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生涯でたったひとつの愛だった

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内省にまみれた散文集。
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2020年2月の記事一覧

呼び声、未来の私と

呼び声、未来の私と

 今こうして心臓が動き、肺が酸素を取り込もうと動いているこの瞬間、時間は刻一刻と前へ進んでいく。
 いや、前へは進んでいないのかもしれない。

 何かの作品で、「その場に留まる為には前へ進み続けなければいけない」といっていた。
 それはそうだ、己がいくらじっとしていても、周りは容赦なくそれぞれの時間を進めていくのだから。
 それに、人間には老いがある。芽吹き苗が伸び蕾をつけ花が咲き、実がなってやが

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特別を信じ追い求めた僕らへ

特別を信じ追い求めた僕らへ

 12歳頃から18歳の頃まで、私はただ無力で、それから無敵だった。
 いや、もっと前、物心つく頃からだったような気もするし、今もそうなのかもしれない。

 私は小学校に上がった頃から、学校には余り寄り付かない子供だった。
 担任の先生が家まで車で迎えに来てくれたり、昼休みの時間に母が学校まで送ってくれたり。先生の、車高の低い紺の車をよく覚えている。
 みんなが当たり前に通う学校という場所に、クラス

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