スヘフェニンゲン
朝、突然オランダ人の友人から1枚の写真が送られてきた。
ヨーロッパの古い街の様子で、労働者風な男性と背後から見つめる女性が実に印象的だ
映画「道」
これを見て、私はイタリア映画界の巨匠フェリーニの「道」に登場する、有名な二人組を思い出した。
フェデリコ・フェリーニの映画『道』(1954年)は、イタリアのネオリアリズムを代表する作品で、貧しい大道芸人ザンパノと、彼に売られた純粋な少女ジェルソミーナの旅を描いている。
粗野で無骨なザンパノと、心優しいジェルソミーナの対照的な二人の関係が、旅の中で徐々に変化していくのだが、そのラストは胸に迫るものがある。
人間の孤独や優しさ、愛の意味について深く問いかける内容だが、フェリーニの感動的な映像美とニーノ・ロータの音楽が、ジェルソミーナの哀愁や希望を切なく表現している
この作品は世界中で高い評価を受け、アカデミー賞の外国語映画賞も受賞している
オランダのリゾート
ところで、写真はスヘフェニンゲンという町らしい。何の写真かはわからないが、フェイスブックで偶然拾ったのだそうだ。
スヘフェニンゲンは、美しい海辺町で、穏やかな波と広い砂浜が広がる人気のスポットだと語っていた。
日本でいえば、伊豆半島などがの保養地に近いのだろうか。
ゴッホと海の景色
フィンセント・ファン・ゴッホは、1882年8月に「スヘフェニンゲンの海の眺め」を描いている。
画家としては活動初期の作品で、デン・ハーグに滞在していた時に描かれたものだ。
荒れる海と、灰色の空を大胆な筆致で描いており、海の力強さと自然の美しさを印象深く表現している。
ゴッホは1853年3月の生まれで、当時29歳である。30歳を目前にして、この風景に何を見たのだろうか。
当時は無名だった彼の芸術への情熱と、自然への敬意が宿っているに違いない。
ゴッホは27才で絵を始め、わずか10年で、約2100点も作品を生み出した。だが、生前に売れた絵は1点しかなく、非常に苦しい生活だった。スフェヘニンゲンの海の景色を描いた8年後の夏、37才の若さで自殺してしまう。
今回は、友人が送ってきたスヘフェニンゲンの写真を見てフェリーニを連想し、またゴッホに縁の地であったという内容でお送りした。
私も、いつかこのスヘフェニンゲンを訪れて、この海の迫力と静寂を感じてみたい。
おまけ
ゴッホの代表作の1つ「星月夜」を鑑賞してGoogle Arts&Link