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地方移住を考えて、お試し住宅体験記①~熊本県荒尾市~

この記事を読んでくださっている方は「地方移住を考えている」「本格的に地方移住する前に、お試し住宅体験してみたい」「熊本県荒尾市に移住を検討している」という方だと思います。

今回の記事では、熊本市で生まれて人生の半分以上を海外で過ごした筆者が、熊本県荒尾市の移住を考えてお試し住宅体験をした体験を元に、荒尾市の魅力、移住のメリット・デメリットについてお伝えします。

今回は、高校生と中学生と小学生の子どもたち3人と一緒に移住体験をしたので、お子さんと一緒に地方移住をしたい人は参考にしてくださいね。

筆者が地方移住のお試し住宅に熊本県荒尾市を選んだ理由

荒尾市のお試し住宅は、貸付け期間が1回につき、3日以上30日以内で、3回まで利用できるため、長期的に移住のリサーチができる利便性があります。

また、車を運転しない筆者にとって、住宅地から徒歩やバスで主要施設にアクセスできる立地も魅力的でした。

特に、子どもの学校や病院、大型商業施設が徒歩圏内にあるのは助かります。

また、市役所の移住担当の皆さまが大変親切で、親身になって相談にのってくださることに感動しました。

住宅は集合住宅の2LDKで、一日の借用料が1000円(税抜き、光熱費は含む)で大変リーズナブルです。

バスに乗って10分も行くと、田んぼが広がり、白鷺が空を舞い、日本古来の風景が胸を打ちます。

また、海や温泉にもバスで20分程で到着します。

注意点は、お試し住宅にフリーWi-fiがないことです。

筆者は、在宅ワークをするため、Wi-fiが不可欠ですので、ポケットWi-fiの短期契約をして、問題を解決しました。

地方移住のメリット

(https://kumamoto.guide/photos/detail/912 梨の花)

荒尾市は、人口49,917人(2023年6月30日現在)、面積57,37㎢。

熊本県の西北端に位置し、東には小岱山、西には有明海があり、山と海に囲まれた自然豊かな環境です。

平均気温は16,3℃、平均降水量は1,891mmと温暖な気候で、自然災害が少ないことも特徴です。

また、商業、医療福祉、文化施設が集積したコンパクトシティでもあります。

農業や漁業も盛んなうえに、都市型の生活エリアがありますので、田舎と都市の両方を味わいたい方には最適な街と言えます。

住居費用が安くて、敷地面積も広くなる

(https://kumamoto.guide/photos/detail/899 宮崎兄弟の生家)

荒尾市の平均公示地価は1㎡あたり3万円弱で、全国平均の8分の1です。

大都市に比べて、住まいが広くなり、価格が安くなることが顕著です。

参照:株式会社Land Price Japan「土地価格相場が分かる土地代データ」
https://tochidai.info/area/arao/

荒尾市の空家バンクに登録されている家屋は、築50年以上の物件が大半で、リフォームが必要なことが多いです。

不動産サイトを参考にしながら、内見をして、自分に合った住まいを探してみましょう。

参照:荒尾市公式サイト「空き家・空地バンク」
https://www.city.arao.lg.jp/kurashi/sumai/akiya/akiya-bank/

また、2025年末には、快適未来都市「あらお海洋スマートタウン」が有明海沿岸に誕生します。

「こどもと楽しむ街」をモット―に、ますます便利になるゾーンにもご注目ください。

参照:荒尾市公式サイト「あらお海陽スマートタウン」
https://www.city.arao.lg.jp/smarttown-tokusetsu/3116.html

助成金や補助がある

ここでは、荒尾市に移住すると利用できる助成金や補助について説明します。

■移住促進補助金
中学生以下の子どもを持つ世帯に限られますが、20万円の補助金が交付されます。
さらに、空家バンクの登録物件を取得した場合は、30万円が加算されます。

参照:荒尾市公式サイト「荒尾市への移住を支援します!(荒尾市移住促進補助金)」
https://www.city.arao.lg.jp/oshirase/boshu/page15979.html

