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2024.3.4 北海道議会 一般質問

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和6年3月4日、2回目の一般質問を行いました。

 なお、一般質問は、質問者が持ち時間(20分)の範囲で一括して質問を行い、その後、知事等が各質問に対し答弁するかたちですが、以下では、読みやすさを考慮し、実際の順序とは異なり、質問と答弁を対応させています。

動画は こちら (北海道議会HP)からご覧いただけます。


 通告に従いまして、順次、質問をいたします。

一 北海道産水産物について

 まず、北海道産の水産物についてであります。
 昨年8月24日、中国政府が、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水海洋放出を理由として、原産地を日本とする水産物の輸入を全面的に停止する措置を講じてから、すでに半年あまりが経過しています。
 かかる措置は、科学的根拠に基づかないものであり到底受け入れられるものではありませんが、いつまでこうした措置が継続されるのか、大きな懸念の声が寄せられています。そこで、以下、輸入停止措置により大きな影響を受けたホタテについて、伺います。

(一)国内流通・消費拡大の取組みについて

 従前、北海道から中国へ輸出する水産物の主力であったホタテについて、中国の輸入停止措置以来、道では、各界各層のご協力の下、「食べて応援!北海道」キャンペーンを展開し、国内でのホタテ消費が伸びたと承知しています。一方で、消費者からは、「応援したいところだが、ホタテの販売価格が高くて、とても手が出せない」という声も聴くところです。
 輸入停止措置の直後は、報道等の影響もあり、一時的に国内消費が増加する効果も高いでしょうが、長期化してきた場合には消費量が従前の水準に戻ることも十分考えられます。道は、今後、ホタテの国内流通・消費の継続的な維持・拡大に向けて、どのように取り組んでいくのか、伺います。

【答弁:鈴木 知事】
 ホタテガイの消費拡大についてでありますが、中国による輸入停止措置を受け、「食べて応援!北海道」キャンペーンの全国展開や国の政策パッケージを活用した学校給食での利用など、多くの皆様の応援をいただき、昨年11月の家庭消費が前年同期に比べ1.6倍になるなど、国内での販路や消費が拡大をいたしましたが、今後、道内各地から切れ目なく出荷が続くことから、引き続き、全国 で消費拡大の気運を高めていくことが重要であります。 
 このため道では、消費者ニーズを踏まえながら、ホタテガイをはじめ、道産水産物の応援消費への協力を企業や団体はもとより、全国の消費者の皆様に多様なメディアや機会を通じて広く呼びかけるなど、キャンペーンのさらなる強化に取り組むほか、道漁連が行う、量販店とのタイアップによる販売促進への支援に加え、国や関係団体と連携し、販路開拓や加工体制の強化に向けた政策パッケージの一層の活用を促すなど、漁業や水産加工業への影響が最小限となるよう、取り組んでまいります。

(二)海外流通拡大の取組みについて

 中国の輸入停止措置が行われていなかった2022年、北海道から中国へは、冷凍殻なし、いわゆる玉冷(たまれい)が4,340トン、冷凍の殻付きが8万9,562トンなど、合計で9万4,815トンが輸出されていたと承知しています。
 このうち、中国国内で消費されるものもありますが、中国で殻むき等の加工がなされたのち、第三国へ再輸出されているものが約3万~4万トンと推定されるとの調査もあります。
 なかでも、北米市場やヨーロッパ市場では、より大ぶりなものが好まれる傾向にあり、中国では、食品添加物のひとつである「トリポリリン酸ナトリウム」を使用した保水加工を行ったうえで再輸出しており、北米市場等では高い価格で取引されていると聞くところです。
 中国による輸入停止措置の長期化を見据え、中国以外の海外販路拡大の取組みはもちろん重要ですが、北海道内で輸出先のニーズに合わせた加工を行い、付加価値を高めたうえで、中国を介することなく直接輸出できる体制整備を検討する必要もあると考えます。
 道は、ホタテをはじめとする道産水産物の道内での加工について、どのような課題があると認識しているか、また、海外への輸出拡大に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

