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魔の山 第六章「雪」
第六章「雪」・・・カストルプ雪中遭難と二つの夢
二度目の冬、ハンスはスキーを始める。ある日吹雪に遭い遭難(ホワイトアウト)。吹雪の中を彷徨った挙句、たどり着いた山小屋で、実は、同じところを堂々巡りしていたことに気付き、ポートワインを飲んで、雪をさけて佇んでいる内に、意識が遠のき、夢を見た。南国の楽園(懐かしさを覚える)、神殿に足を踏み入れると、残虐な儀式をやっていた。ハンスは死への共感を失い始める。「人間は、善意と愛のために思考に対する支配権を死に譲ってはならない」。夢の二つの場面が、セテムブリーニとナフタを意味するものであったろうか。起きろ、起きろ、目を覚ませ、その雪の中の脚は己の脚なんだぞ。これは、夢から距離を置く、つまり、セテムブリーニとナフタ、どちらにも、参考にしつつも組しないという気付き、決意(暗示)だったのかと思う。だが、無事に療養所に戻れたハンスだが、夢の事は忘れてしまった。
この章節「雪」は、当初、ある意味、没入、忘我を描いているのかと思いましたが、読み直してみて、どうも違うかなと思い始めています。
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雪中遭難と意識を失くして観た夢、それが何を意味するのか?
ここでのあなたの解釈は如何に?
・・・なんだけど、また、ヨーアヒムの帰還と死、および第七章での展開でどう変わってくるかだとも思います。いろんな解釈が出来る章節ではないかと・・・