■結婚新生活支援事業補助金
夫婦共に39歳以下で、夫婦の所得合計が400万円未満の制限があります。

参照:荒尾市公式サイト「新婚さんの新生活を応援します!(荒尾市結婚新生活支援事業補助金)」
https://www.city.arao.lg.jp/oshirase/boshu/page17822.html

■保育士家賃補助事業
荒尾市内の保育所に就職された保育士さんには、最大3年間に渡って、月々の家賃補助があります。

参照:荒尾市公式サイト「荒尾市保育士家賃補助事業」
https://www.city.arao.lg.jp/kosodate/shien/page9990.html

■若者就労支援事業補助金
奨学金の返済を支援する制度です。

参照:荒尾市公式サイト「奨学金の返済を支援します! (荒尾市奨学金返済わか者就労支援事業補助金)」
https://www.city.arao.lg.jp/oshirase/shigoto/page9288.html

恵まれた自然環境でのびのび過ごせる

(https://kumamoto.guide/photos/detail/894 バードウォッチング)

自然災害が少なく、温暖な気候の荒尾市は、各所に緑のオアシスがあります。

街に、たくさんの花壇があり、道行く人に安らぎを与えてくれるのは、荒尾市がボランティアの方々と「花いっぱいのまちづくり」に取り組んでいるからです。

市の内外から観光客が訪れるバラ園があり、人々の目を楽しませてくれます。

広大な荒尾運動公園には、野球場、サッカー場、ゲートボール場、体育館、陸上競技場、弓道場、ソフトボール場、テニスコート、児童公園、7月と8月のみ営業の市営プールがあり、老若男女問わず、スポーツを楽しめます。

運動公園のそばにある、日本一のアトラクション数を誇る遊園地「グリーンランド」も有名です。

また、渡り鳥のオアシス「荒尾干潟」はご存じでしょうか。

ラムサール条約に登録された荒尾干潟は、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地であり、そこに生息・生育する動物や植物は保護するように定められています。

荒尾干潟では野鳥観察も楽しめ、渡り鳥の群れなどを見ることができます。

遠くには長崎の雲仙岳や、美しい夕焼けを眺めることができ、大変人気のあるスポットです。

地産地消で新鮮で美味しいものが食べられる

(筆者撮影、マジャクのフライ)

3月~4月は、アサリ漁が盛んです。

古くから、荒尾干潟の地形を生かして、アサリ漁やノリの養殖が営まれてきました。

有明海で採れた「有明海苔」はとても有名です。

また、6~9月にかけては、マジャク漁が盛んです。

マジャクは市のマスコットにも選ばれていて、フライや天ぷらにして食べると大変美味しい郷土料理の一つです。

荒尾漁協直売所では、毎週木曜~土曜日の午前中に新鮮な魚介類を購入することができます。

参照:荒尾漁業協力組合ホームページ「荒尾漁協直売所」
荒尾漁協直売所 - 【公式】荒尾漁業協同組合ホームページ 荒尾漁協 (arao-jf.com)

8月~10月にかけては、荒尾梨が美味しい季節です。

様々な品種の「ジャンボ梨」が堪能できます。

果樹園では梨狩りもできます。

(https://kumamoto.guide/photos/detail/905 荒尾梨)

もちろん、市内のスーパーにも、地元の野菜、果物、米、たまご、味噌など、生産者が分かる食材がたくさん売られています。

味が良く、値段も安価です。

地方移住のデメリット

生活、仕事、経済的な面から、筆者が感じたデメリットを紹介します。

車での移動が必須

JR荒尾駅があり、市内を走るバスもありますが、要所を走るバスだけで、本数も少ないため、生活には自家用車が必要不可欠になります。

駐車場は荒尾駅前は有料ですが、無料の駐車場が多くあって、車の移動が便利です。

ガソリン代はかかりますが、バスや電車を使って移動する交通費の方が、高くなる可能性もあります。

就職先の選択肢が少ない

荒尾市内の求人情報に、希望の職種がないことがあります。

ただし、隣接している福岡県大牟田市や熊本県玉名市は荒尾市より大きい都市ですので、そちらで希望の職種が見つかる場合があります。

大牟田市や玉名市までの通勤時間は、車で15分から20分です。

また、起業を目指す方には、サポート体制がありますので、起業家支援センター「チャレンジプラザあらお」にご相談ください。

参照:チャレンジプラザあらお
チャレンジプラザあらお - Home (challepla.net)