【答弁:山口 水産林務部長】
 輸出拡大に向けた今後の取組みなどについてでありますが、これまで中国に輸出されてきた道産ホタテガイの一部は、保水加工後に再輸出されてきておりましたが、こうした保水加工製品の製造は、日本国内でも通常の製品と時間や場所を区切るなどの管理を行うことで、加熱用として認められているものの、道内の水産加工業者におきましては、世界的に需要がある高品質で生食が可能な冷凍貝柱を道内で増産し、輸出拡大につなげる動きが活発になってきております。
 こうした取組みを加速させるため、道では、海外HACCPへの対応や設備の老朽化、労働力不足など加工業者が抱える課題に対し、国や関係団体と連携し、衛生管理の高度化に向けた講習会を開催するとともに、国の政策パッケージを活用した機器導入や人材確保など、加工体制の強化による高付加価値化を進めるほか、ホタテガイに加えてブリやカレイ類を新たな重点品目として、現地調査で把握したニーズを踏まえ、積極的なプロモーションを展開するなど、輸出先国の多角化や品目の拡大に取り組み、道産水産物の輸出拡大につなげてまいります。

(三)新たな水産資源の有効活用について

 次に、新たな水産資源の有効活用についてであります。
 近年、海水温上昇など海洋環境の変化等の要因により、北海道で獲れる魚種に変化が生じています。道では、近年、漁獲量が増加しているマイワシ、ブリ、ニシンについて、これらを日常的に利用される魚種として定着させ、需要の拡大を図るため、SNSを活用したPRや道内飲食店におけるフェアの開催等の取組みを進めているものと承知しています。
 こうしたなか、マフグについては、近年、漁獲量が増えている状況にあるものの、そのまま道外に出荷するケースが多いと聞いていますが、今後、マイワシ、ブリ、ニシンと同様に、新たな水産資源として有効活用を図っていく必要があると考えます。
 道内におけるマフグの漁獲や流通の現状について伺うとともに、道では、マフグなど地域において漁獲量が増加している魚種の有効活用について、どのように考えているのか、併せて、伺います。

【答弁:山口 水産林務部長】
 水産資源の有効利用についてでありますが、国の統計によりますと、本道におけるフグ類の漁獲量は、平成29年は480トンでしたが、5年後の令和4年には1,700トン と3.5倍まで大幅に増加し、漁獲量は全国最多となっております。 漁業団体によりますと、道内では主にマフグが漁獲されており、その多くは、生鮮や冷凍品としてフグ加工の集積地である山口県を中心に道外へ流通しておりますが、道内での利用は、飲食店で提供されているほか、漁協と加工業者が連携し、クラウドファンディングを活用して一夜干しを加工製品として販売するなどの取組みが行われております。
 道といたしましては、近年、漁獲が増加しているニシンやマイワシ、ブリの消費拡大フェアを開催するととも に、新たな商品開発などを進める漁協や団体に支援を行っているところでありまして、引き続き、関係団体と連携をし、マフグを含めた地域の漁業資源の付加価値向上と有効活用に取り組んでまいります。

二 国際航空路線、海外との交流について

(一)国際航空路線の拡大について

 次に、国際航空路線、海外との交流についてであります。
 昨年5月の新型コロナウィルス感染症の感染法上の位置づけ変更以降、海外からの来道者も順調に回復してきており、先月4日から11日に開催され、来場者数が約238万9千人と、コロナ禍前の水準に迫りつつある、さっぽろ雪まつりにも海外から多くの方々が訪れました。
 観光はもとより、ビジネスや文化、スポーツなど各般の交流を一層すすめるためには、道内空港発着の国際航空路線の再開・新規就航が重要であります。道内空港発着の国際航空路線は現在7カ国13路線で、コロナ禍前の2019年同時期と比べ、路線数で6割、運行便数で7割まで回復していますが、地域別でみると、東アジア、東南アジアが堅調に回復しているのに比べ、欧米豪等その他地域は、従来路線数が少ないこともありますが、未だゼロであります。
 コロナ禍は落ち着いたものの、ロシアによるウクライナ侵略等取り巻く環境が厳しい状況の中ではありますが、今後の国際航空路線の再開・新規就航に向けて、道としてどのように取り組んでいくのか、伺います。

【答弁:鈴木 知事】
 国際線の拡大に向けた取組みについてでありますが、道内空港における国際線の就航は、海外との交流拡大による地域振興や観光振興など本道の活性化を図る上で重要な役割を果たすものと認識をしております。
 道では、国際線の就航再開や新規就航に向け、北海通エアポートや地元自治体とも連携しながら、アジア各国をはじめ、欧米やオーストラリアの航空会社への就航の働きかけに加え、航空会社の担当者を本道に招へいし、空港や周辺地域の視察を通じて、より具体的な提案を行ったところでございます。
 道としては、観光・ビジネスなど幅広い分野での交流人口の拡大に向け、世界各国との国際航空ネットワークが形成されるよう、今後とも、地域と一体となって、航空会社への働きかけを強化するとともに、就航に不可欠な空港業務を担う人材の確保など空港の受入環境整備を推進し、道内空港における国際線の拡充に取り組んでまいります。

