えたな。」
徳永(笑)結局悪役も魅力的だったりしますよね。
遠藤 ヒーロー映画だと、悪役にどれだけ行動理由があるかが結構見られてるよね。評論家の意見とか見ると、結構「悪役に感情移入できなかった」でマイナス評価になってたりするのよ。だから悪役のバックボーンも大事な要素だよね。
徳永 それで言ったら今回の翔も悪に傾いてしまう人物ではありますよね。
遠藤 最初に翔がアリエッティの家を見つけてドールハウスのキッチンと交換する場面があるじゃん。あれ、怖すぎて……最初ハルさんの仕業だと思ってたら、映る手がなぜか若々しいんだよ……
徳永 おめーじゃねえかと。
遠藤 あれ怖いんだよな……
バトルシーンはないけど……
徳永 映画を観る前はアリエッティの冒険劇を楽しむ作品なのかなと思ったんですけど、そういうわけでもなかったですね。通風孔?から家に至るまでの道のりの景色とかがめちゃくちゃ良かったですね。
遠藤 あと水の表面張力の描写とか、俺らが使ってるようには水が落ちないというのがすごく印象に残った。
徳永 逆にマーベル映画だと、こういう小さい世界の冒険を描いた作品はあるんですか?
遠藤 『アントマン』(2015)はそうだね。元泥棒が小さくなれるスーツを着て闘う話で……
終盤も闘うシーンがあるんだけど、でもそれはあくまでちっちゃな世界で起こっているというか。おもちゃの線路の上で闘うんだよね。でも次のシーンではおもちゃの線路全体を映す俯瞰的なカットになってて、実際はちょっと音がするだけみたいな。外から見ればほとんど何も起こってないみたいな。
徳永 すごくポップな描き方でいいですね。考えてみると今回の『借りぐらしのアリエッティ』は闘いの描写はあまりないですよね。いかに生き延びるか、逃げ延びるかという話でした。お父さんが「挑まなくていい危険もある」って言ってて、「借りぐらし」って生き方もなんか日本的だよなあと思いました。ちなみに『アントマン』は遠藤さんの評価はどうなんですか。
遠藤 俺は『アントマン』が一番好きだよ。
徳永 そうなんですか!
遠藤 俺はやっぱり笑えるやつが好きだから。『アントマン』は結構キャラクターもおバカに描かれてるんだよね。逆に「キャプテン・アメリカ」シリーズとかは「あっ、あっ……重いな……」ってなる。
あと、アベンジャーズが仲違いしちゃう『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)って作品があるんだけど、それももう俺は見返せない。辛くて。もうやめてくれ……みんなバカでいいじゃん……って。
徳永(笑)まだこのシリーズも第二回ですけど、遠藤さんが映画に何を求めているのか理解が進んだ気がしますね。
やっぱり遠藤さんは……
遠藤 でもやっぱりねー……アリエッティ可愛かったね。
徳永 やっぱり遠藤さんはそれですよね(笑)一番可愛かったシーンはどこですか。
遠藤 最初にさ、お父さんと一緒にティッシュペーパーを引っ張るじゃん。で、そこで翔に見つかっちゃうんだよね。そこで「あ、やっちゃった!」ってなってたじゃん。あの表情ね。
徳永(笑)
次回に向けて
徳永 じゃあ次に観る作品を今回は僕が選びます。僕が選んだのは『思い出のマーニー』(2014)です!
遠藤 『思い出のマーニー』!?
徳永 知らなすぎたので逆に選びました。このマーニーというのが幽霊的な存在?らしくて、そのマーニーとの出会いを描いた作品なんだと思います……たぶん。今後の人生で、ジブリ映画をまとめて観るみたいな機会はどこかであると思うんですよ。でもそういう時も僕は『思い出のマーニー』は見逃してしまいそうだなと思って選びました。
遠藤 気づいたときに観ないとなあ……あ、でもマーニーも可愛いな……
徳永 いやそればっかりだな!
③思い出のマーニー に続く