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「地図好き」の思考回路

僕が地図好きになったのは小学生の頃。学校で「わたしたちの千代田区」という本が配られた時から始まる。主に地元の歴史を学ぶようなものだったと思うけど、僕はその中で地図に興味を持った。
なぜそこに引かれたのかは不明だけど、駅があって道路があって家々があって、自分が見ている狭い地域のその外側にあるものに思いを馳せるようになった。このワクワク感は今も変わらない。

そして小学校高学年から中学校にかけて、少しずつ行動半径が広がってきて、多摩川、荒川、江戸川と言った大河を見るのが好きになった。生まれてしばらくは、川と言えば万世橋あたりの護岸ガチガチの神田川だったけど、もっと大きな多摩川の上流はどうなっているんだろう、荒川が隅田川と分流する地点が見てみたい、日本海側と太平洋を繋ぐ川はないんだろうか、などなど妄想を膨らませるようになった。

今はだいぶ綺麗になった神田川

ところが、地理が好きかと言われると、それはそうでもなかった。地方ごとの特色とかは興味津々だったけど、それ以外はそうでもなく、地図そのものを愛読するようになった。地図を見て、その場所の風景を想像する。そんな楽しみは友達には言わなかったけど、僕にとっては幸せな時間となった。

そんな時に出会ったのが「マネー・ハンター フータくん」という藤子不二雄氏の漫画だ。フータくんという少年が100万円を貯めて日本一周旅行をするという内容。彼が訪ねるどの県も初めて知る情報ばかりで、僕は日本の各地に思いを馳せるようになった。自分もいつか日本一周したい、日本の隅々まで行くのが「夢」になった。そう、実質的にはこの漫画との出会い、背中を押されたのが、地図ラーの会を始める原点だった思う。

藤子不二雄氏のフータくんが地図ラーの原点(Amazonから引用)

行ってみたい、その場所の空気を吸いたい、景色を見てみたい。当時はYouTubeはなかったし、僕が行きたいところを紹介してくれるテレビ番組はまずなかった(マイナーな場所だから仕方ないか…)。今みたいに旅番組などなかったし、写真すら見ることはできなかった。だから余計に思いが強くなったのかもしれない。

その嗜好は今でもずっと変わらない。大人になってからは色々な楽しみ方ができるようになったけど、地図を見て、その場所に行ってみる。単純だけどそれが僕の原点。今後もそれは変わらないだろう。

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