(二)アウトバウンドの拡大等について

 また一方で、国際路線を永続的なものとするためには、インバウンドをはじめとする海外からの誘客のみならず、アウトバウンドをはじめとする北海道から海外を訪問する方々を増やすことも重要であります。私は、昨年10月に台湾を、11月にはベトナムを訪問し、現地の皆さんと意見交換を行いましたが、「北海道へ来てくださいということだけではなく、北海道からも是非台湾やベトナムへお越しください」と強く指摘されたところでもあります。
 現下の円安、海外との物価水準の差など、海外訪問のハードルは高い状況ではありますが、将来を見据え、道としてどのようにアウトバウンドを拡大していくのか、また、ビジネスの分野で海外を訪問する方々をどのように増やしていく考えなのか、伺います。

【答弁:鈴木 知事】
 アウトバウンドの拡大等についてでありますが、国際線の安定的な運航を図る上で、アウトバウンドを含めた双方向の需要創出は大変重要と認識をしております。
 道では、海外旅行に関する官民連携組織を通じて、これまで海外の魅力を発信するイベントやセミナーを開催してまいりましたほか、今年度は、道内ゆかりのインフルエンサーを通じて、海外旅行の魅力を発信をするなど、若年層を主なターゲットとした取組みも進めているところであり、引き続き、官民連携の下、アウトバウンド需要の拡大に向けて、取り組んでまいります。
 また、昨年11月に、私も道内企業や生産団体の関係者等約400名の皆様とチャーター便でベトナムを訪問して、北海通のPRなどを行ってきたところであり、今後とも、東アジア、ASEAN諸国はもとより、さまざまな国・地域において、道産品の販路拡大や技術交流の促進などの経済活動に関し、市場調査やプロモーション、展示会への出展などの機会を設けることで、人的往来を拡大して経済交流を一層進め、ビジネス分野におけるアウトバウンドの増加につながるよう努めてまいります。

三 職業訓練について

 次に、職業訓練についてであります。
 昨年の第3定例道議会でも、社会の基礎を支える産業における人手不足対策について質問をいたしましたが、特に「技術職」や「職人」の人手不足が深刻であるとの切実な声が寄せられています。
 従前は、働きながら親方や先輩から仕事を学び、業務外の時間を有効活用して自らの研鑽の時間に充てて、技術を磨いてこられたわけですが、慢性的な人手不足のため、親方や先輩も仕事を完成させることで手いっぱいで、十分な指導育成を行うことができなかったり、働き方改革の関係から、意欲のある若手が職場に残って自己研鑽にあたることが許されなくなったりと、働きながら技術を磨く機会が少なくなってきています。
 そうした環境の中で、就職する前に一定の技術を身に着ける「職業訓練」の重要性はますます高まっていると考えますが、例えば、現在道内に8カ所設置されている北海道立高等技術専門学院、いわゆるMONOテクでは、少子化などの影響もあり、定員に対する入校生が大幅に下回っている現状です。
 職業訓練についての道の認識、及び、今後、職業訓練生の拡大に向けどのように取り組んでいく考えなのか、伺います。
 また、技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図る技能検定は、「職業訓練」の過程においても、到達度を図るひとつの目標ともなり、訓練生の意欲向上にも資すると考えますが、検定手数料が高額であり、訓練生が受検を差し控える大きな要因になっているとの声が届いています。技能検定受検にかかる訓練生の負担軽減に向けた道の考えを伺います。

