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カーテンを替えるということ

最近引っ越しをきっかけにカーテンを替えた。

これまでの私なら手をつけないような、ナチュラルテイストのグリーンのカーテン。新居のダークブラウンの床とよくマッチしている。グリーンは目にいいと言われるが、目だけじゃなく、心まで一気に落ち着く気がする。


正直昔は、〝コーディネート”といわれてもピンと来なかったし、家具や生活雑貨を買うときのカラーやスタイルを気にしたこともなかった。
そのときそのときで、自分が好きだと思ったものを買えばいい。それが私の自由だし豊かな生活だ!なんて意地になっていたようにさえ思う。


そんな私が少しずつカラーやスタイルのコーディネートに関心をもつようになったのは、ここ最近の人生観の変化に関係があるように思う。

社会に出て、毎日浮き沈みの激しい日々を過ごすなかで感じるようになったこと。
それは、「自分で自分の心を毎日持ち上げ続けること」がどれだけ大切か。そして、それがどれだけ難しいか。

思えば今まで蔑ろにしてきたことだったが、それでもやってこれたのは学生時代まで。社会の荒波に揉まれると、ときに当たり前のことが当たり前にできなくなることもある。

そんなとき、帰宅した瞬間に出迎えてくれる景色は、私の心を温めてくれる存在だ。
自分で部屋のテーマカラーを決めて、その濃淡のカラーや類似のカラーを組み合わせながら、家具や雑貨をコーディネートしていく。統一感のあるコーディネートは、見えないところで心を支えてくれていると感じる。
煩雑な心を落ち着かせてくれるのか、はたまた元気づけてくれるのか。その効能は選ぶカラーによって様々だが、そうやってモノを選んでいく過程でも、すでにワクワクしている自分に気づく。


自分の心を大切にするために、家具やインテリアなど目に見えるものはもちろん、香りや音楽など目には見えないものまでも選択していける。良いモノを見極めていくことができる。
大人になった私たちが身につけるべき、意外と最重要なスキルなのかもしれない。


ち綾

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