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マンガ・アニメ・ゲームを契機とする誘客施策について(2024.11.25 北海道議会 食と観光調査委員会 質問)

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和6年11月25日の食と観光調査特別委員会において、質問を行いました。

 なお、質問の中に出てくる、「新しい資本主義実現会議」の資料は、以下のとおりです。

一 マンガ・アニメ・ゲームを契機とした誘客施策について

 マンガ・アニメ・ゲームを契機とした誘客施策について伺います。
 本年のゴールデンウィークの人出は、全国的に、昨年と比べ低調だったといわれるなか、函館市は好調だったと聞いているところです。
 主な要因として挙げられるのが、函館市が本年4月に公開された劇場版「名探偵コナン」の舞台になったことであります。
 北海道を舞台とするマンガ「ゴールデンカムイ」の大ヒットなど、こうした昨今の情勢を本道への誘客や経済効果につなげることは極めて重要であることから、以下数点にわたり伺います。

(一) 道の認識について

 マンガやアニメ、ゲームの舞台を訪れる、いわゆる「聖地巡礼」やそれに伴う関連消費といった行動は、国内旅行者にとどまらず、インバウンドについてもあてはまります。
 国の「新しい資本主義実現会議」資料によると、インバウンドのうち、聖地巡礼者数は115万人、アニメ関連グッズの購入額は350億円であり、潜在的な聖地巡礼者の需要は260万人と見込まれ、4,000億円の国内消費支出が期待されているとのことであります。
 そこで、北海道を舞台とするマンガ・アニメ・ゲームを契機とした道内への誘客効果、経済波及効果についての道の認識を伺います。

【答弁:茶谷 経済部観光局観光振興課誘客推進担当課長】
 道の認識についてでございますが、北海道を舞台とするマンガ・アニメ・ゲームによる経済波及効果などについての具体的なデータ、試算等は確認できていないものの、2023年の観光庁の訪日外国人消費動向調査では、訪日外国人の7.5パーセント、訪日外国人全体からの推計で約186万人が「映画・アニメ縁の地」を訪れており、次回の旅行で行いたいこととして、10.9パーセント、推計約271万人が「映画・アニメ縁の地」への訪問と回答しております。
 また、海外でも放映されたアニメ映画の舞台となった函館市の五稜郭タワーでは、今年のゴールデンウィーク中の来場者数が前年と比較して約50パーセント増となるなど、本道の美しい自然景観や町並み、食、文化などは、これまで多くのマンガやアニメ、ドラマ、映画等の舞台となっており、地域の知名度向上や旅行者の拡大に寄与しているものと認識しております。

(指摘:千葉 真裕)
 
ただいま、「北海道を舞台とするマンガ・アニメ・ゲームによる経済波及効果の具体的なデータ、試算等は確認できていない」とのことでしたが、先ほど触れた国の資料によれば、世界のコンテンツ市場の規模は、石油化学産業、半導体産業よりも大きく、日本由来コンテンツの海外売上は、鉄鋼産業、半導体産業の輸出額に匹敵する規模とのことですので、今後、こうしたコンテンツ市場に関する北海道における経済波及効果等の具体的データ収集や試算等の必要性について指摘しておきます。


(二)マンガ等と連携・関連した、これまでの誘客施策等の取組みについて

 次に、マンガ等と連携・関連した、これまでの誘客施策等の取組みについて伺います。

【答弁:茶谷 経済部観光局観光振興課誘客推進担当課長】
 
これまでの道の取組についてでございますが、道では、観光局に設置した「北海道ロケーション連絡室」において、道内16地域のフィルムコミッションや市町村と連携し、映画やドラマなどの実写作品のみならずマンガ・アニメの内容に関する相談対応を行ったことに加え、地域と事業者との情報交換の場として、毎年東京で開催される「全国ロケ地フェア」への出展を通じて、マンガ等の関係者に向けても情報を発信しているところでございます。
 また、観光機構と連携し、地域が行うマンガ等を活用した取組への事業費支援や、道内29施設をチェックインスポットとした、キャラクターを集めるスタンプラリーを実施し、キャラクターを取得した方の中から抽選で1,000名にオリジナルステッカーをプレゼントしたほか、札幌・登別温泉間にラッピングバスを運行するなど、誘客促進を図ってきたところでございます。

【指摘:千葉 真裕】
 ただいま、これまでの施策展開について答弁がありましたが、展開した施策の成果についてもしっかり把握する意識を持っていただくよう、指摘をいたします。


(三)ゲームを契機とした誘客施策について

 次に、ゲームを契機とした誘客施策についてであります。
 本年9月、羊蹄山周辺をフィールドとするPlayStation5向けゲーム「ゴースト・オブ・ヨーテイ」が、来年2025年に発売予定であることが発表されました。
 前作「ゴースト・オブ・ツシマ」は、元寇・蒙古襲来を物語の題材とし、現在の長崎県対馬をフィールドとするオープンワールドアクションアドベンチャーゲームであり、2020年の発売以来、全世界で累計約1,300万本を売り上げた人気タイトルであります。
 私も前作を実際にプレイしましたが、海外のクリエイターによる作品ながら、日本に対するリスペクトや現代の我々にも通じる日本人への深い洞察、また、ゲーム内で描かれる対馬の美しいグラフィックに脱帽し、対馬への来訪意欲が未だ消えないものであります。
 もちろん、販売中止や延期、販売不振などのリスクはあるものの、PlayStation5での発売ということで、これまでなかなかリーチできていなかった欧米豪市場、今後の成長が見込める若年層へのプロモーション効果は絶大で、千載一遇のチャンスであると思います。
 そこで、今のうちから情報収集に努め、コラボレーション、あるいは、本ゲームをプレイした方々が来道することを見据えた地域連携や受入体制整備を行うことが重要であると考えますが、道の所見を伺います。

【答弁:金盛 経済部観光局誘客推進担当局長】
 
ゲームなどを契機とした誘客施策についてでありますが、本道を舞台とした作品を通じて、国内や海外の方々に興味を持っていただくことで、道内地域の知名度の向上、来道者の増加など地域の活性化につながるものと認識しております。
 こうしたことから、道では、引き続き、地域と連携してロケ支援を行うとともに、本道を舞台としたゲームなどの新たなコンテンツにつきましても、公開を見据えた情報収集や、地域との情報共有に努めるとともに、地域に働きかけ、国内のみならず、欧米豪をはじめとする海外からの誘客や、来訪者を迎えるための気運醸成を地域と一体となって取り組んでまいります。

【指摘:千葉 真裕】
 ただいま、「地域に働きかけ、誘客や来訪者を迎えるための気運醸成を、地域と一体となって取り組んでまいる。」との力強い答弁がありました。
 繰り返しになりますが、これは千載一遇のチャンスであり、「羊蹄山周辺」という、広域での取組みが必要となります。
 道として主体的・積極的に取り組み、誘客や経済効果につなげていただくよう期待して、私の質問を終わります。(了)

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