【答弁:中島 経済部長】
 職業訓練などについてでありますが、人口減少や少子高齢化により、様々な業種において人手不足が深刻化する中、必要な知識や技能の習得、向上を通じて、地域の産業を支える人材を育成する職業訓練の役割はますます重要になるものと認識しております。
 このため、道では、 MONOテクにおいて、早期就職を希望する方々向けの1年制コースの導入のほか、募集期間の延長や高校中退者を入校可能とする入学資格の弾力化などに取り組みますとともに、専門学校や地域の職業訓練団体等との連携による幅広い分野の訓練を実施しているところであり、今後とも、こうした取組みMONOテクの見学会など様々な機会を活用して周知するなどし、多様な人材が、訓練に参加しやすい環境づくりに努めてまいります。
 また、労働者の有する技能を評価する国家検定制度であります技能検定について、道では、職業訓練生の技能向上を支援するため、条例に基づき、MONOテク等の在校生の受検料の3分の1を軽減する措置を講じていることに加えまして、来年度から、新たに、国におきまして若年者の入職促進の観点から、23歳未満の職業訓練生を対象に受検料の4分の1を支援することとされているところであり、今後とも、こうした受検料の負担軽減や技能検定制度の趣旨などにつきまして、 SNSの活用や関係機関との連携により周知を図りながら、若年層の受検促進が図られるよう努めてまいります。

四 災害時における障がい者の避難等について

 次に、災害時における障がい者の避難等についてであります。
 本年元日に発生した令和6年能登半島地震では、自宅の損壊等により、多くの方々が避難所での生活を余儀なくされ、現在もその状況が続いています。
 特に、高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、病弱者などは、一般の避難所では生活に大きな支障を生ずるため、福祉避難所において特別な配慮が必要であり、なかでも、障がいのある方々は、障がいの種類も様々であることから、障がいの特性に応じた配慮が必要となります。
 奥能登の輪島市・珠洲市・穴水町・能登町の4市町では、防災計画上、全部で41カ所の福祉避難所が指定されていましたが、そのうち、建物が地震で損壊したり、職員が被災し勤務できなくなったりしたことを主な理由として、発災後速やかに開設できたのは9カ所にとどまりました。
 災害対策基本法等の関係法令や北海道地域防災計画では、防災及び災害応急対策の第一次的責務は基礎自治体たる市町村とされており、都道府県は、その援助、総合調整を行うものとされていますが、大規模・広範囲に及ぶ災害時には、道の果たすべき役割は大きいものと考えます。
 北海道内の福祉避難所の指定状況の推移、及び、今回の能登半島地震を受けて、障がい者の避難や福祉避難所設置等について、道として、今後どのように市町村を支援していく考えなのか、伺います。

【答弁:鈴木 知事】
 市町村の災害対策への支援についてでありますが、道では、障がいがあるなど配慮を要する方が安全な避難生活を送れるよう、様々な機会を活用し、市町村に対し、福祉避難所の確保を働きかけてきたところであります。令和元年には、道内全ての市町村に1ヵ所以上が確保され、現在は1,200を超える状況となっておりますが、今般の能登半島地震では、建物の損壊等により、福祉避難所の早期開設が困難となった事例もあったところでございます。
 このため、先月末に、避難に支援を要する方の「個別避難計画」の作成を促すため、先行事例等を紹介するほか、改めて、近隣市町村と連携・協力した福祉避難所の広域的確保の重要性について周知などを行う、市町村向けの研修会を開催したところでございます。
 また、避難所において要配慮者への支援にご協力いただける介護職員等の方々の確保のため、道と福祉関係法人との間で協定締結を進めているところであり、今後とも、こうした研修会の開催や協定に基づく災害時の介護職員等の方々の派遣などを通じて、市町村の災害対策を支援してまいります。

五 EBPM(エビデンスに基づく政策立案)について

 次に、EBPM、エビデンスに基づく政策立案・展開についてであります。
 現下の深刻な人手不足、また、先般のわが会派の代表質問に対する答弁でも、道財政がますます厳しい状況にあることが示されたところでもあり、限られた資源を用いてより効果的な施策を展開する要請は、ますます高まっています。
 EBPMについては、昨年の第3定例道議会予算特別委員会でも、わが会派同僚議員から質問したところですが、EBPMが機能する大前提は、「施策の目的が明確であること」であります。
 私は、昨年4月の初当選以来、道庁各部の皆さんと、道政全般に亘るさまざまな施策に関して議論や意見交換を行ってきましたが、施策の目的を抽象的な言葉で設定したために、人により多義的な解釈やイメージがなされていると感じる場面に遭遇することが少なくありませんでした。
 例えば、新しい北海道総合計画の原案にも、「高付加価値化」という言葉が散見されますが、これが販売価格を上げることを指す場合もあれば、高品質化や顧客満足度が上がることを指す場合もあるわけであります。
 山登りでたとえるならば、施策目的は「山の頂き」であり、具体的施策は「登山ルート」であります。Aという山の頂きを目指すのと、Bという山の頂きを目指すのでは、登山ルートが変わるのは当たり前のことであります。
 EBPM推進の大前提が「施策の目的が明確であること」、そして、EBPMを定着させることが、一般に「霞が関文学」とか「ごはん論法」と揶揄されるものからの脱却、訣別につながるということを明確に意識していただくことが極めて重要だと考えます。
 そのうえで、EBPMの普及促進についてであります。昨年の第3定例道議会予算特別委員会におけるわが会派同僚議員からのEBPMの普及定着について、「手引書の普及や研修の実施」や「職員向けのメールマガジンや動画など」のわかりやすい啓発資材の作成を挙げられていますが、EBPMの促進を目指すならば、道庁全体での意識改革、意識の共有を進める必要があると考えますが、道の見解を伺います。

