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光の功名

喫茶店の電球を、「電球色のLED」から白熱灯に変えてみた。

いつもお世話になっている整体の先生のアドバイスを受けて。


骨と筋肉オタクの先生は、日頃から人間の身体に対して、観察&実験&検証を繰り返している。

先生によると、LEDや蛍光灯の光に晒された時、人間の身体は無意識的にいつの間にか若干の強張りと歪みを生じさせるそうだ。

代わりに白熱灯は、その光に晒されても身体がこわばることはないという。


先日、早速自宅のリビングと、自分の寝室のLED電球(電球色)を取り替えてみた。

ふむ、確かになんとなく、やわらかいかな、緩むのかなと思った。


この「やわらかいかな」が確信に変わったのは、その日の夜だった。

夕食の時間がきて、電球の交換後初めて電気のついたリビングへと出てきた次女が、いきなり言った。

「あれ、なんか変わった。
 この部屋の光、やさしい感じがする。なんか変えた?」


おおおおー!敏感!その通り!


「電球なんだ。やわらかいなーと思った。眩しくない。」


次女が変化にすぐに気づいたことで、LEDと白熱灯の違いが確かにあるんだ、ということに確信が持ててきた。


よしよし、と思い、まずは自宅のLEDを全て白熱灯へ。


その後で、喫茶店の電球も、「電球色のLED」から白熱灯へと変えていった。

使っている電球の数が多いこともあるからか、喫茶店の中の変化は、私でもすぐにわかった。

まず店内全体が、ふわっと柔らかな黄色味に包まれた。

今までは実は、黄色の光の中でも「白み」が強く入っていたんだな、と気付かされた。

今は完全に、黄色。「太陽の黄色味」で、店内が溢れている。


そしてなんとなく、なんだけど、光の粒子が前よりも少しだけ粗めな感じがする。

「プラスチックのつるつる」から、手作りの陶器の柔らかく素朴な肌触りに変わったような感覚。


身体の強張りの変化までは、よくわからないけど、なんとなくこの柔らかな黄色味は、以前よりもここに居る安心感を増幅させてくれている気がした。

プラシボかもしれないけどね。
とにかく、「なんかいいな」ってことだけは、わかる。



電気代は、これまでよりも高くなるのだろうし、電球の交換頻度も当然上がるだろう。


だけど、ここを訪れる人たちの、

「なんか、よくわからんけど居心地がいい」

この感覚が、気付かないようなところで、いつの間にか増幅する。

そんなことが、どうやら叶いそうだぞ、と思えるから、これは私の「やりたいこと」



ささやかな変化ではあるけど、この選択が今後、喫茶店に影響を与えていくのか。もしくは全く与えないのか。

わからないけど、「ますます居心地いい」を目指したささやかな実践は、どうせこれからも続けていくんだろうと思う。


多分私は、そういう類のソフトオタクなんだろうと思う。

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