賃金が低い

熊本県の最低賃金は853円です(2022年10月1日改定)。

東京の1072円に比べると低いと感じるかもしれません。

しかし、東京で生活するのと比べると、生活費や住居費があまりかからないので、解決できそうな問題です。

参照:厚生労働省ホームページ「地域別最低賃金の全国一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html

お試し住宅の利用期間中にチェックするポイント

お試し住宅の利用期間中には、インターネットでは分からないことをたくさん体験してみてください。

地域の風土

JR荒尾駅に到着し、まずびっくりしたことは、ホームを繋ぐ連絡橋にエレベーターが設置されていないこと。

大型スーツケース2個と、小型スーツケース2個を持っていた筆者および子どもたちは、長くて急斜面な階段しかないので、大変な思いをして運びました。

バリアフリーの観点から、エレベーター設置の計画はあるそうですので、早急な設置を希望したいですね。

また、平日の午前中でしたが、街は閑散としていて、住人はいるのかどうか不思議でなりませんでした。

その後、お試し住宅に近づくにつれて、人も車も多くなり、ホッとしたことを覚えています。

車で移動する住民が多いせいか、歩いている人をほとんど見かけません。

通常、筆者は、徒歩や地下鉄、電車、バスで移動することが多いため、この光景に慣れるまでには時間がかかりました。

自然環境はすばらしいので、毎日歩いたり、バスで移動したりするのが楽しみです。

ただし、夜間の街灯が少ないため、夜の移動は避けた方が無難です。

住民との交流

移住コーディネーターの情報をもとに、地域の行事やボランティア活動に参加してみると、住民の方と会話するきっかけをつかめるでしょう。

地元の飲食店に通って、街の雰囲気を味わうことも、暮らしの理解を深めることになります。

不動産会社と空地・空き家バンクをリサーチする

本格的に移住を考えるのであれば、住む場所を決める必要があります。

不動産選びは内見が非常に大事ですので、ネットや冊子で気になる不動産があれば、すぐに予約を取って見てみてください。

子供がいる場合は、教育施設を見学し、確認する

保育園や幼稚園、小学校、中学校、高校のホームページを閲覧し、メールや電話でコンタクトを取ってみましょう。

ぜひ、見学や体験入学ができるかどうか問い合わせてみてください。

校長先生や教頭先生と談話する機会を設けてもらうのも、大変有意義です。

移住コーディネーターから現地情報を得る

市役所のくらしいきいき課には、専属の移住コーディネーターが常駐されています。

移住前も、メールでコンタクトを取りながら、さまざまな情報をいただきました。

疑問や質問にも丁寧に回答していただき、大変感謝しております。

滞在中は、週に1回、市役所を訪問し、移住コーディネーターにお試し暮らしの報告をしています。

まとめ

(https://kumamoto.guide/photos/detail/900 荒尾干潟の夕日)

現在、荒尾市のお試し住宅を体験中ですが、日に日に、将来ここに住みたいという気持ちが高まってきました。

一番の理由は、気候が良いこと。

現在6月ですが、いつも風が街を吹き抜けており、空気が良いと感じます。

移住コーディネーターによれば、高層ビルやマンションがないのも一因だそうです。

あちらこちらに緑があり、花があり、足をのばせば田畑があり、昭和の幼少期を思い出します。

二番目は、食べ物が新鮮で美味しいこと。

野菜も果物も魚も肉もなんでも美味しいです。

三番目は、熊本弁でも会話できる、気さくな方が多いこと。

昔から地元に住んでいる方が多いせいか、細かいことは気にせず、おおらかな方が多いような気がします。

そして、皆さんがとても親切です。

まだまだ移住体験は続きますので、その間、不動産リサーチをしてみたいと思います。

読者の皆さまも、せひ、荒尾市への移住を検討されてみてくださいね。

キアレッロ結加里


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