【答弁:鈴木 知事】
 エビデンスに基づく政策展開についてでありますが、道としては、限られた行財政資源の下、より実効性の高い政策展開を図っていくためには、客観的なデータや根拠を活用しながら、政策の立案を行うことが重要と認識しております。
 このため、令和7年度までを期間とする行財政運営の基本方針に、エビデンスに基づく政策展開を明確に位置づけ、全庁共通の認識の下で推進をしているところであり、政策評価においても、様々なデータを活用し、道の施策の進捗や道政課題への対応状況を検証する仕組みづくり、全庁的な取組みと進めてまいりました。
 こうした取組みを進める上では、職員一人ひとりの理解の促進や能カ向上が重要でありますことから、これまでの取組みに加え、研修の充実などにより、普及定着や職員の意識改革を進め、より実効性の高い政策を展開してまいります。

六 政策評価について

 次に、政策評価についてであります。
 北海道における政策評価については、平成9年からの「時のアセスメント」、平成10年の試行実施を経て、平成11年から本格実施され、平成14年には政策評価を道政運営の基本システムとして確立した制度とするため、「北海道政策評価条例」が制定されました。
 その後、数次の制度改正や点検等を経てきたわけですが、令和3年2月には「北海道政策評価条例の施行状況等の点検結果」が公表され、そのなかでは、政策評価条例については特段の措置を講じないとしつつ、運用状況の課題と今後の対応として、「現状の成果指標(アウトカム指標)、活動指標(アウトプット指標)を精査し、総合計画の見直しに合わせて、指標の適正化を図る」、「評価調書の大幅な簡素化を行うとともに、読みやすく分かりやすい評価調書に改善」していくことなどが示されました。また、令和4年度の政策評価結果では適切な指標の設定に引き続き努める旨の意見が付されたところです。
 政策評価は、政策のマネジメント・サイクルを構成する重要な要素であり、これを適切に行い、実効ある改善・見直しにつなげるという意識を、道庁各部に明確に持っていただくことが重要であります。
 そのためには、評価の客観性をどのように担保するかを含む指標の適正化を図るとともに、職員が「評価調書を作成すること」自体を目的化することなく、評価後に振り返りやすくするためにも、簡素で読みやすく、わかりやすくすることが必要ですし、そうすることが、道民への説明責任を果たすことにも資すると考えますが、政策評価について、今後どのように取り組む考えなのか、伺います。

【答弁:三橋 総合政策部長】
 政策評価についてでございますが、総合計画の実効性の確保を図っていくためには、毎年度の政策評価を通じ、計画に基づく施策や事務事業の点検・評価を行 い、その進捗や課題を把握するとともに、それらを踏まえた具体の政策立案につなげるなど、PDCAサイクルを効果的に運用していくことが重要と認識しております。
 道といたしましては、こうした認識の下、これまでも、 評価調書の見直しや様々な統計情報を活用した政策効果の検証など制度の改善や充実に取り組んできたところでありまして、新たな総合計画では、より客観的、かつ、分かりやすい指標を設定し、新計画と連動する今後の政策評価におきましては、外部の有識者で構成する政策評価委員会のご意見も伺いながら、指標に加えまして、客観的なデータを活用するなど、エビデンスを重視した分析をより一層きめ細かく行い、これらの分析を通じて、目標の達成状況や課題を明確にし、翌年度の方向性をお示しするなど、こうした政策評価の取組を総合計画の着実な推進に結びつけてまいります。

 以上、私からの質問を終わります。(了)

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